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The Traps of Dark World

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暗黒界カード紹介、ラストは関連罠カードを紹介します。
厳密に「暗黒界」カテゴリに属する罠カードは現状1枚しかないので、暗黒界カテゴリをサポート及びサポートを強く意識していると見られるカードも含めていきます。それでも紙幅がちと寂しいので、最後におまけも載せておきます。
ではイく。

暗黒界の洗脳
永続罠。モンスター効果を自分へのハンデスに書き換える効果です。

相手のモンスター効果を軒並み止めつつ自分はディスカードを行えるため、暗黒界では貴重かつ強烈な制圧カードと化します。ベージ系モンスターの多い暗黒界では手札に戻ったモンスターをこの効果で捨てて再度の特殊召喚を狙うことができるため、上手くはまればこれ1枚で相手を完封することが可能。名称ターン1制限がないため繰り返し使用できるのがウリですが、マストカウンターを見極めれば1、2回の無効でも充分役割は果たしてくれるでしょう。

最大のネックは手札が3枚以上ないと効果が使用できない点。この文言がないと洗脳+場のベージ系モンスターwith手札0枚で無限にモンスター効果を無効にできてしまうのでそれの防止だと思いますが、最低5枚のカードを必要とするため不利な局面ほど使いにくくなってしまいます。元々暗黒界は脱法アド稼ぎムーブをするテーマではないため、初動で欲しい制圧カードにも関わらず初動からこのカードの発動条件を整えるのが難しいというジレンマがあります。捨てるカードを選べないのも仕方ないとはいえ若干キツいものがあり、暗黒界以外のカードが選ばれてしまうと普通に損してしまいます。暗黒界の個性を活かした置物罠なだけに(ホントの意味での)調整失敗が惜しい1枚です。
ちなみにこのカードが収録されたのは10期最初のパックである『CODE OF THE DUELIST』。俗に言うリンクショックに伴うデフレ真っ只中に実装されたカードであるため、生まれた時期が悪かったのではないかと邪推せずにはいられなかったりします。

暗黒よりの軍勢
通常罠。暗黒界モンスター2体のサルベージをします。

普通に使って単純に手札が増えるカードは暗黒界では珍しく、墓地に置かれやすい暗黒界の特性ともマッチしています。罠カードゆえに遅いのが欠点ですが、同じ悪魔族である悪魔嬢シリーズでサポートできる利点でもあるため、一長一短といったところ。グラファの破壊効果を再度利用したい場合には特に有用となるでしょう。

ただし、暗黒界は捨てることによって真価を発揮する都合上、回収するだけでディスカード手段がないと結局ただの紙切れに留まるのが他テーマとの差になります。暗黒界はカテゴリ外の悪魔族を自然と採用することが少なくないため門のコストとの喰い合いはある程度調整できますが、純構築でない場合にはこのカードで回収したい暗黒界が2体以上安定して墓地にいるか、という問題も出てこないではありません。悪魔族は蘇生手段が豊富なため、このカードを使わずともグラファ以外は暗黒界を蘇生→戻してグラファで疑似サルベージが可能なのも、軍勢の採用率が低い原因かと思われます。

暗黒の謀略
通常罠。無効にされるリスク込みの手札交換カードです。

2枚捨てつつ2枚ドローするので、暗黒界なら通れば莫大なアドバンテージを稼げますが、手札1枚を捨てられるだけで無効にされてしまうので通ることはまずありません。相手も手札を交換したい場合はあえて無効にしない選択をとってもらえることもなきにしもあらずですが、手札断殺でなくこちらを使う時点で暗黒界デッキであることは間違いなく筒抜けになるので、相手は是が非でもこれを止めてくるはずです。効果処理の仕方も問題であり、ドローの後に捨てる順番なら相手の手札を0枚にした上で発動することで確実に通せるようになりますが、捨てる処理が先にくる都合上相手の手札が2枚以上ないと発動できないため、プレイングでの工夫もほぼ不可能。アトラの蟲惑魔のような罠の効果を無効化されなくするモンスターと併用すれば使えるようになりますが、手札交換のためだけにかける手間とは言い難いので、現実的ではありません。

こいつが一番タチ悪いなと思うのは、グラファやスノウと同じストラク組のカードであること。ノウハウの不安定な黎明期に刷られたカードなら「まあ昔のカードだからね」で済みますが、優秀な新規揃いが理想とされるストラク(2011年)でこれが実装されたとなれば「舐めてんの?!」と言いたくもなります。デザイン部門の新人に作らせたとしてももうちょっとマトモな効果になるはずなので、作った人が泥酔していたか、判断能力の極めて低い■■■だったかのどちらかでしょう(ラインギリギリ)。

暗黒の瘴気
永続罠。毎ターン相手の墓地のモンスターを除外する効果を持ちます。

フリーチェーンで相手の墓地に干渉できる強力な罠カード。今日日墓地に全く依存しないデッキは少なく、墓地にモンスターが一切置かれないデッキともなれば数えるほどしかないため、このカードが腐ってしまう場面はそうそうないはず。相手の蘇生やサルベージに合わせてこれを発動して目論見を外しつつ自分は暗黒界の効果を使用、次ターン以降は墓地効果に対する強烈な牽制札として機能します。墓地にめぼしいモンスターがいない場合でも、適当なモンスターを除外して暗黒界の展開に充てることができ、門以上に維持するほどアド差を広げられるカードとなるでしょう。
惜しむらくは「暗黒界」カードでないため引き込むのが難しい点と、1ターン内で複数の墓地効果を駆使するデッキに対しては1枚の除外では間に合わず押し込まれてしまう点でしょうか。特に前者はこのカード実装期(2012年上陸)のデザイナーの無能さが反映された結果であり、血涙流すほど惜しいものとなっています(素直に「暗黒界の瘴気」にしてくれれば良かったものを…)。

闇の取引
通常罠。相手の魔法効果を書き換えることができます。
暗黒界の名称こそないものの、効果は明らかに暗黒界とのコンボを意識して作られているのでここで紹介。

魔法効果を無効にしつつ暗黒界の追加効果を狙えるため、やや範囲の狭いカウンターとして考えれば決して悪くない1枚。ハーピィの羽根箒のような強力な魔法を止めつつ暗黒界を捨てられればデュエルの流れを変えることすら可能。トラップトリック等で伏せると狙いがバレバレになるものの、相手に魔法発動をためらわせる牽制札としては鎮座してくれるでしょう。

ただし速攻魔法など、他の種類の魔法に対応してないのが使いづらく、緊急テレポートやツインツイスターといった比較的メジャーで止めたい展開札や破壊札には全くの無力。洗脳同様こちらも捨てるカードはランダムなので、手札を暗黒界で固めておかないとならないのもマイナス評価の一因。現時点で採用は厳しいと言わざるを得ません。

ちなみにイラストではわかりづらいですが、取引を成立させているのは騎士ズールです。マスターガイドの説明なしでズールだと特定できる人は結構少ないと思います(それぐらいわかりづらい)。

魔の取引。
通常罠。相手にハンデスを強いるカードです。

おまけ紹介その1。名称、1000ライフコストを要する、魔法発動にチェーンする、手札を捨てるといった点から闇の取引のパロディカードと見て間違いないでしょう。効果が強いわけではないので無理に採用する必要はないですが、こんな機会でもないと紹介しないと思うので取り上げてみました。
そもそも闇の取引自体当時でもメジャーカードでなかったはずなのに、なぜパロディ対象となったのでしょうか。永遠の謎です。

ジェノサイドキングサーモン
通常モンスター。ジェノサイドキングデーモンの名称パロディカード。なんと帝ステータス。

おまけ紹介その2。フレーバーテキストにはっきり暗黒界と記されており、種族こそ違えどこの鮭も立派な暗黒界に住まう者だったりします。
このカードが面白いのは、登場時期が2003年7月(パック名は『暗黒の侵略者』)と暗黒界カード実装より2年も前であること。先に暗黒界が刷られてそこから派生したネタカードというわけではなく、先に登場した通常モンスターのフレーバーテキスト内と同名のカテゴリ=暗黒界が後から登場したことになります。先にOCG化されたカードが後から関係ないカテゴリに偶然所属するようになることはままありますが(エレキッズやサイファー・スカウター等)、こういったケースはかなり稀なものだと思います。
ちなみに、暗黒界黎明期の主力であるゴルドやシルバは攻撃力が100及ばないため、自国の海産物であるこいつに一方的に殴り倒されてしまいます。


以上、これにて暗黒界カード+αの紹介は終了となります。勘の良い人なら「何か強いカード少なくね?」と感じるかもしれませんが、流石に初出が17年前のテーマで、定期的に強化がきているわけでもないので、全体的なパワーや安定感の低さは否めません。
しかし「効果で捨てられた場合に発動する」個性的な効果を駆使した展開や悪魔族全般とのつながりを意識したカードの存在により、相性の良いカードやデッキタイプは多岐に渡ります。
次回以降は暗黒界にとって重要な「捨てる」効果を持つカテゴリ以外のカードを紹介していきます。

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