ロックの日



1年ほど前の話。


その日は昼席の楽屋番だったので11時頃に繁昌亭に入ると、朝席で学校寄席が行われていた。




お客さんは先生除いて、全員中学生。


僕が舞台袖に行くと、雪鹿兄さんの落語が終わったところで、入れ替わりで鹿えもん兄さんが舞台に上がって行った。




鹿えもん兄さん、座布団に座り、お辞儀をして、第一声。




「えー、雪鹿君の落語でした。
彼落語上手いですね。僕はあんなに落語上手く出来ません」


中学生「・・・」
笑有「・・・」


鹿えもん兄さん
「えー、みなさん、元気そうでいいですね。
楽しそうですね。僕は中学生の頃全然楽しくなかったです」



中学生「・・・」
笑有「・・・」



鹿えもん兄さん
「僕、中学生の頃、イジメられてましたからね(笑)」



中学生「・・・」
笑有「(爆笑)」




鹿えもん兄さん
「僕みたいな大人にならないでくださいね(笑)」



中学生「・・・」
笑有「(爆笑)」





鹿えもん兄さん
「では、落語に入ります」





中学生「(大爆笑)」
笑有「(大爆笑)」





そこから、動物園に入り、鹿えもん兄さんが言葉を発する度に爆笑の渦。





落語が終わって、舞台から降りてきた鹿えもん兄さんに「凄いですね!お兄さんのニンでウケたおしてましたね。こんなん初めて見ました!」と僕が興奮気味に言うと、鹿えもん兄さんは照れ臭そうに「そ、そうかな」と言ってはにかんだ。







ロックの定義は知らないけれど、ロックンロールってこういうこと言うのかなと思った日の話。

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