やる気を出す唯一の方法


これも(本来であれば)よく知られてる方法で,教師や子供はそれを「知らないのではなく出来てない」のが問題である。

やる気を出す方法はいくつかある。例えば,日光を浴びること(代用で淡い光)はセロトニン、ビタミンBなどを活性化させることは知られている。食事,睡眠,友人と話す,スポーツなどはテストステロンを増やすことも知られている。

これらは当たり前にできるように感じるけど,実はそうではない。例えば,極端な状況だとよくわかるのだが,よく知られているのは拘禁反応である。これは強制収容所や刑務所などの強制的に自由を抑圧された環境で起こる障害である。いわゆるうつ病や自殺憂慮が増える。

私たちも知らず知らず強いストレスや緊張での「自己拘禁状態」にしてないか注意しないといけない。

逆にストレス下の方が良い効果がある。

まず,強いストレス・緊張状態では,脳の視床下部が反応して下垂体と副腎からのホルモン分泌が促進され,心拍数の増加,血圧の上昇,食欲の低下などが生じる。これは脳に生じる原始的な反応で,元がサルである我々にはこれを変えることは出来ない。つまり強いストレスや緊張は私たちにとって良い効果を産まない。

しかしながら,ストレスは私たち人間のようなサルには一定の効果を与える。つまりストレスで交感神経の働きが活発になる事で,状況を目でしっかりと確かめ,逃げるのか戦うのか様々な判断をしなければいけないと認識する。脳神経は興奮し眠気はなくなり,機敏な反応や瞬発力を高めるための筋肉が十分動ける様な状態になる。血糖値が一気に上昇し脳と筋肉のエネルギーを供給します。また多くの酸素を取り込もうとする(たまに,過呼吸になる人がこの状態)。末梢血管は収縮し,手足は冷たくなる。消化器の機能は抑制されるので,食欲はなくなる。

人間の体ってすごい・・・

「だったらずっとストレス与えたらいいんじゃない?」

と,なりそうだが,これでは先程の「自己拘禁状態」に見られるようなマイナス面もある。つまり

A . 普段・・・ストレス小,集中しなさすぎ,リラックスしすぎ

B .本番・・・ストレス大,集中しすぎ,緊張しすぎ

なのが問題なのである。つまり殆どのケースでは,Aの状態では「いかにストレスを増やすか,緊張するか」が大事なのである。

先生の立場で,子供を見るなら「怒鳴る,睨む,黙る」のような行為がそれになる(全て子供が強いストレスを感じる行為だ)。やりすぎはいけないけど,多くの場合で,やる気を出させるほぼ唯一の方法は相手(自分自身も含む)に「ストレスを与える」ことが大事になる。

具体的には,競争する,時間制限を与える,リラックスできない環境にいく(塾や図書館など)などである。

「怖い状態や本番」をイメージするのもいいです。自分を緊張状態に持ってくということです。この場合,気をつけなくてはいけないのは「自分自身の状況の側に」置くことです。

例えば戦国時代の武将や,有名な経営者になぞるのは楽しいですが,それでは「これはファンタジーである」と脳が認識する可能性があるということです。つまり脳は「これは偽物」と認識するので,やる気,集中してくれないわけです。それよりは「明日のテストこのままではまずい。悪い点数になってお母さんに怒られそうだ」「今のままではまずい。今日中に契約を数件取らないと,上司に怒鳴られる」のような分かりやすいストレスが良いわけです。現実として認識しますから。また,当然ながらこれも極度に強い緊張やストレスは,マイナスになります。だから,過度に高い目標や罰則はマイナスになるということです。

実は人間は,昔から知らず知らずに強いストレス,緊張を自ら,心身にダメージを与えることで強い集中力を得ることをしてきました。

宗教などで多いですが,例えば日本の四国88ヶ所巡りやキリスト教徒のエルサレム巡礼や,イスラム教徒のメッカ巡礼などです。これはとんでもなく長い距離を何十日も歩くわけで,昔は命を落とす人もいました。しかし,そのように強いストレス,緊張を与えることで,強いやる気や集中力が得ることができるのです。同様に,日本や海外のお祭りも暴力的なものが多いです。凄いのは血を流したりしてるのに全く痛そうにしてないことです(緊張・興奮状態では痛みを感じにくい)。

ただ先にも挙げましたがあまりに極度だったり,長期間では人間の心身に復元不可能な強いダメージを残します。ですからお祭りとか巡礼というのは1年に1度や,一生に1度のように決められた範囲で行われることが多いのですね。

少し横道にそれましたが,集中したければ,イメトレをしましょう。怖いこと,嫌なことを空想し,具体的に「今の目の前のことをやれば,なんとかそれを避けることができるはずだ」のように,自分にストレス,緊張を意図的に与えるのです。

ちなみに好きなことをやってる時に起こりやすい,フローと呼ばれるような「ランナーズハイ」の集中した状態ではそれはいりません。これはあくまで集中できない時,やる気の出ない時の方法です。

よかったら試してください。

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