フルーツ貯金始めました。

ある日突然、嫁が巨峰を買ってきた。
わざわざぶどうを買おうだなんて思ったことなかったから、久しぶりにぶどうを目にした。
夕食終わりのデザートに食べた。
「甘い！！！！！」2人で口を揃えて言った。
あれ？？巨峰ってこんな甘かったっけ、、、？
ぶどうに対して酸っぱいイメージを持っていたので、巨峰の甘さに驚愕した。
それから2人はハイエナのようなスピードで巨峰を食べた。
「半分は明日にとっておこうね！」と嫁に言われた後に更に5個くらいは食べた。
とまらねぇ。それくらい美味しかった。

それから2人は完全にフルーツの虜になった。
ただ、スーパーに並んでる旬のフルーツはどれもこれも高い。『香水』とかいう梨なんて１つで600円もする。たけぇ、、、。手がでねぇ、、、。
フルーツなんて親戚のおじさんからもらうものだと思って生きてきたので、フルーツの相場が分からない。ただ、気軽に手が伸びる値段ではないということだけは言える。
だけど、私は社会人。それなりの収入はある。
買おうと思えば買えなくはない。
だけどいざスーパーに行くと、一旦立ち止まって結局買わずに帰ってしまう。
食べたい。だけど、なんか躊躇ってしまうこの貧乏性はなんなんだ？
フルーツなんかに金なんか払えるか！と思ってしまう自分が心のどこかに確かにいるのだ。

『そうだ！！フルーツ貯金をしよう。』
狙いはスーパーで一番高い、一房1980円のシャインマスカット。その名も『瀬戸ジャイアンツ』これも買おうと思えば、飲み会を一回我慢すれば買えるほどの値段だが、そういうことじゃない。2人でコツコツと貯金してから買っで食べることに意味がある。そっちの方がシャインマスカットのあり難みを感じるし、何より貯金してる間の待ち遠しい時間がより一層シャインマスカットへの愛を募らせてくれる。
恋心と同じ。会えない時間が2人の関係を育む。

それはさておき、貯金を始めたのだが、一向にたまらない。
たまり切るまでに旬が終わってしまうのではないかと不安になって、Wikipediaでシャインマスカットの旬の時期を調べたりもした。どうやら9月〜12月が旬のようだ。間に合う。
Wikipediaをあさっていると1時間くらいマスカットのことについて調べたりしてた。生産地や品種、歴史、文化。きっとこのフルーツ貯金をしなければ一生マスカットのことなんか考えることはなかっただろう。簡単に手に入れるのではなく、手に入れるまでの過程を楽しむことを意識すれば、人生はちょっと豊かなものになるかもしれない。
そんなこんなで現在の貯金額は732円。
目標の1980円まではまだまだだが、シャインマスカットへ会える日を楽しみにしながら焦らずゆっくりと貯金をしていきたい。