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くるみ割り人形と秘密の花園

貞松・浜田バレエ団「くるみ割り人形と秘密の花園」
大石裕香さん演出・振付 舞台美術・衣装デザイン串野真也さん

開演前のバレエ・ビギナーズ研修から参加
開演1時間前から約1時間、2階ロビーでバレエ団スタッフ2名による講義
1)そもそも「バレエ」とは
2)これまでの「くるみ」
3)今回の「くるみ」
4)バレエの楽しみ方
と内容充実。
貞松・浜田バレエ団は1989年からくるみを上演していて、「お菓子の国ヴァージョン」と「お伽の国ヴァージョン」があるのは知っていたけれど観たことがなかったので、説明があってよかった。
「お菓子」がクララが2幕のパドドゥを踊るヴァージョン、「お伽」がお伽の国の王様と王妃がパドドゥを踊るヴァージョン。

いくつかあった「ここだけの話」で、パーティーシーンではみながいろんなことをしているとあり、ほんと、いろいろやってて目が足りませんでした。
それと衣装の話。動きやすいのはもちろん、女性の衣装は腰回りに飾りがついていると男性が回転させるときに邪魔になる、後ろのホックはきちんととまっていないと回転のときに男性の指が入る、滑りやすい素材ではしっかりホールドできない、と聞くと当たり前のことなのだけど、そりゃそうだと。

舞台は全てが調和が取れていてすばらしかった。これをこれから繰り返し観られるのはとてもうれしい(2023年12月の公演が既に決まっています)。
1幕は子どもの頃の思い出から始まり、現在へ。クリスマスパーティーの場面はガラス(氷?)のツリーと少し曇りかかった白を基調とした背景にグレートーンの衣装を身に着けたダンサーたち。
ポワントのつま先立ちでお盆に乗せたグラスを運ぶのが危なっかしくて、でもバレエらしくて。
それぞれ異なる衣装がマシュー・ボーンのくるみ割り人形の孤児院の子どもたちの衣装を思い出しました。とても上品。
子どもたちの演技がかわいくて、そちらを観ているとお話が進んでいるし。
BLUE TOKYOのおふたりの身体能力がすごい。おふたりの衣装(半パンツ、襞スカート)もすてき。

黒い鳥とスピリットの戦いのシーン
スピリットの顔にかかるマスクが少し踊りづらそうで…
終盤の低音が音が割れていて…ハウリングしているような…わざと割れていたのかな、聞きづらかった。

雪鳥のシーンは群舞が進むにつれて衣装のよさがわかってきた。
コーラスが入るころにはうわぁと。

今、読み返してわかったのですが、1幕のグレーはマリの心の色
2幕の鮮やかな色合いは心が溶けた色なのですね。
並河寿美さんの声がそれほど聞こえず、もったいなかったな…もう少し目立つようにできててもよかったかと。

クラシックのくるみの花のワルツのシーンに子どもたちの綿毛が登場。頭と手にふわふわを付けてとってもかわいい!のだけど、全身タイツが光沢がある生地でちょっと生々しく感じてしまいました。
子どもたちは小道具のお片付けにも登場し、ほほえましかったです。
ネズミと兵隊もかわいかったなぁ

こんぺいとうの精のグランパドドゥを両親がするんですよね
あぁ、そうくるんだと。だからこのキャスティングなんだ。
なんだかほんわかする。

来年は今回より大きい劇場で生オケでの上演が予定されており、
今回、中規模のホールで2階ど真ん中から全体を双眼鏡なしでしっかり観られたのはとても貴重でした。今から来年が楽しみです。