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しゅくふくのころも

うすごろもをひとつまとい

あらたなる世へ

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ひとつのころもはやさしさ

ひとつのころもはきぼう

ひとつのころもはいつくしみ

まとうころもはそれぞれのよわいぶぶんをまもってくれる

そのころもはきっとだれかをもまもるだろう


ころものはたらきはたくさんのししゅうを

そのぬのにほどこす

ときにはそまる

業もおりこむ

そしてこの世から離れるとき

なにをまもり
なにをたすけ
なににそまったか

かのかわのむこう岸へと伝えられる

ころもをうけるだつえばは

ぬののみたてのめきき

だつえばのみたてをうけ  
ながいたびがおわる


ながいたびのとちゅうにいて
もしもころもがおもたいときは

そまったいろとさされた糸が
いまのじぶんににあわぬときがきたのなら

ゆるやかなじかんにみをおいて

あらいながしてしまいましょうか


あらったとて

まっさらにはもどれない

もどらない

それもひとつうけとめて

業をも卒えてゆけばいい



絵から小説 この絵は詩で参加。

この絵をみたときに感じたのが産道を通るイメージでした。母体というよりは母体に宿るもっと前の魂の移動の仕方のような。

はだかんぼうでこの世にうまれたとき、かけられていた祝福のころもは目に見えず絶えず守ってくれている。

生きてるうちには濡れ衣やらお仕着せやら色んな衣を着せられたり着てみたり、自らの手であるいは誰かの手で絢爛豪華な刺繍を施されることもあるかもしれない。

いのちの洗濯というのはこのころもを洗う作業。
なんてことがふわふわよぎった。

それぞれの長い旅が終わるまで誰のいのちもやすらかにすこやかに誰に奪われることなく、奪うこともなく育まれる世でありますように。

小説で参加したのはこちら。


お題の3つの絵からひとつにつき1作品。
3月15日22時まで
小説1500字以上、詩35字以上

企画主催の清世さんはご存知の方も多いかと思いますがいずれ専業画家となる人。目下爆走中。

2022年1月末に東京にて展覧会の成功をおさめ、2023年に次回の開催を掲げている。

アイコン依頼などDMで受付とのこと。気になる方ぜひ!






読んでいただきありがとうございます。 暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。