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あの人のやる気スイッチの見つけ方と入れ方

「息子達のやる気スイッチを見つけてくれるなら、300万円払ってもいい!」

君のやる気スイッチを見つけますという学習塾のCMを見た時の感想です。
20年前は息子達を自分の思い通りに行動させたくて、おだてたり叱ったりと四苦八苦して行動させていました。息子達のやる気スイッチを私が入れようとしていた時期でした。

コーチングに出会って、コミュニケーションを学んだ今なら分かります。自分の目的のために、無理やりスイッチを入れようとしても上手くいくはずがありません。

最近、職場での出来事がきっかけで改めてやる気スイッチを考える機会がありました。今回は応援したいあの人が自分でやる気スイッチを入れられるようになる効果的な方法について考えます。


1.やる気スイッチが入るきっかけ

職場にリーダータイプのバイトA君がいます。彼に判断が必要な仕事を頼む時、何気なく「任せたよ」と一言付け加えました。するといつも以上に熱心に取り組み、短時間で期待以上の成果を出しました。

結果に驚いた私は、コミュニケーションの観点からやる気スイッチが入るきっかけについて考え始めました。

やりたい事をする時、スイッチは簡単に入ります。しかし仕事では締め切りや課題など、やりたくなくてもスイッチを入れなければならない時がたくさんあります。

やる気スイッチを入れられるのは本人だけです。しかしコミュニケーションの工夫で、スイッチを入れるサポートなら他人でもできそうだと考えました。


2.きっかけを作る二つの方法

やる気スイッチを入れるきっかけは二種類あります。トリガーワード(言葉)とトリガーアクション(行動)です。

トリガーとは銃の引き金のこと。大きな効果を出すことにつながる、小さなきっかけを意味します。

トリガーワードは感情や記憶を引き出すきっかけとなる言葉という意味で、様々な分野で使われています。私の場合、「動いてみないと結果は出ない」がトリガーワードです。

トリガーアクションは私の造語です。大きなチャレンジ前には不安を捨てる感覚で髪を切っています。これが私のトリガーアクションの一つです。

トリガーワードもトリガーアクションも人それぞれで、たくさん持っている人もいます。


3.トリガーワードやトリガーアクションの見つけ方

やればできるのに行動しない職場の仲間を見て、残念に思うことがあります。自信をなくして行動しない同僚や、目標が分からなくて指示待ち状態の部下など状況や理由は様々です。

仲間が前向きに仕事に取り組めるようサポートしたい時、このトリガーワードとトリガーアクションを使います。

トリガーワードとトリガーアクションの見つけ方は簡単でした。その人のやる気スイッチが入った姿を思い出すだけです。

スイッチが入った姿を見たことがない、という人もいました。しかしこれまでの経験から、やる気スイッチは誰にでもあると信じています。見つけていないか、入れ方が分からないだけのようです。そんな時はスイッチが入った状態を想像します。

例えば、のび太君の場合を考えてみましょう。
昼寝とマンガが大好きで、アニメでは頼りないシーンがたくさん描かれています。一見のび太君にはやる気スイッチがないように見えますが、そんなことはありません。

彼は今までにたくさんの人(時には宇宙人や恐竜まで)を助けてきました。驚くような道具の使い方を思いつき、大きなピンチを何度も乗り越えてきました。

やる気スイッチが入った姿から推測すると、のび太君は自分のことより困っている人のために行動力を発揮するようです。ドラえもんの道具というきっかけさえあれば、素晴らしいアイデアで大きな成果を出せる才能もあるようです。

やる気スイッチが入った姿にはトリガーワードやトリガーアクションのヒントがたくさん詰まっています。この二つは本人の価値観や大切にしている想いと結びついているからでしょう。

トリガーワードやトリガーアクションは複数あり、状況や相手との関係性で変化するという特徴があります。なので、これらを見つけるには雑談や仕事への取り組み方など、普段の観察とコミュニケーションが大切になってきます。


4.きっかけ作りをサポートする目的

相手の笑顔のためです。目標を達成したり、前進したりして自信を持ってもらいたいからです。

また本人が気づいていないやる気スイッチを発見するためでもあります。本人がスイッチを入れるきっかけを増やし、楽に入れられるようにするためです。新しく見つけたやる気スイッチが才能になることもあります。

バイトのS君が100枚以上の段ボールを整理しながら片づけてくれました。簡単に見えますが、じつは整理しながら片づけられるバイトは二人しかいません。その事を伝えると、彼の行動が1ステップ上がりました。段ボールの片付けというトリガーアクションをきっかけに、S君は倉庫全体の整理整頓を自分で日課にしてくれたのです。

トリガーワードやトリガーアクションを使ってやる気スイッチを入れるサポートをするのは、相手をコントロールするためではありません。相手が安心して能力を出せる環境を一緒に作っていくことが目的です。職場の場合みんなが能力を出し合えば、チームとしてより良い結果を出し、業績アップにつながります。


今は息子達にアメとムチという方法は使いません。トリガーワードやトリガーアクションを一緒に見つけ、彼らが自分で走り出すサポートをしています。たくさん見つけるためにも、今後も相手が大切にしているものを意識しながらコミュニケーションを取ることを心がけていこうと思います。

この記事を書いた人

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中村はるみ
TCS認定コーチ/登録販売者。職場での人間関係に悩む中でコーチングに出会い、自分への信頼を取り戻すこととコミュニケーションの大切さを学ぶ。悩みを解決する過程でコミュニケーションは誰でも、いつからでも学んで改善できると知り、同じように人間関係で悩む方へコーチングを届けるために活動中。

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