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2020シーズンからみる北海道日本ハムファイターズ各捕手の特徴

2020シーズンからみる北海道日本ハムファイターズ各捕手の特徴で発表です。よろしくおねがいします

今回この調査を行った理由は、自分自身が捕手好きながら詳しいことを勉強しておらず、ある日「全部、結果論で終わらせている」との指摘を受けたことから始まっています。悔しくもその通りであったことから、2020年のシーズンデータを使って勉強をすることにしました。当時はとても悔しく泣いたりもしましたが、今回このような調査をするいい機会となりました。大変感謝しています。

 そして皆さんに理解していただきたいこととして、この調査はあくまでも私自身が大好きな捕手のことをもっと知るために行ったものであり、決して批判をするために行ったものではない、ということです。事実に基づいてマイナスなことを書く時もあるが、感情に任せた批判ではないことをご理解ください。加えて、この調査結果を批判に使用することもやめていただきたいです。素人がデータから感じたことを述べているため、実際の状況とは異なってくることもあると思います。温かい目で見てください。

ここはこう思うなどのご意見はありがたく頂戴いたします!無断転載ももちろんやめてください。

今回調査をする捕手は、「2つのチームが4つのベースでできた四角形の環(回路)において得点を競い合う球技。「フィールド」「野球場」と呼ばれる屋外球技場(またはそれを模した屋内球技場)で行われる」野球という競技のポジションの1つです。
別名をキャッチャーといい、野球やソフトボールにおいて投手の投球を受ける役割の選手のことを言います。守備番号は2。高校野球では守備番号と背番号が同じなので、捕手は2番を背負っています。

 また守備において中心的な役割を担うことから、「扇の要」とも呼ばれます。グラウンドの図を見てもらうと分かるように、野球場は扇の形に似ており、その要に捕手が一人だけ、打者を除く全ての選手と向き合う形となります。

この守備の要である捕手について、いい捕手がいるチームは強い、正捕手がいる方がいいということは昔からよく言います。例としては阿部二軍監督が正捕手としていた巨人や、谷繁さんがいた中日、古田さんがいたヤクルト、最近では甲斐選手がいるソフトバンクの強さは明らかです。とはいうものの、どこまで守備に影響があるのか、どのくらい重要なものなのか、ははっきり理解できていないのが私の現状です。

そこで今回、詳しい配球データを収集、各捕手がどのような配球を行うのかという配球面からの分析を行い、野球の守備の部分における特徴を掴むこと守備における捕手の役割の重要度を配球データから考えること。そして何より自分自身が大好きな捕手のことをよく知り、もっと大好きになることを目的として調査を行うことにしました。

調査する選手は自分自身が応援をしており、分かっていることも多い北海道日本ハムファイターズ各捕手について調べることとしました。
なお、2020年一軍データを元に分析を行ったため、各捕手は清水優心、鶴岡慎也、宇佐見真吾、郡拓也、田宮裕涼、石川亮(敬称略、背番号順)の六選手とします。

主な調査手順を説明します。
まずは一球一球のデータ入力・抽出を行いました。野球データアプリ「SPAIA」「スポナビ」を使用し、Excelに入力を行いました。
その後、Excelの関数(主に合計を求めるSUN、平均を求めるAVERAGE、欲しいデータの抽出にCOUNTIF)を用いてデータを抽出し、グラフ化
そのグラフと基本データなどを基に分析、考察をPowerPointにまとめました。

次に今回の調査で抽出したデータです。2020シーズンの北海道日本ハムファイターズが守備についている際の全ての球について、球種、コースを調べました。
球種はストレート/スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ/シュート/ツーシーム/カットボール/スプリット/ナックルカーブ/縦スライダー/スローカーブ/シンカーの13球種とし、コースは図のようにストライクゾーンに名称をつけ、データをまとめました。ストライクゾーンに入っていないボール球については、一番近いストライクゾーンに振り分けました。

さらに捕手別月間データでは先程の球種、コースに加え、出場試合数、先発出場、途中出場、先発出場時の試合の勝敗、平均失点を表にしてまとめました。平均失点では出場試合数、先発出場、途中出場の各条件下での平均失点を算出し、考察材料としました。
また、投手別月間データでは先発投手3名、中継ぎ投手1名で比較を行ない、捕手別月間データと同様に球種、コースに加え、先発投手では先発出場時の試合の勝敗と試合での平均失点、中継ぎ投手では試合での平均失点を算出し、こちらも考察材料としました。

まず初めに、北海道日本ハムファイターズのチーム全体として2020シーズンの球種とコースをデータ抽出し、グラフ化したものが上記のようになります。

2020球種と書かれたグラフからは、ストレートとスライダーがかなり多く、60%を占めていることが分かります。これは中継ぎに宮西選手、公文選手、福田選手など、ストレートとスライダーの二種で勝負をするピッチャーが多いことも理由の1つにあげられるかと思います。

次に2020コースと書かれたグラフからは、インロー、ロー、アウトローの低めのコースが50%ほどを占めること、またアウトハイ、アウト、アウトローのアウトコースも50%ほどを占めることが分かります。このことから、チームとして、アウトコース低めを中心とした配球をしていることが多いのではないかと考えました。

続いて、各捕手別にグラフをみていきます。初めに清水優心選手。2020シーズンは7月に不調に見舞われ、二軍生活もありましたが、次期正捕手候補筆頭の選手です。

すべての月に共通して、球種はストレートとスライダーを基本にし、コースはアウトコース低めが多いと感じました。このデータから清水選手は基本に忠実なリードの仕方をしていると感じます。

投手の調子が良かったり、上手く回っている時は打たれずに済むのですが、やはり回を重ねて何周も打順が回ってきたり、投手も疲労がたまってきます。すると、リードが読まれてくるので打たれ出してしまうことが多いかなと感じます。

実際今シーズンのファイターズの平均得点は4.1点、清水選手の先発出場時の平均失点は3.8点とギリギリです。ファイターズはチームとして大量得点を取るより、接戦を確実に守りきって勝つチームなので、なるべく抑えたいところです。

2人目ははチームの野手最年長でバッテリーコーチも兼任するベテランの鶴岡慎也選手です。

全体にみて、大きな共通点はかなり少ないように感じます。これは受ける投手やその日の状態によって、大きく変えているのではないか、ということが考えられます。

また比較的高めのコースが多いように思います。インコースや高めは甘く入ると一気にスタンドまで運ばれる可能性が多いので、打たれても打撃の少ないアウトコース低めが安全とされています。しかし、アウトコース低めばかりだとリードが一辺倒になるし、よく打つバッターにはインコースに攻めのリードをすることも必要です。

試合数が少ないので比較は難しいですが、鶴岡選手はインコースを上手く使い、低めのコースにおいてもインロー、ロー、アウトローを使い分けていて、長年の経験を生かしたリードをしているように感じます

3人目は宇佐見真吾選手です。宇佐見選手は2019年に読売ジャイアンツからトレードで加入した強打が魅力の中堅選手です。鶴岡選手を除くと若手ばかりだったファイターズの捕手陣にとって貴重な中堅選手でもあります。

そんな宇佐見選手は他の捕手に比べて、ストレートの占める割合が多いように感じます。またコースではアウトロー中心ではあるものの、インコースや高め、真ん中のコースもバランス良く使い分けているように感じます。

一方で、先発出場時の試合の平均失点は3.7点とチームの平均得点4.1点ギリギリ。途中出場の際はあまり失点していない様子から清水選手同様、試合中に段々と配球が読まれてきている可能性があると考えられます。

4人目は郡拓也選手。なかなか出場機会がないものの、2019年シーズンに一軍に呼ばれた時は、リードはもちろん打撃でもしっかりと成績を残しました。二塁手への挑戦もしたりと、器用な素晴らしい選手だと思います。  

6月と10月は球種が非常に多い金子選手がいることもあり球種も多めですが、7月には球種が5種ある吉川光夫選手に、全球ストレートを要求。吉川光夫選手は四球を出して苦しむことが多いので、あえて落ちてボールになりやすい変化球を捨て、全球ストレート要求したのかもしれません。

コースもこの時は他の月よりストライクゾーン全体を使っているように感じます。このことから、その時の投手や状況などを鑑みてリードをするタイプではないかと考えました。

5人目は田宮裕涼選手です。田宮選手は今回の6選手のなかでは最年少です。特徴としては肩が強く、盗塁阻止などのスローイングはあの福岡ソフトバンクホークス甲斐拓也選手の甲斐キャノンのように、ゆあキャノンと呼ばれています。また2020シーズンは初先発出場を果たし、初ヒットも打ちました!

そんな田宮選手ですが、9月に金子選手とバッテリーを組んだ際は、3球種、コースもアウトコース低めが50%以上を占めるなど少し一辺倒な配球に見えます。しかし、11月に再び1軍に上がってくると、ストレートとスライダー中心の配球ではあるものの、球種を使い分け、コースもストライクゾーンを全体的に使っているように感じます。データが少ないのであくまで推測となりますが、成長が感じられます。

最後の6人目は石川亮選手です。石川選手はストライクゾーンギリギリの判定が難しい球でしっかりとストライク判定してもらうためのフレーミング技術がものすごく高く、ファンの間でも高く評価されているのをよく目にします。これは投手が投げた良いボールをしっかりと評価してもらうためのとても大切なものなので、フレーミング技術が高いと投手も安心感を持って落ち着いた投球ができるのです。

さて、石川選手の配球ですが、スライダーが他の選手に比べて少ないように感じます。ここから、ストレートとスライダーで組み立てるのではなく、ストレートで押しつつ、投手が得意な変化球を混ぜて攻めていくようなリードをするのではないか、と感じました。コースにおいても、使い分けてストライクゾーンを広く使っている、という印象を感じます。

ここからは投手別で比較を行なっていきたいと思います。

まずは上沢直之選手とバッテリーを組んだ時の比較を、清水選手、宇佐見選手の二選手で行いました。

上沢選手は球種がストレート/スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ/シュート/カットボール/ナックルカーブの8種、投球スタイルは長身から投げ下ろすオーバースロー、先発完投型で、特徴としては打者に的を絞らせない投球術です。

比較をしてみると2選手の間に大きな差はないように思われます。しかし、個人に目を向けると清水選手はシーズン全体ではインコースや高めは少なかったが、上沢選手とのバッテリーでは、まんべんなくストライクゾーンを使用しているように感じられます。
一方の宇佐見選手は、シーズン全体や他の選手の時よりも、アウトコース低めが多いような印象です。

また平均失点に目を向けると2選手どちらと組んでいる時でも2.5点とチーム平均得点4.1点を下回っており、さすがは上沢選手だなと思いました。

次に有原航平選手とバッテリーを組んだ時の比較を、清水選手、宇佐見選手、石川選手の三選手で行いました。

有原選手は球種がストレート/スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ/シュート/ツーシーム/カットボールの8種で、投球スタイルはオーバースローとサイドスローの中間のスリークウォーター、先発完投型で、特徴を最速155km/hのストレートを筆頭とした力強いピッチングが魅力です。

配球を比較してみると、コース要求に大きな差はないものの、球種には特徴が見られます。

清水は変化球が多めなところから、ストレートとスライダーで組み立て、決め球を少しずつ変えている可能性を考えました。短い回、宇佐見選手から引き継ぐような形で1回のみ受けているので、長いイニングでは変わってくる可能性のあると思います。

宇佐見選手はストレートが多いところから、カットボールやナックルカーブなどの変化球だけでなく、ストレートで空振り三振を取りにくる配球をしているのかな、と感じました。

石川選手はスライダー以外の球種が同じくらいの%であることから、色々な変化球を使用し、的を絞りにくくする配球をしているように思いました。

先発投手の最後はマルティネス選手とバッテリーを組んだ時の比較を、清水選手、鶴岡選手、宇佐見選手、石川選手の四選手で行いました。

マルティネス選手の球種はストレート/スライダー/カーブ/チェンジアップ/シュート/カットボール/ナックルカーブの7種、投球スタイルはオーバースローで打者の手元で鋭く変化するボールが武器。特徴としては、力でねじ伏せるタイプではないが、カーブを含む多彩な球種と安定した制球力が魅力です。

配球の比較をしてみると、球種において、清水選手と宇佐見選手鶴岡選手と石川選手に同じような傾向が見られます。

清水選手はかなり多くの球種を使ってリードしていることが分かります。ただ、数%の球種は使っていない試合もありそうだなと感じました。

鶴岡選手は球種はストレート中心の3つの変化球と少なめだが、コースはど真ん中に来ることを避け、ストライクゾーンを広く使っている印象です。

宇佐見選手は変化球の種類が少し多いものの、コースは比較的鶴岡選手と似ていると感じました。

石川選手はカットボールとナックルカーブで50%を占めており、他の選手と少し違う配球をしているな、と感じました。

中継ぎ投手は今年、さまざまな場面で投げていて、今回の調査の6選手全員とバッテリーを組んだ金子弌大選手でバッテリーを組んだ時の比較を行いました。

金子選手の球種はストレート/スライダー/カーブ/フォーク/チェンジアップ/シュート/カットボール/スプリットの8種で、投球スタイルはスリークウォーター、多くの変化球を投げ分け、洗練された投球術で打者を打ち取るのが特徴です。その球の平均球速は144km/h、ストレートは最速154km/h。また四球が少なく、2018年までの通算与四球率は2.09とかなり優秀な記録を立てています。

配球の比較をすると、球種においては全員ストレート中心で、変化球を活かすリードをしているように思います。郡選手と田宮選手はストレートの他にもスライダーと直球系のチェンジアップで攻めているなという印象を持ちました。

コースとしては、清水選手は上沢選手と同じくらい高めの要求が多く、逆に宇佐見選手は他の選手に比べて高めの要求が少ないように感じました。
鶴岡選手と田宮選手はアウトコース低めが多く、特に田宮選手はコースが少ないので強気に攻めているなと感じです。石川選手と郡選手は色々なコースも満遍なく要求しているように思いました。

全体考察です。
チームでは、ほとんどの試合で先発出場する清水選手と宇佐見選手がよく似たリードをしていること、先発出場時の平均失点も清水選手が3.8点、宇佐見選手が3.7点と同じくらいであること、良く組む人以外は基本的なアウトコース低めのリードをしていることが分かりました。
このことから清水選手、宇佐見選手の二選手とも試合中に配球が読まれてくる傾向があるので、もう少しそれぞれ工夫をしてみることが必要ではないかと考えました。

続いて清水選手です。基本的なアウトコース低めの配球が染みついていること、球種が多い選手に対してはしっかりと全て使うように配球をしていることが分かりました。
このことから、もう少し面白い配球をしてみたり、反対に自分を殺してピッチャーの特色を活かす配球をしてみるとよいのではないかと考えました。清水選手自身も落ち着くこととメンタルの強化をあげているので2021シーズン期待しましょう。

鶴岡選手はベテランの経験を活かして高めやインコースを上手く使って配球していること、投手によってかなり球種の要求も違っていること、月間データでもあまりグラフが揃っていないことがグラフから読み取れました。
このことから、投手によって配球を細かく変化させ、投手が気持ちよく投げられるように配慮していると考えました。2021シーズンはバッテリーコーチとして後輩に経験含め、指導でも自身のプレイでも伝授していってほしいです。

宇佐見選手はストレートを中心に配球を組み立てること、コースでは低めの要求が多いものの、ストライクゾーンを広く使って配球されていること、真ん中に甘く入った球や失投の球がスタンドまで持っていかれてしまっているのでは、と感じることから、球種をもう少し使うとさらに読まれにくくなるのではないかと考えました。2021シーズンも多くの試合に出ることが予想されるので、他の捕手と切磋琢磨して頑張ってほしいです。

郡選手は基本的にはアウトコース低めのリードをすること、球種はあまり多く使わないが、コース配分がインコースからアウトコース、高めから低めまで全体的に使って配球していることが分かりました。先発時のデータがないため、検討の余地ありではありますが、もっと受ける球種が増えると配球の幅も広がると考えました。なかなか一軍の出場機会がないですが、ここぞのアピール力、勝負強さではい上がってくること期待したいです!

田宮選手は、球種もコース配分も少なめではあるが、失点は少なく、他の選手と少し違うように感じられること、9月は少ない球種、少ないコースで勝負していたが、11月の再昇格時では球種が増加、コース配分も広がっていたことから、成長が著しく、経験を積むことでものすごく成長するタイプではないかと感じました。2021シーズン、まだまだ成長すること間違いなしだと思います。郡選手同様、期待したいです!

石川選手はストレートと変化球(スライダーを除く)で配球を組み立てていること、投手にあった配球をしていること、ストレートで押しつつ、各投手の得意な変化球で攻めていく配球をしていることが分かりました。このことから、打者の特徴を掴んだ配球をすることでもっと打ち取ることが出来るのではないかと考えました。2020シーズンは二軍生活が長かった石川選手。2021シーズンは再度の一軍定着を目指して頑張ってもらいたいです!

まとめです。今回の調査で、自分なりではあるが、各捕手の特徴を掴むことが出来、大好きな野球、捕手について知識をつけることが出来ました。

また、PC能力の向上も見られ、特にExcel内での関数利用やショートカットキーの習得、タイピング能力の向上を感じることが出来ました。

そして今回当初の予定よりは少ないボリュームにはなったものの、この調査をやり切ったことにより、自分にもここまでのものをつくることが出来るんだ、努力をすることが出来るんだという大きな自信になりました。

北海道日本ハムファイターズの選手をはじめとする野球選手はいつも辛いとき、何かを乗り越えないといけない時に私を励まし、勇気づけてくれます。本当に本当に感謝してもしきれません。ここ最近は野球があったから生きていられると感じることも少なくないです。

そんないつも笑顔にしてくれる、勇気を与えてくれる、そんな彼らが怪我なくシーズンを走り抜き、最後には最高の笑顔が見られるシーズンになりますよう心から願ってこの記事を終わります。

頑張れ!北海道日本ハムファイターズ!!!

.*・゚Special THANKS.゚・*.
あみのさん(@_arnino)
今回、タイトルとまとめの部分の宇佐見選手、郡選手、田宮選手の写真を提供していただきました!本当にありがとうございました!

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