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0313 仮組みの重要性

現場を実際に行う前に必要なことがある。
それが仮組みという作業になる。これは文字通り現場に入る前に現場を想定してシステムを組んでみるということになる。
その現場が今までやった事がある現場か、初めてやる現場なのかでももちろん違うが、基本的にはイベントの場合は後者が多くなる。

その現場自体の規模感にもよるが、出来る事なら最初のうちはなるべく仮組みをしていく事が必要だ、これはかなりのカロリーを伴うことになるが、実際にシステムを組む事でわかってくる事が2つの側面ある。

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1つはシステム自体の確認だ、思い描いていたシステムの機材がそれぞれ思い通りになるかどうか、確認をする。
そもそも機材の能力を100%把握している人などいないので、多くの機材を組み合わせる大規模システムになってくると当然ヌケが出てくる。それを現場に行く前段階で修正する。
自分の知識を実際に時間をかけて試していくことで自分自身の理解度と見えていなかった課題などが見えてきたりし、個人のスキルアップにはとても大切な時間を持つ事ができる、じっくりとしっかりとやることが大切である。

さらに現場での必要ケーブル数やオペレーション時の機材配置のシミュレーションなど多くの付加価値をもたらす。
座った位置からの画面の見えやすさモニターの角度など、より精度をあげていく事ができる。なので私はなるべく現場に椅子も持っていくようにしている。(現場にあるホテルの椅子等は高さが違うため目線や操作環境が変わってくる)

2つ目は実際にやろうとしていることの水準の向上である。
これは何かというと、実際に組んでみる事で現場のシミュレーションをその時わかってる範囲で最初のシーンから最後のシーンまで組んでいく、そうすると紙の上では見えてこなかったことが見えてくる。
例えば指示上だとシーン1とシーン2は続けていく予定になっていたが、仮にオペレーションをしてみると、その間にロゴに戻らないと画が続かない事がわかってきたりする。
そうすると舞台監督や演出サイドと現場に行く前から本番の流れについて調整をする事ができ、事前に問題点をupすることができるため当日の時間短縮にもなり、検討時間も現場に入るまで作れることから、結果的に現場のクオリティがあがっていくことになる。

このように新しいことをする現場は全てが見えているということは少ない、各セクションそれぞれの問題点があるし、全体として動くからこそ不具合が生じてきたりするものである、そもそもやったことがないのだから。
それをいかに全体でフォローし合い、いいものを作っていく意識がそれぞれのセクションで共通項としているのかがとても大切なことになってくる。
その意識でいる限り、仮組みをせずに現場に入るというのは傲慢だし、その現場のことをちゃんとは考えきれていないのではないだろうか。
当然仕事が連続していて仮組みの時間が取りづらいという人がいるかもしれない、会社の都合で事前に仮組みができる機材が無かったりする人もいるかもしれない、理由は様々あるかもしれない、しかし考えなければいけないのはできない理由ではなく、自分自身がその現場とどう向き合っていくのかということではないかと思う、どんな条件であろうと事前にできることは沢山ある、想像力をはたらかせることができる人間だけが当日の問題を先読みできる。
今でも私にとっては仮組みは楽しくてしょうがない。

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