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私が私を手助けしてあげるために『「首尾一貫感覚」で心を強くする』


「守備一環感覚」はSense of coherence SOC」と呼ばれる概念です。

医療社会学者のA・アントノフスキー博士が提唱したこの能力は、もともとユダヤ人強制収容所での過酷な収容体験を乗り越えた女性たちに共通していた、次の「3つの感覚」から構成される。

◆把握可能感=「だいたいわかった」
◆処理可能感=「なんとかなる」
◆有意味感=「どんなことにも意味がある」

Amazon 著書紹介より

Coherenceは「一貫性」と訳されるけれど、
読後に感じたのは、この3つの感覚を使って、「納得できる」状態になる、ということでした。

ここで大切なのは「自分が」心から納得できる状態なのであって、たとえそれが善意の励ましや助言だとしても、人から「納得させられる」のではないということです。

著者自身は議員秘書を経験し、土下座を何回も見たそうです。

本著で紹介されている秘書たちへのインタビューから、一見受け入れ難い環境も、その人自身が、なんらかの納得感を持って状況を受け入れ、能動的に対処するとこができれば、困難を乗り越える、または人生の糧にすることができるのだと感じました。

私たちは、毎日の小さなモヤモヤから、人生の局面での大問題まで、困難に遭遇したとき、そう簡単に達観して「メタ認知」できません。

そんなとき、このメソッドを使って、自分のそばにもうひとりの自分が立って話を聞いてあげる。

そして、たとえば「あー、いまわけわかんない(=把握可能感が足りない)から困ってるんだね」とか、「意味あるとは思えなくて(=有意味感がない)しんどいんだね」と優しく話しかけてあげる。

すこし気が楽になるのではないでしょうか。
自分で自分を助けてあげられる方法を持っておくと心強いです。

ただ訳語が難しく、直接、英語の
comprehensibility
mamanageability
meaningfulness

を読む、調べるのも一考かと思います。


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