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遊戯王ヒロイン's デッキ/Duel 1

遊戯王デュエルモンスターズを語る上で欠かせないのが、アニメ・漫画で戦うデュエリストの魅力。

2000年代の男の子向けコンテンツの宿命ですが、歴代シリーズは男性キャラクターに焦点が当てられます。そんな男社会の世界観?ですが、女性キャラクターに私は惹かれます。使用カードの華やかさから、OCGやゲーム作品ではファンデッキを必ず組みます。残念ながら、作中での扱いは負け試合が多く、終盤には活躍がほとんどないことが多いです。

OCGでは「レジェンドデュエリスト編4」がリリースされましたが、25周年を迎えた歴史の中で女性デュエリスト関連カードにフォーカスしたパックの販売としては唯一の功績となります。また、パックの表紙を飾ったのは先述の「レジェンドデュエリスト編4」と「Vol.6」で『孔雀舞』が、「デュエリストパックー神代兄妹編ー」の『神代璃緒』(兄シャークとともに)の2名のみではないでしょうか(リサーチ不足でしたらごめんなさい……)。

そんな不遇な女性デュエリスト達の魅力を発信したく、「ヒロインズ紹介」をシリーズ化してお届けします。第1回は初代シリーズから『孔雀舞』を取り上げます。

[デュエルリンクス] キャラ選択画面

『孔雀舞』は王国編から登場する、後々お姉さん的ポジションに安定するライバルキャラです。王国編でもバトルシティ編でも決勝トーナメントにコマを進めているため、作中では強キャラ扱いなのでしょうが、その強さを描写する場面は残念ながらありません。主人公たちの活躍の裏で勝利を稼いでいるわけです。描かれたデュエルシーンは『闇遊戯』や『闇マリク』とのデュエルのため、「勝てるわけねぇだろ」状態です。万が一勝ったらストーリ終わっちゃうので。これが、ヒロインズの受難……。とはいえ、『闇遊戯』をギリギリのところまで追い込み、慎重なプレイングが逆に勝機を逃す形で敗北を喫したり、『闇マリク』の切り札である神のカード「ラーの翼神竜」をカード効果で奪って召喚するなど、見せ場はあります。相手が悪かったんです。初デュエルの『城之内克也』戦で、香水戦術(アロマ・タクティクス)と称したイカサマ?戦術を披露したことがネタ的に語られることが多いです。

しかし、初代「遊戯王デュエルモンスターズ」では数少ない「デュエルできる女性キャラ」の1人です。勝率こそ悪いですが『城之内克也』を叱咤激励するなど、ストーリ展開に一役買う活躍を見せます。また、孤独・孤立した人生でしたが、主人公組との交流を通して、「仲間」の大切さを知り、内面的な成長を遂げるなど、とても魅力的なキャラクターとして描写されています。声優の『七緒はるひ』さんも定期的に遊戯王関連の発信をご自身のSNSでなさっていたり、『孔雀舞』役として各種イベントにも参加されています。様々な方面から愛されているキャラクターであることは間違いありません。

使用デッキは鳥獣族の代表的なテーマである【ハーピィ】です。「単体では強くないハーピィを装備カードで強化ながら戦う」旨を『孔雀舞』自身が発言しており、そんなハーピィの姿に自己投影をしています。「ハーピィ・レディ」は翼を持つ女性型モンスターとして登場しました。現在ではその種類も複数存在しており、当時では実装されていなかったシンクロ・リンクモンスターも登場しています。どのハーピィも華麗な姿をしており、色とりどりの羽が美しく映えるデザインで、『孔雀舞』にピッタリのカード群です。

デュエルリンクスでは専用召喚ムービー付き

OCG発売初期から遊戯王に触れている私ですが、初めて組んだデッキは【ハーピィ】でした。当時にデッキカテゴリーはありませんでしたので、【ハーピィ】中心の鳥獣族デッキにはなっていましたが……。個人的ヒロインファンデッキの歴史はOCGの歴史同様25周年と考えると感慨深いですね。

【ハーピィ】カードは何度か強化を受けています。最新では「ハーピィズペット竜ーセイント・ファイアー・ギガ」が登場しています。風属性や鳥獣族が汎用的に強化されることで恩恵を受けることもありますが、最近は聞かないですね……。実際、現状ではカードパワーが不足しており、「ハーピィ・レディ・SC」のバウンス効果は強力ですが、単体での制圧力は弱めです。展開力は「ハーピィ・チャネラー」や「万華鏡ー華麗なる分身ー」によりデッキリクルートが得意なため、高い方ではあります。ただ、即効性のあるサーチが「ハーピィ・パフューマー」に依存する(しかも特定の魔法・罠のみ対応)ため、手札補充・リソース回復力に欠けます。さらに、フィールド・墓地では「ハーピィ・レディ」名称扱いとなる「ハーピィ」たちですが、その効果を無効化されると「万華鏡ー華麗なる分身ー」を発動できません。弱点が目立つデッキですが、とんでもないパワーカードを扱える点は見逃せません。

【ハーピィ】の切り札はなんといっても「ハーピィの羽吹雪」です。条件さえ合えば手札からも発動可能で、相手のモンスター効果をすべて無効化します。フィールドのモンスターだけでなく、手札・墓地で発動するモンスター効果のすべてを無効にします。

ハーピィだから許されるパワーカード
現時点では切り札と言って過言ではない

「ヒステリック・サイン」と「ハーピィの狩り場」を組み合わせることで1ターン目から「ハーピィの羽吹雪」を手札に加えることが可能です。コンボパーツが多く、安定性はありませんが、決まれば勝利を確信できるほどに強力な制圧力を発揮します。「ヒステリック・サイン」は①「万華鏡ー華麗なる分身ー」をデッキ・墓地から手札に加える効果と②デッキから3枚までのハーピィ カードを手札に加える効果を持ちますが、いずれか1つしか1ターンに発動できません。②で「ハーピィの羽吹雪」を手札に加えたい場合は、「ヒステリック・サイン」を伏せ、「ハーピィの狩り場」の効果で破壊し、墓地に送ることで能動的に発動可能です。

[デュエルリンクス]ではかつて、環境トップに君臨した実績があります。現在でも十分に戦えるデッキパワーはあると言って良いでしょう。[マスターデュエル]では使用カードに制限があるフェスなどでは活躍が見込めます。純【ハーピィ】ではカードが不足するため、【シムルグ】との組み合わせがおすすめです。

今後の【ハーピィ】への個人的な希望を最後に残しておきます。
1.「ハーピィ・レディ三姉妹」のリメイクカード
バニラカード同然なので、同名カード扱いのリメイクカードが欲しいです。現状ではデッキへの採用は見送られます。残念ですが、事故要因です。また、初期のカードのため、イラストの表情が恐ろしい……。

2.「ヒステリック」カードサーチ
先述の「ヒステリック・サイン」は破格のサーチ効果を持っていますが、自身をサーチすることができません。少なくとも「ハーピィ」関連内では。また、「ヒステリック・パーティー」は墓地のハーピィを大量展開可能な永続罠です。こちらも強力なカードですが、サーチ不可な上、永続罠という即効性に欠ける性能のため、サポートが求められます。メインデッキに投入できる「ハーピィ」に「ヒステリック」サーチ効果を持つカードが登場することで、大幅な強化が見込めます。

3.『孔雀舞』をイメージした新規カード
最近、使用キャラクターをイメージした新規カード実装が目立ちます。『柊柚子』をイメージしたと思われる「幻奏の華歌神フラワリング・エトワール」がその一例です。「ハーピィ・パフューマー」が近いのかもしれませんが(香水戦術的に)、切り札・フィニッシャーとしての新規カードを期待します。

4.「ブロンドウェーブ」や「薔薇の鞭」など原作・アニメカード
未OCGカードとしてこれらを拾っていただきたい。「ブロンドウェーブ」はイラスト・効果が一切不明ですが、『孔雀舞』のヘアスタイルと一致します。「薔薇の鞭」はアニメで使用されたカードです。ハーピィカード扱いでOCG化されたら、【ハーピィ】がより華やかなデッキになるでしょう。

[ラッシュデュエル]では、OCGにない「ハーピィ」モンスターがたくさん実装されています。人気の高いテーマですので、OCGでの新規カードも期待しています。

メイン・EXともにカード不足は否めません
※「誘惑のシャドウ」「銀幕の鏡壁」は原作使用カードであり、ハーピィ関連ではありません

強化を望みますが、「ハーピィの羽吹雪」が今以上に使いやすくなると規制の可能性も高まりますので難しいところ……。ただ、純【ハーピィ】を組むためにはカードプールがもっと必要なのも事実です。皆さんも華麗に舞うハーピィ達で、お相手の盤面をボロボロに崩しまくりましょうね!

それでは、ごきげんよう。

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