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補習個別指導塾講師は辛い・・学習障碍者の子や睡眠不足の子も通う・・。

29歳女性、学習塾で講師兼事務員として働いています。身体が弱く、時短勤務のためこの職での年収は120万円ほどです。


仕事内容は、主に生徒やその保護者の方へ向けたプリントの配布や学習の記録などの事務と、授業の2つです。


授業は先生一人につき生徒は最大で二人までという個別指導で、片方を解説している間もう片方は演習をしています。

授業が終われば個別指導報告書を書き、月に一度コピーをとって保護者の方向けに連絡袋に入れて生徒に渡します。


私の学習塾はフランチャイズで立場というものはありません。

ですが、学生アルバイトが多いのでかなり上の立場にはあります。

事務ができる講師は私の他にもう一人のみで、その他の先生は携わっていません。

学習障害児童に教えるのが大変すぎる

色々と問題はありますが、一人一人密に接していて思うのは学習障害児童がとても多いということです。

これによって生じる大きな問題は、生徒にいくら教えてもものが覚えられないことであり、せっかく塾に通わせて期待をしている保護者の方に背くことになることです。


その子が生まれ持ったものなので仕方がありませんし、叱ることもできません。


しかし、自分の子が学習障害なわけがないと思い込んでいる保護者の方も多く、ただ頭が悪いと切り捨てることもしばしばあります。

親が子どもを教えることは少なく、個別指導を行っている講師だけが気付くことも多々あります。

私たちの仕事は勉強を教えることなのに、それができないことは少なくありません。


なぜこの問題が起きているのかについては、正直遺伝的なものや生まれ持ったものが最大の原因となっていると感じているので、対処はできません。

何度教えても簡単なことを次の瞬間に忘れてしまう、覚えられない、だから次の週もまったく同じ授業をもう一度行うというサイクルです。

いつか定着してくれることを願って繰り返すことが対処になるのかもしれませんが、それだと学校の授業についていくことや、テスト対策ができず成績は下がるためジレンマです。


教育をきちんとしたら治るという問題ではないため、学習障害児童が多い背景は生まれつきの問題と言わざるを得ません。

もしこれを治すすべがあるなら、全国の親御さんが狂喜乱舞するでしょう。


個別指導でも生徒が寝てしまうケースも多い


生徒が授業中に寝てしまうことです。
やる気がない生徒というのは講師としては最も厄介で、どうすることもできないのが事実です。

思い切り怖く叱れば目も覚めてやってくれるのかもしれませんが、私の塾は生徒を叱るのではなく褒めて伸ばす指導をしているためそれはできません。

たとえ叱ったところで人間の三大欲求である睡眠欲には勝てず、また眠ってしまうでしょう。


これも睡眠障害である可能性が高い生徒も多く、受験本番でも寝てしまった子がいます。

そもそも家庭で十分な睡眠をとらせていない親もいて、子供は常に眠気に襲われているのです。

授業開始後の最初の30分は寝てしまう子もいて、これにはひたすら耐えるしかありません。


勉強がわからないのであれば教えることができます。どんなにわかりやすく教えてもわからない子であっても、起きていてさえいてくれれば何とか指導方法はあります。

繰り返すことに専念したり、論理的な理解は諦めて無理矢理にでも暗記に切り替えたりできます。

けれど、意識を失った状態の生徒が横にいても、起こすもののそれで起きてくれることはほぼありません。何もできずに授業が終わってしまいます。


私の仕事は勉強を教えることであり、言わなくてもわかる躾を教えることではありません。

教師ならともなく、私な講師なので自分の仕事をさせてくれと強く思います。

大変なのは自分の精神コントロールもです。

眠ってしまわれると身動きがとれなくなるのでどうしてもイライラしてしまいます。本人も寝たくて寝ているわけではないので叱りにくいところがあります。


環境は悪くとも生活のために講師として生き残らなければならない

生き残ることに関しては考えたことがありませんが、もし講師の枠が少ししかなく他人と争って手に入れなくてはならないのなら、毎日精いっぱい誠意を込めて生徒を向き合うしかないでしょう。

私の場合は、生徒とは友達のような関係なのであまりがんばっているという自覚はありません。

無理に褒めたりはせず、自然とその子がその子なりに頑張ったことを褒めます。

自分で言うのもなんですが、それで多くの生徒から指名を受けたり、私じゃないと嫌だと電話がかかってきたりしています。

ですから、私の性格上このやり方で良いのかなと思っています。今のまま生徒と仲良く授業ができれば、それが生き残るのに必要なことになっているのではないかと思います。

補習中心の個別指導塾では専門知識は必要とされない


スキル的なことで言うならば、もっと専門性が高いところまで学ぶということもありますが、塾では生徒が習っている以上の知識をひけらかすことはあまり良いとはされません。

生徒が混乱するからです。

学校で学ぶ範囲にことだけを教え、それ以上はあえて言わないのです。

賢い子、飲み込みが早い子、知的好奇心が旺盛な子には豆知識として教えることはありますが、そうでなければ言うべきではありません。

よって、学習塾に通う高校3年生までの内容が頭に入っていれば、それより上の知識が必要かというとそうでもないように思います。


個人的には、このような理由からスキルよりどう生徒と接するかの方がよっぽど重要だと思います。

賢い人よりコミュニケーション能力が高い人が生き残れるのではないでしょうか。

今後個別学習塾講師を目指す方へ!現場で感じた本音

私は教育関係に就きたいと思って就いたのではないためアドバイスというようなことは言えませんが、強いて言うなら自分と生徒が楽しむことが一番だと思います。

私は子どもも勉強も嫌いで、これを言うと大抵驚かれるのですが、それでも今の仕事はやりがいであり、生徒は私に生きる意味をくれると本気で思っています。


塾へ行けば生徒が屈託なく接してくれ、私の授業が良いと言ってくれます。

これによって私は存在価値を付与されているわけです。

自分が必要とされていると直接わかる職場で、彼らと話しているとその日一日が良い日になります。

大変でイライラすることもありますが、生徒と良い関係を築ければ誰もが楽しめると思います。


ですから、これから教育関係へ行くのであれば、生徒一人一人の個性を楽しもうというくらいで気楽に行ってみてはどうでしょうか?

成績を上げることも志望校へ合格されてあげることも大切ですが、そこまで高い学力がなければ生きれないというわけではありません。

無理に勉強させるより私は彼らが日々楽しく塾に来てくれればいいなと思っています。

気負わず、自分という性格を出しながら生徒と接してみてください。

私は講師なので教師になりたい人へのアドバイスはあまりできませんが、生徒それぞれの個性を楽しむのはどちらにもできることだと思います。


講師の本音を聞いていただきありがとうございます。コチラでは教育業界のリアルが分かるメディアをやっております。 https://teacher-life.jp/