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2022年女性声優歌唱曲はこれが良かったよね

はじめに

今年もこの季節がやってきましたね。とはいえ、ほとんど筆者の自己満なワケですが。
それにしても今年はアニソン業界には大量のニュースがあったかと思います。あのIPがついに重い腰を上げてサブスク解禁に踏み切ったり、有名声優がレーベル移籍したり。あとは著名なアニソン作家による不祥事や、歴史的シンガーのご逝去など……。とにかく情報量の多い一年でしたね。
そんな流動的な時代だからこそ、我々オタクはせめて記録として、今年の出会いをこうして書き残している訳です。良い曲に出会った時のあの感覚、大事にしたいですものね。
今年も気に入ったフレーズがあればそれを添えながらご紹介させていただきたいと思います。今年はアーティスト名義8曲と、キャラソン3曲です。10曲のつもりが計算間違えて計11曲になってました。
ちなみにそれぞれの部門で一番最後に紹介するのが今年の個人的大賞『BVM(BEST•VOICE ACTOR•MUSIC)』ということにさせてください。

声優楽曲大賞2022

1.キャラメラテ / 和氣あず未

作詞・作曲・編曲:金子麻友美
AL『あじゅじゅと夜と音楽と』M03(night three)

足りないのに溢れてる、恋人未満の愛

コピーみたいなのが思いついたのでそのまま書いておきます。
和氣さんの鬼アダルティックコンセプトアルバムより、韻の踏み方が特徴的なこちらの一曲。曲目を表す符号も“night three”なのめっちゃオシャです。歌詞が「ティーン世代ほど若くないけど、そこまで大人すぎない」良い路線を行っていて流石に金子さんに頭が上がりません。

足りない文字埋めたくて 今日も満たすキャラメラテ
マグカップいっぱいになるまで シロップ溶かした

待宵月を見上げて 伝えたい 想い 不意に
波が弾けるように溢れ出した 恋人未満の愛

https://www.uta-net.com/song/313516/

足りない「文字」と「気持ち」を掛けてるのはお聴きいただけば分かると思いますが、もどかしさと寝る前の焦ったい感じをめちゃくちゃ的確に表現していると思います。そして和氣さんのボーカルはさらにそれを強調していてもうたまんねーですわ。切ない感じのめっちゃ似合いますよねこの人。
ラップというか、ポエトリーリーディング的な韻の踏み方もオシャレでまさに夜にぴったり。
部屋を暗くして常夜灯だけにしてから聴くと、より雰囲気が出ておすすめです。アコースティックライブで披露なさったジャムセッション風アレンジも良かったので機会があればまた聴きたいですね。


2.夜更かして、午前2時 / 高野麻里佳

作詞:ARAKI 作曲・編曲:今村左悶•今村淳平
AL『ひとつ』M08

この感じ、共感性日常妄想ロック

まりんかのフルアルバムよりこちらの一曲。3分弱と短いながらしっかりと展開し、歌詞も景色が想像しやすく結果的に共感できます。
あんまりこういう言い方したく無いですけどRADWIMPSみたいな雰囲気を感じるので聴きやすいです。ポップさもカッコよさもありバランスが取れています。二番の「燃え上がっていく〜」のあたりマジで聴いていてうおおおってテンション上がります。あとラスサビで全拍になるところめっちゃ好き。シングルでは見られなかったまりんかの声の感じも新鮮でした。

毎朝、眠過ぎて 毎晩、夜更かして
まぁいいか。とも違って この感じを奪って

https://www.uta-net.com/movie/314710/

筆者的わかる〜〜ポイント、ここ↑
なんか色々考えちゃうことあるよね〜!まあオタクの場合は大したことは考えていないはずなのですが、早く眠れるに越したことはない。

3.Love-Evidence / 雨宮天

作詞:上坂梨・西野蒟蒻 作曲・編曲:Saku
SG『Love-Evidence』M01

遂に来た!ある意味新鮮ダンスポップナンバー

天さんって個人名義でこんな感じのダンスポップ歌ってなかった気がするんですよね。この方のシンセゴリゴリの曲って、『Silent sword』とか『Breaking the Dark』といった典型的な声優ソング、the・アニソン!っていうよなカッコいい系のイメージが強いと思います。筆者の記憶が正しければ。でも最近はキャラソンとかでもBPM120帯のダンスポップがあって(purple sky / 北沢志保)、本人さえ良ければ個人名義でリリースされてもええんやないかと感じていたところでした。アニタイに持ってくるにしてもイメージはぴったりで良いかと思います。MVも天さんスタイル良すぎてビビります。第一印象、「寿美菜子さんみたいな感じのキターーーー!」でした。
おそらく今後こういう路線が増えてきて、先述したタイプの曲は三期性に受け継がれていくのかと思います。いずれにせよ期待!

4.GSSP / 花澤香菜

作詞・作曲・編曲:大河内航太
AL『blossom』M05

聴いてても、歌っても、いつでもねむねむ眠れーる

移籍後のSG曲と、80’sを思わせるようなシンセドラムが特徴的な曲が勢揃いのこのアルバム。その中でも特に異彩を放つのがこの『GSSP』。
初めて聴いた時「なんだこれ!?」と思わず叫んでしまうようなユルい歌詞、メロディー。筆者の勝手なイメージで、英大文字だけ並んでいたのでゴリゴリのダンストラックが来るかと身構えてたんですよ。そしたら流れ始めたのはチルなヒーリングミュージックでした。
GSSPってなんだ。グースースーピースーでした。マジで寝落ち前にぴったりです。

一人でも二人でもいつでもねむねむ眠れる

https://www.uta-net.com/song/314689/

ここほっこりポイント。
あと、ラストのハモリ『GSSP』の部分が律儀に転調するのカッコいいんですよね。“律儀に転調”という表現が個人的に嵌ってる気がします。

5.esquisse / 髙橋ミナミ

作詞:hisakuni 作曲・編曲:木下龍平
AL『Tenk you !』M03

個人の「らしさ」伝わる貴重な一曲

髙橋ミナミさんが声優活動10周年を記念してリリースされたオリジナルアルバム。各曲のクレジットを見れば普通に目ェ飛び出るくらいの錚々たる精鋭メンツによって作り上げられております。

これはアルバム単位で推したい気持ちが強いので悩んだのですが、特に三曲目のこちら『esquisse』がかなり刺さったのでご紹介です。ピアノのフレーズから始まるのでバラードトラックかと思ったのですが軽快なシンセと最高のボーカルから展開されるキラキラポップトラックでした。たまんね〜。

歌詞も全体通して髙橋ミナミさんの人となりが伝わるように思えます。
たかみなさんは結構番組で物事の考え方とかお話をしてくださる方です。この曲は歌詞の中にそういったお話と通じるようなものが感じ取られ、うまく歌詞に落とし込んでいるhisakuni先生はやはり天才だなと思いました。個人的な解釈なので違う可能性は大ですが。
あとアウトロらへんのギターとコーラス交わるところマジで気持ちいいので是非聴いてみてください。
アーティスト活動をされていない方の個人名義曲は貴重ですね。

6.ミラー / 岡咲美保

作詞・作曲:DECO*27 編曲:Rockwell
AL『BLOOMING』M06

【速報】岡咲美保さん、なんでも屋だった

皆さんの好きなおみほの曲教えてください。『ペタルズ』いいですね。『MY SPIRAL』元気出ますねぇ!『好きじゃないよ。』はい俺も好き〜〜!
と、元気でかわいい曲を挙げ出したら枚挙に暇が無いことで有名なキングの新生ハピネス担当声優アーティストであるところの岡咲美保さん。
そんなおみほのアルバムからトリッキーな曲がリリースされました。それがこの『ミラー』。
イントロ、歌い出しからして今までのおみほ曲の印象とは一変、かなりダークな雰囲気のある曲です。歌声もかなりエッジが効いていて聴き応えあります。歌い方で二面性を露骨に表現するのも声優楽曲らしくてグー。
元気な曲もたくさんで嬉しいですが、こういう一捻りある楽曲もあるとアーティストとして聴いた時楽しいですよね。
イベントでの披露回数も多いらしいです。古参ぽいオタクが「ミラー擦りすぎw」って言ってたのを見た気がしたんですがこの楽曲はジャンジャン擦られるべきだと思います。もしかしたら車のミラーを擦った話をしてただけだったかもしれないですしね。

7.金魚姫 / 上田麗奈

作詞・作曲:ORESAMA  編曲:小島英也
AL『Atrium』M03

上田麗奈さん水属性決定版

上田麗奈さんと言えばアルバム毎くらいに水属性の曲なんかしらあったと思うのですが、今回の『金魚姫』それの決定版とも言えるような楽曲だと思います。イントロから綺麗すぎてまず横転。歌声もかつて無いほどに軽やかで達観しているような印象を受けます。
あと二番から雰囲気スッゲー変わるの良いですよね……。思わず息を飲んでしまう楽曲展開ですよね。冗談抜きで聴くたびに「スッゲェ……。」と言っています。そしてサビにはしっかりそこまでの雰囲気を飲み込んで帰ってくるのも素晴らしいです。
筆者の家にいる上田麗奈さんの強火のオタク(兄)が「アウトロがあまい夢のイントロになっている!」とほぼ発狂状態で叫んでいたので、まさかと思い聴いてみましたが本当にそうでした。
そこからは兄弟揃ってほぼ発狂状態でした。

8.君だけのオリオン / サンドリオン

作詞・作曲・編曲:ヒゲドライバー
AL『märch』M15

ただ4分間だけの、奇跡

今年の『BVM(BEST•VOICE ACTOR•MUSIC)』です。
本来去年の秋らへんに発売する予定でしたがまあ色々あって今年の楽曲です。超王道展開するアイドルソングながら、ヒゲドライバー先生らしいピコピコ音もしっかり聴こえます。
流行り廃りが溢れ変える今の業界へのアンチテーゼとも取れる歌詞、素直なメロディーライン。非の打ち所がございません。また、アウトロとイントロのメロが同じなのもストーリーが一貫していて良いですね。

数字だけの1,000,000人より たった1人の君の言葉が欲しくて
全力で歌い続けよう そうして、いつかきっと 君だけのオリオンになる

https://petitlyrics.com/lyrics/3101056

現代は「売れている・流行っている」そういうものがかなり流動的でかつ、他人の影響を受けやすいように思えます。音楽は特にね。

100万人が聴いていれば、良い曲でしょうか?
100万回再生されていれば、良い曲なのでしょうか?


そうではないと思います。誰がなんと言おうと、聴いた本人に深く刺さればそれが良い曲ですし、個人のお気に入りとなっていくのです。声ア大も多くのオタクが思い思いの曲を挙げ、記録しています。
この曲を聴いた時、「あの人が良いって言ってたから」とか「皆が聴いてるから」とか、そういう好きになり方は一切やめようと改めて強く感じました。

フレーズ一言ずつの重みと、サビでリフレインする『声だ』という歌詞が深く深く響き、4分間の奇跡は確かに届きました。

ライブ現場ありきの声優ユニットのこの歌を、生で聴いたことがないのにここまで書くのは勿体無いと思い、ライブにも行ってみました。
画面越しよりも、直接受け止めたくて。
それほど突き動かされた楽曲です。
そんなサンドリオンも2023年には、筆者の崇拝している日本コロムビアからメジャーデビューするとのことで嬉しいですね。接近とかは減るかもですが、コロムビアのアニソン部門には絶対的な信頼を置いているので安心して待つことにしましょう。

9.Fashionable / SHHis

作詞:Co-sho 作曲:Stand Alone・小久保祐希・YHEL 編曲:Stand Alone
SG『THE IDOLM@STER SHINY COLORS PANOR@MA WING 08』M01

折れない翼は駆け続ける。ここが序章に変わるように

ここからはキャラソンの話です。で、その一個目がシャニマスのSHHisより『Fashionable』です。ここにこうしてアイマス楽曲のサブスク配信サイトのリンクを貼っているのが不思議ですね。
筆者が思う「スゴい曲のポイント」として「一撃で覚えられる」ってのがあると思っているのですが、この曲はまさしくそれを抑えています。
とりあえず聴いてみて……。ホラ、「Wow Wow Wow〜」って歌いたくなっちゃう!これがそう!
これはライブで本当の初解禁だったのですがそれも印象に残っています。
いわゆるEDM調のビートにスパニッシュ系、フラメンコのような楽器の音がウマい具合に調和してかなり不思議なジャンルに仕上がっていると思います。二人のボーカルも帯域に差がありますがチグハグせずそれぞれの色が出ていてグー。振り付けもめっちゃカッコいいので是非ステージもご覧いただきたいです。

10.ギターと孤独と蒼い惑星 / 結束バンド

作詞:ZAQ 作曲:音羽-otoha- 編曲:akkin
AL『結束バンド』M05

こだわり、クオリティ、右に出るものなし
あ、右からはリードが聴こえます

漫画・アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の挿入歌よりこちら。
御託抜きで完全神曲。一応設定上はぼっちちゃんこと後藤ひとりちゃんが作詞したことになっております。
抑圧されし自我を解放したROCKな歌詞です。
どうすりゃ急にこんな歌詞書けるんでしょうか?ぼっちちゃん、ZAQさんの腕でも食べたんでしょうかね?冗談はさておき。

結束バンドの最大の特徴としては『極端なPan振り』だと来年からの音楽の教科書にも載る予定ですが、たしかに耳を凝らさず聴いても右側から強くリードギターの音が聴こえますね。
僕みたいな素人でも分解して聴きやすいのでより作品の没入感が深まるんですよね。そこがスキポイント。

挿入歌としては『あのバンド』『星座になれたら』が人気してくるとは思うのですが、あれらはアニメ一通り観た後の方がより良さが入ってくるので紹介するとしたらこちらに軍配が上がりました。

フィジカル満載の演奏と喜多郁代ちゃん(CV長谷川育美さん)の力強いボーカルをお楽しみください。Aメロのドラムスのフィジカルがかなり強くてかっこいいです。

11.はじまりのセツナ / 蝋梅学園中等部1年3組

作詞・作曲・編曲:杉山勝彦
SG『はじまりのセツナ/ Baton』M01

あまりにも美しすぎる『青春』

杉山勝彦さん『セツナ』好きだよね〜!って言った人、怒らないからこっち来なさい。あるのは『真夏のセツナ』くらいだろうが!
冗談は置いといて、2022最高傑作アニメと名高い『明日ちゃんのセーラー服』のOPテーマよりこちら。
アニメーションの美麗さもさることながら、一音一句全てが美しすぎる最高のOPです。杉山勝彦さん、マジで青春という概念を言語化する術に長け過ぎています。

大きく手を振る 君がとても綺麗で
振り返すことも忘れそうだよ
どうしてなの? もう君のことが好き
きらめきのセツナ

https://www.uta-net.com/song/315797/

はい、これ現在の日本における最も美しい日本語の文章。このフレーズがくるたび、誇張なしでテレビの前で号泣してました。観ればわかる。
ボーカル16人もいるのにしっかり高音から低音のバランス取れてて「どうなってんだオイ!!」と思わず叫びたくなる最高マスタリング、必聴です。
パート分けとかどうなってるんでしょうね。
もし筆者が国語辞典の編纂者なら『青春』という項目にこの曲のURL貼りますよ。
知らなかった青春を、忘れかけていた人の心を思い出させてくれた明日小路さんをはじめとする蝋梅学園中等部1年3組の皆様、博先生、杉山勝彦さんに多大なる感謝を捧げ、紹介とさせていただきます。

YouTubeの公式リリックビデオも爆泣き必至の鬼エモ完成度なので是非。

まとめ

今年は語たいキャラソンも多くて例年と違った形となりましたが、それだけ良い曲いい出会いがあったんだなと思います。
来年も引き続きいろんな曲聴きたいですし、注目してる声優さんのアーティストデビューも控えてるので楽しみですね。
それでは良いお年を!!


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