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【未界域暗黒界】

当記事にアクセスいただき、誠にありがとうございます。
マスターデュエルで《暗黒回廊》や《カラレス》がとうとう実装されマスターデュエルライフがますます楽しくなりました。嬉しいね。
ではイく。

今回ご紹介するのは【未界域暗黒界】です。4月末のYCSJにも持って行ったガチ寄りの構築です。予選での戦績は2勝2敗といったところですが、現状の暗黒界デッキとしてはおそらく一番環境レベルで戦えるものだと思います。

いつものカジュアル構築とは異なるので、今回は真面目に書いていきます。

0.未界域とは

まずは未界域というテーマをおさらいしましょう。
未界域モンスターは以下の共通効果を持ちます。
①:手札のこのカードを相手に見せて発動できる。 自分の全ての手札の中から、相手がランダムに1枚選び、自分はそのカードを捨てる。 それが「(同名カード)」以外だった場合、 さらに手札から「(同名カード)」1体を特殊召喚し、 自分はデッキから1枚ドローする。②:このカードが手札から捨てられた場合に発動できる。(固有効果)。

効果で手札を捨てながら展開しさらにドローするカード群です。この時暗黒界カードが捨てられればさらにアドバンテージを稼げるため、ここのシナジーを最大限に活かします。共通効果の②こそ名称ターン1ですが、①にはそれが無く、手札にあれば何度でもディスカード&特殊召喚&ドローが狙えるため、大量ドローと大量展開を決めて一気に勝負を決めるのが【未界域暗黒界】の基本となります。
以降、未界域のこの①効果は「ババ抜き」と表記いたします。

1.勝ち筋

①理想の先攻展開

では具体的にどんな盤面を敷いて勝利を目指すのか。次の画像の盤面が理想の先攻展開の着地点となります。

4体素材の《アポロウーサ》、《龍神王グラファ》、相手ターン《リトルナイト》をとばせる《マスカレーナ》、《デスキャスター》による破壊耐性、素材やリリース用のモンスター(守備にしてるのは《ライトニング・ストーム》対策)
これだけでも充分強いですが、これに加えて相手の手札を4~5枚減らしている状態が理想形です。4ハンデスした上でこの盤面を突破し捲り返せるデッキはおそらく無いはずです。

盤面構築には以下のカードが必要不可欠です。

マスターデュエルでは出禁を喰らった
単に相手の場に特殊召喚するだけではダメ

《セルリ》は捨てられた時に相手の場に特殊召喚され、暗黒界名称を持つ自身の効果で特殊召喚されているので、②の「相手は自身の手札を1枚捨てる」効果が発動。相手の場で発動しているので「相手の効果によって自分の手札を捨てる」状況が成立します。ここで《シルバ》を捨てることで、自己蘇生と同時に相手への2ハンデスを強要します。その後場に出た《シルバ》は《グラファ》や《魔神王レイン》で、《セルリ》は《アカシック・マジシャン》や《セキュリティ・ドラゴン》で回収できるので、再度ハンデスが狙えます。なお《シルバ》のハンデスは必ず2枚でなければならないので、相手の手札が2枚を下回っている時は不発になってしまいます。こうなると《セルリ》を回収する旨味は特にないので、《グラファ》や《トロイメア・ケルベロス》で破壊してしまっていいでしょう。
「そんな都合よく揃うのか?」と思われるかもしれませんが、上記の通り未界域が理論上は手札からいなくなるまでドローを繰り返せることに加え、暗黒界側もドローに加えて《スノウ》や《暗黒回廊》、上級モンスターであれば《魔神王レイン》でのサーチも行えるため、手札に揃えるのは難しくありません。
展開能力も理論上は上限デッキ枚数分なのでモンスターの頭数はいくらでも工面でき、《龍神王グラファ》を出すための《暗黒界の登極》もドローしていればいつかは引き込めるので、盤面を揃えるのもまあ簡単です。

②先攻で《増殖するG》を撃たれた場合

とはいえ現実はそう思い通りにはいきません。相手も全力で手札誘発カードで妨害をしてくるはずです。特に《増殖するG》を発動されたら、特殊召喚を繰り返す都合上上記のハンデスプランは瓦解します。ではその時はどうすればいいのか。
「相手のデッキが0枚になるまで特殊召喚を繰り返す」
これに尽きます(いわゆる「Gツッパ」)。

未界域は理論上自分のデッキがなくなるまで特殊召喚ができるのに加え、暗黒界側も他の暗黒界を手札に戻し《魔神王レイン》蘇生→レインを手札に戻し《グラファ》蘇生だけで特殊召喚回数を2回嵩増しできるので、リンク召喚を交えれば1ターン内に40回程度の特殊召喚を行い、相手をデッキ切れに追い込むのは不可能ではありません。当然このドローの道中で相手も手札誘発カードを引き込んでいるはずなので、それへのケアはやはり欲しいです。《アポロウーサ》と《龍神王グラファ》をなるべく早い段階で立て、喰らいたくない手札誘発だけはじくようにすれば成功率は一気に高まります(喰らってもいいor喰らいたくないカードについては後述します)。

③後攻になった場合

そして先攻を取れない場合、じゃんけんが弱くて後攻になってばかりの時はどうすればいいのか
「相手の盤面を引っぺがして8000ダメージを叩き込む」
シンプルです。

大量展開が得意ということは除去効果持ちのエクストラモンスターを出しやすいということでもありますが、メインデッキのモンスターも捲り性能を有しています。《グラファ》や《ビッグフット》、《サンダーバード》は盤面への干渉効果を持つだけでなく、8つ星相当の高めの攻撃力を備えているため、単純な殴り合いにもまあまあ強いです。
というかこのデッキ、あまりにも使い手のじゃんけんが弱すぎて後攻を取らされてばかりなので、構築も後攻になった時をやや強めに意識しています。

2.採用カード

ここからは暗黒界や未界域以外のカードの採用理由をまとめます。全部載せると流石に紙幅が足りないので、一部のみピックアップします。

コストで切れるのが理想

場のカードをバウンスしながら自己蘇生できるレベル4モンスター。基本的に《暗黒界の門》を回収しドローチャンスを増やすのが主な仕事です。未界域モンスターの特殊召喚に名称ターン1が無いことを活かし、場に出た未界域をバウンスして再度ババ抜きができるようにするのもアリです。

唯一闇の誘惑非対応なのには注意

墓地リソースで自己蘇生できるレベル4モンスター。未界域暗黒界は回り始めれば墓地もガンガン肥えていくのでコストの捻出はそれほど難しくはないです。モンスターを寝かせる効果も捲る際は重宝し、例え無効にされ破壊されても再度蘇生が狙えるためこいつが墓地に落ちている状態はまあまあの上振れです。

5枚目のハンデスを狙うなら必須

相手のモンスター効果発動を条件に強力な効果を選んで発動できる魔法カード。このデッキであれば《セルリ》の効果を相手の場で発動させることで能動的に条件を満たせるので、他のデッキ以上に相性は良好です。基本は2ドローを選択しますが手札に余裕がある先攻の場合は5枚目のハンデスでトドメを刺してもいいでしょう。後攻ではコントロール奪取も状況によってはなくはないですが、手札が少なくて展開が止まってしまっては結局捲り切れなくなってしまうので、よく吟味しましょう。

専らグラファとレインで出しがち
効果モンスターでなくてもいいのは地味に嬉しい

相手のモンスターをバウンスするリンクモンスター。《セルリ》の再利用が主な仕事ですが、後攻ならば単純な除去として使ってもいいです。《アカシック》でバウンスするためにも《セルリ》は必ずエクストラモンスターゾーンの列に置きましょう。この時自分フィールドのリンク先にババ抜きを終えて場に出た未界域がいるとそちらも回収して再度ババ抜きができるので、そこを意識するとオトクになります。

最大2400のバーンも馬鹿にならない

3枚ドローを行うランク8エクシーズモンスター。手札を減らさずにレベル8モンスターを3体揃えるのはこのデッキの展開力を以てすればできなくはないので、先攻であれば積極的に狙っていきます。手札が多いほどババ抜きで勝ちやすい=展開が伸びやすくなるので、このドローが決まれば一気に勝利は近づきます。

門の恩恵を得られる悪魔族なのがありがたい

モンスター効果の発動を抑制するランク4モンスター。このデッキの本来のプランには含まれないモンスターですが、どうしても展開が伸ばせなくなった時はこれでお茶を濁します。レベル4に特化してるわけではないので安定して立つモンスターではありませんが、それなりに工面しやすいのは確かなので保険として採用しています。

その他:宵星の機神ディンギルス、トロイメアモンスター
後攻で盤面を突破するのが主な仕事のモンスター。ディンギルスの墓地送りはいざという時頼りになる一方、素材が能動的に墓地に送れず《グラファ》や《魔神王レイン》を素材にするとその後の展開が鈍ってしまうため、なるべく《ビッグフット》や《サンダーバード》を素材にしたいところ。
トロイメアモンスターの手札コストに未界域を充てると②の固有効果を確実に発動できますが、その分ババ抜きチャンスが減ってしまうので状況をよく見極めてコストは選びましょう。

3.各種手札誘発への耐性

先ほど「喰らいたくないカードと許容できるカードがある」と記しましたが、具体的にどんな分類になるのか。採用率の特に高いものに絞りますがランク1〜3の3段階評価でまとめます。

増殖するG:ランク2(ケアはできなくもないけどやっぱり嫌だ)
「《G》を撃たれてもツッパできる」とは書きましたが、それでも撃たれない方がいいのは事実です。相手が道中で撃つ手札誘発によっては展開が止まってそのまま膨れ上がった手札が返しのターンに襲ってくるので、ツッパ作戦は命がけです。

灰流うらら:ランク1(まあまあケア可能)
未界域暗黒界はとにかく手数を多くして展開していくデッキなので、うらら1枚くらいなら何とかなることの方が多いです。未界域モンスターのババ抜き効果に名称ターン1制限がないのが大きいですね。《スカルデット》や《デュガレス》には高確率で撃たれてしまいますが、手札次第では無効にされて棒立ちになったそれらモンスターを素材に再展開を狙えるので立ち回り次第です。
ただし初動で使われると辛い局面はあり、例えば《ゼンタ》以外で動けるカードがない場面で喰らうと即アウトになる等、事故ってる時は普通に致命傷になり得ます。

エフェクト・ヴェーラー/無限泡影:ランク1(まあまあケア可能)
展開が基本的に手札のモンスターと魔法カードで行われるため《うらら》以上にケアはしやすいです。前述の通り《スカルデット》と《デュガレス》はこれをもろに受けてしまうので、この2種を使う際は細心の注意が必要です。

原始生命態ニビル:ランク2(ケアはできなくもないけどやっぱり嫌だ)
5体以上の召喚をする前に《アポロウーサ》か《龍神王グラファ》を立てておけば牽制になり、たとえ喰らってしまったとしても手札次第では再展開ができるのでケア自体は可能。ただ逆に言えば手札が薄いところを狙われると致命傷になりますし、リソースを奪われているのは確かなので妨害性能はやはり高め。個人的には最も警戒すべき手札誘発としてみています。

ドロール&ロックバード:ランク3(致命傷)
無理です。
展開にドローとサーチが織り込まれる都合上、このカード1枚で機能停止に追い込まれます。厄介な性質が2つあり、1つ目は撃たれる局面では基本的に弾けないこと。未界域のババ抜きを1度成功させた時点でこいつの発動条件を満たしてしまうため、《うらら》や《ニビル》と異なり撃たれる前に無効効果持ちを出してケアすることはほぼ不可能です。2つ目は効果がターン中残存する効果であること。1度撃たせてしまえば2度目はない、あるいは確率が下がる他の手札誘発と異なり、こいつは1度撃たれるとそのターン中に制限がかかってしまい、強引に踏み抜くこともできません。
正直これは握ってないことをお祈りするかせめて《バグースカ》を立ててやり過ごすかするしかないです。

ディメンション・アトラクター:ランク3(致命傷)
勘弁してください。
墓地を利用して最大限のアドバンテージを稼ぐデッキなので当然こいつもキツいです。除外効果を持つモンスターは他にも多数いますが、《ドロール》同様緩い条件で先攻から発動されケア手段がほぼない点でやはりお祈りになります。
幸い使い手側も除外効果に巻き込まれる都合上、《ドロール》程メインデッキへの採用率は高くはないのが幸いでしょうか。

4.弱点

既に前項で弱みについてはバッチリ晒していますが、それ以外の点もまとめておきましょう。

①手札誘発が採用できない

未界域暗黒界は常に自身の手札をランダムに捨てながら展開するため、ここぞという局面で発動して初めて有効な妨害札となる手札誘発カードとは致命的に相性が悪いです。手札で温存しておくというアクションが行えず、後の局面で使用したいカードは場にあらかじめプレイorセットするしかないためです。未界域の採用枚数を絞った純構築に近い【暗黒界】とはこの点が差別点となりますね。

②1枚初動となるカードがない

多くの環境クラスのデッキにある「このカード1枚から展開が始まる」というカードはありません。暗黒界というテーマが捨てられるカードと捨てるカードの2枚で初めて動ける設計であるため、この未界域暗黒界もその例に漏れません。そのため手札の枚数が減ると行動の択がぐっと狭まり、「これさえ引ければ」という局面にも持っていけなくなります。
ただし1枚初動がない=相手の妨害を散らしやすいということにもなるので、一概に欠点とは言えないかもしれません。

③最初から最後まで運が絡む

これが最大のネック。ババ抜きがランダムである以上、運が悪いと例え理想的な手札からスタートしても充分な盤面が形成できなくなる恐れがあります。ここまで何度か「理論上は無限」と記しましたが、そういうことです。プレイング(なるべく手札が多い状態で未界域の効果を発動する等)である程度のカバーはできますが、それでも徹底的に未界域を当てられ続けると暗黒界カードのみで展開せざるを得なくなるため、《龍神王グラファ》1体を立てるのが精一杯になってしまうことも。

5.終わりに

以上で【未界域暗黒界】構築の記事を締めさせていただきます。
この記事を読んで「未界域暗黒界使ってみるかね」「マスターデュエルでは使えないシルバが紙だと使えるなら4ハンデスやってみるかな」と思ってくれる人が1人でもいてくれましたら、こんなに嬉しいことはありません。

終わり

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