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BASSDRUM公開総会その2 配信システム部分 064

それでは引き続き、きっと気になる方も多いのではないかと思う、配信箇所について補足していきます。

中継というのは何が起こるかわからない、こちらのコントロール外の外的要因により中継できなくなったり何かしらのアクシデントがあることは想像できると思うが、中継といっても、1方向の中継と、双方向やりとりがある場合の中継で難易度やシステムは大きく変わってくるのではないかと思う。

1方向の場合は極論中継する側の都合で話し続けていれば良いので、回線さえ担保されていて、頭のきっかけ(話始めるスタートの部分)さえ間違わなければなんとかなる。
しかしながら双方向の場合は言葉の時差、ハウリングの危険、スイッチングのタイミングなど確認注意項目が倍以上になる。

今回はテレビ会議通話を使った為、双方向スタイルでの中継であったが、基本的には私がしゃべりっぱなしで途中途中でやりとりを挟んでいく形にした。
移動をしながら話していく構成にしたのでマイクはワイヤレスにしていた、中継元の声を聞くのはイヤモニの変わりに別の端末(iPhone)で同じテレビ会議に入り耳だけ聞いているつもりだったが、当然自分の声もiPhoneに返ってきてしまう為、とても話せたものではなかった。
人間自分の声が遅れて重なってくると話せなくなるものだ。大会場での影ナレ(アナウンス)などを客席内で行う場合はPAされた声が遅れて飛んでくるのでヘッドフォンをつけてディレイのない音を聞きながらしゃべることをしていたりするが、その様なシステム、つまりちゃんとしたイヤモニを準備するべきであった。
これと同じことは反響の多いドーム会場で歌手がちゃんと歌うということも同じ問題が出てくるが、ディレイを打ち消すPAも大事だが、しっかりとしたイヤモニ環境もより大事だ、音速はなかなか遅い。

今回はイヤモニ変わりに途中途中にディレイのない音声を廊下に置いたスピーカーからPAすることにより、それを聞きながら受け答えをした。あまりスピーカーから大きく出すと自分のマイクで拾ってしまうので、そこは調整を適宜してもらっていた。

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システムの概要はこんな感じだ。
カメラは2カメ、ハンディでカメラマン付きのメインカメラが1台、万が一の定点カメラが1台こちらは軽量のSONY RX0Ⅱを壁にクランプで取り付けて使用した、HDMI出力をHDSDI変換してスイッチャーに。高水準でなんでもできるこのカメラはお気に入り。

テロップ用とスライド用でKeynoteを、PR-810は映像ポン出し機だが、そこまで動画コンテンツの準備が間に合わなかったので、実際はKeynoteのみ簡易テロップ用途で使った。

スクリーンショット 2020-05-03 0.08.42

この動いているライブロゴ以外のテロップは全て1枚のスライドからKeyで重ねている。
通常綺麗なテロップはKey信号とFill信号を同時にスイッチャーに入力し重ねるが、簡易的な使用としては黒バックのKeynoteやPPTでも最近のビデオスイッチャーであればそこそこ抜ける。
輝度信号の差分で抜いているので、黒に近い色は抜けないし、グラデもあまり得意ではないので、黒を使いたい場合はクロマキーなどを使った方が良い。もしくはPinPで周りをマスクするか、などやり方はいくつかあります。
文字のエッジなどはそれぞれのスイッチャーの性能次第なのでご注意を。
下部分にある青マットの黒文字は、文字ごと抜けているがエッジで黒文字風になって見えているという状態で、エッジをつけなければ文字部分だけ背景が抜けている状態になる。

動いているLIVEロゴはHVS-390のスイッチャーフレームメモリー機能を使い取り込んでおいた。なのでレイヤーとしてはBG(カメラ)とKeyレイヤー+ライブロゴレイヤーの3レイヤーしか使っていないことになる。


モニター環境としてマルチビューワーに出力を再度入れて4Kモニターで分割してモニタリング、この辺りは省スペース化という意味でもモニターが少ないことはセッティングも早いのでいいことだ。もちろん機材経由による遅延は発生するので、BlackBurstでの同期はとりましょう。

音は前述の戻り音声を聴くために配信PCからの出力も卓に戻っているために、回らないように注意が必要。来た音をそのまま返してしまっては強烈なハウリングが発生してしまう、高機能なテレビ会議通話アプリもこれにはどうしようもない。
デジ卓を入れているのは、マイクのEQ、コンプ、音のディレイコントロールなどまとめて面倒みてくれるので効率化できる。
音のコントロールは目に見えないが裏側ではすごく細かいことをやっていたりする、当たり前に聞こえるのは当たり前にしている誰かがいるということで、本当に頭があがりません!
喋る側になって安心して任せれるPA・音声さんだと、かなりストレスフリーなことを身をもって実感させていただきました・・・

ローカル収録用に音声別出ししているのは、戻ってきた声を収録に入れたかったので、配信PCからの音と、ヘッドセットをMixして収録デッキへ。

映像と音声はVR-50で受けてUSB3.0変換をした後PCにUSB接続して配信をした。

リンクはMKⅡだが、使っていたのは1つ前のもの。
VR-50はロゴなどを取っておけるので、最終段としても活用できるし、マイク入力などもしっかりしているので、本当にこれ1台とPCだけでも十分な配信セットだと思う。メニューもタッチパネルで視覚的に扱いやすい。

画面解像度が高くなって通信帯域が上がってくると、このUSBインターフェースの質がPCとのマッチングと相まってトラブルが起こりやすい、当然大容量のデータを変換するので、インターフェースの処理が追いつかないと、回線がしっかりしててもPCが問題なくてもインターフェースがボトルネックとなってしまう。
スペック的には1080/60P対応!!と書かれていても実用に耐えうるのは720Pというものも多いので、この辺りの機材選定は慎重になった方が良いだろう。少なくともネット通販でどこのメーカーかわからないものはやめた方が無難である。本線のこの部分のトラブルは復旧するためにPCの調整とハード側の調整と両方必要になるので、時間がかかり、大事故になりやすい。
少なくとも映像音声インターフェースとPC(有線LAN接続部分)のセットは信頼度を上げておくことをオススメします。

配信についてはこんな感じ、もし質問などがあればこちらはコメント開放しておくので書き込んでいただければと思います。


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