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アイデンティティ

こんにちは、TCS×Businessのメンバーとして活動しています瀧下雅弘です。
私は普段、コンサルティング会社に勤務しながら、社内1on1の質の向上のため、日々コーチングを活用しています。

今回は、部下へ組織を任せるという局面において、「アイデンティティ」が教えてくれた「正義感」を書いてみました。

1.はじめに


「アイデンティティ」という言葉を聞いたことはありますか。一般的には、様々な立場における自分自身のあり方について、これが他ならぬ自分なのだ!という確信のことを指します。(TCSでは、過去に自分が認められるため、孤立しないために長年築き上げてきたもの、と定義しています。)

2.組織を任すということ


私はおよそ70名のグループの長として、お客様へのサービスに従事しています。これだけの人数を抱えていると、とても一人では品質担保ができません。しかし、メンバーひとりひとりがとても優秀で、私の思いを充分に理解してくれており、とても助かっています。さらにありがたいことに、サブリーダーが私の右腕として活躍してくれています。お客様からの評価がよく、メンバーからの信頼も厚いため、このサブリーダーなくしてグループの運営は立ち行かなかったことでしょう。

そんなとき、新しい組織を立ち上げることになり、サブリーダーへ今の組織を任せることになりました。これまでの実績、お客様からの信頼、評価を考慮しても、彼しかいないだろうと思います。
しかし、多少の不安はありました。それは、自分の正義を貫きすぎることでした。

3.サブリーダーのアイデンティティ


そのサブリーダーは「弱みを見せない」というアイデンティティから、正しいことは正しい、という正義感を大事にしてきました。
私以上に長く今の組織にいて、たくさんのお客様とも懇意にしていただいているため、弱みを見せてはならない、自分が引っ張っていかないといけない、そして私はお客様のことを一番理解しているから正しい、という強い信念を持っていました。

ですので、ちょっとしたトラブル、課題が起きてもすべて自分で解決しようという意気込みはよいのですが、自分ひとりで片付けられなくなってからはじめて相談にくることが多々ありました。

もう少し早く相談してくれれば、火種がちいさい段階で解決できたものをと思いつつも、その時点でのフィードバックを与えて、解決してきました。

4.私のアイデンティティ


一方で、私は「責任感」というアイデンティティを大事にしてきました。何事も自分でやりきり、しっかりと責任を果たす、ということです。
しかし、口ではサブリーダーを信頼していると言ってはいるものの、任せきれていない自分がいました。

これからグループを拡大していこうと計画していた矢先に、とある案件が持ち上がりました。内容的には若干難しい局面もあるものの、案件の質、タイミング、最初の段取り、お客様とのゴールの合意、予算等裁量も含めてよい勉強になる、ということでサブリーダーに任せようと思い立ちました。彼ならやり遂げてくれるだろうという期待もこめて。差配したときも彼の表情から、非常にやる気に満ち溢れていることが伝わってきました。

しかし、任せるといった反面、私の責任感が顔を出し、途中途中で細かく指示したりしていました。また、よりよい運営を目指してもらおうと、フィードバックの量を増やしていました。彼にとっては面白くなかったことでしょう。モチベーションダウンが目にみえてわかるようになりました。

そこで、はたと気がつきました。

つまり、それは、自分を信頼することも大事なのですが、そもそもサブリーダーを信頼することができていないということだと。
任せる、ということは、相手の行動、結果、気持ち等全部含めて任せる、ということ。例え失敗しようとも、責任は私が負うから思い切ってやってみて、ということ。

その日から私自身の行動を変えました。
結果の確認はしますが、その案件に関わる仕事はすべて彼に任せるようにしました。
判断も基本は彼に任せ、相談がきたときは、「あなたはどうやりたいの?」と意思決定も任せるようにしました。
以前より彼のモチベーションがアップし、成果も目に見えてよくなり、お客様の評価、メンバーからの信頼も厚くなったのはいうまでもありません。

「相手を信用する」という根本の気持ちが確認できました。

5.終わりに


このできごとがあってから、「しっかりと相手を承認し、信頼し、任せる」ということを大事にしています。

サブリーダーからも、任せることで信頼されていると認識されています。

職場で同じような悩みを抱えた方が、このブログを読んで、心のモヤモヤが晴れたらいいな、と願っています。

この記事を書いた人

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瀧下雅弘

大学卒業後、最先端技術に関わるべくIT開発への道を志す。一通り経験後、ひととひとをつなぐことが好きと気付き、マネジメントコンサルティング会社に勤務、日々お客様のプロジェクトマネジメントの品質向上に努める。一方で自社内1on1の質の向上に努めるべく、コーチングを活用する日々を送るコンサルタント。

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