見出し画像

よしながふみさんの『大奥』を読んで

よしながふみさんの『大奥』、完結したと知り全巻買って読みました。
数年前に勤務先自治体の男女共同参画センター図書室で出会ったのがはじまり。当時そこにあったものは読んだ後は読む機会がなく、しかし同時に出会った『きのう何食べた?』は読み続けています。

さて読んでの感想

楽になった
人のことを考える人でありたい
勝海舟好き

司馬遼太郎の『龍馬が行く』でも、大河ドラマ『篤姫』でも、私は勝海舟が好き。幕府の人間なのに外を見て、新しいことを始めて、龍馬や西郷さんと話ができて、上にも言うこと言う。なんで幕府におるんやろう、とずっと思ってきた。
『大奥』で書かれている理由がそうなのかどうかはわからない。でも、いいよ。すごくいい。そういうことなのかと思った。
人、なんだ。
結局人なんだと私は思う。
この人のためだからやろうと思う、頑張ろうと思う。
いくら頭がよくても、いくら賢くても、いくら仕事ができても、
この人のために何かやろうと思わない人がいる。

積極的にやろうと思わなくてもいい、やれというならやるわ、くらいでいい
「やりたくない」と思われないこと

終盤、将軍がある人のことを
「あの人には人がついてこない」と評する

私は人を大事にしたいし、大事にする人には自分も大事にしてほしい
そういう関係を作りたい
そういう関係があればやっていける

もうひとつ、『大奥』を読んで気持ちが楽になった。
もちろんこれは史実ではない。何が史実かはわからない。
人はみな、いろいろある
どんな立場にいようと、そういう立場だからこそ、いろいろある
そして自分で何とかできるものとできないものがある
何とかできるものはやる
できないものはどうしようもないのだ

これは徳川家から、将軍から見たお話なので、違う立場から見たら当然違う見方になり、感じ方になる。
この視点から見たときに、私は何人かの人々の考えに共感した
そうありたいと感じ、応援し、涙した

男だ、女だ、ではなく、人
昨日から『青天を衝け』を見始めた

勝海舟が好きなのは、幕府にいながら幕府らしくないことをしていたから
そこで窮屈な思いをしながら、そこで普通はありえないことをしていたから、しようとしたから
そこだけの視点でなく、外に目を向けて、俯瞰して、ちょっと離れて、そのうえで何が必要か考えられる人だから
私はそういう人が好き
思いのままにできるところでやっている人もステキだが、そうでないところ、それも自分と似たところで、制約がありながら、押さえられながら、やっている人が好きなのだ
さて、自分はどうだ?