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孤独な時短ワーママリーダーが「コーチ型リーダー」を目指したワケ

はじめまして。TCS認定コーチの小林由佳です。

3人の子育てをしながら会社員をしており、ワーママ生活も10年目。出産を経験してライフステージ毎の働き方に悩み、模索しながらも、今はチームリーダーとして役割を担っております。

直面したライフステージでの働き方の変化

仕事が任せてもらえる機会も増え、どんどん面白くなってきた20代後半。
引き受けた仕事をやり遂げる達成感と、私が「やらなければいけない」という責任感で充実した日々を送っていました。

そんな時期に私は結婚し、第一子を出産しました。

育児休業を終え、以前と同じように仕事ができると思い込んで仕事復帰した私。以前のように急に仕事を振られることは激減し、時短勤務内にできる仕事量が与えられました。贅沢な話ですが、受けられる仕事に制限ができた事に私は寂しささえも感じていました。

いつしか「子育て中は仕事をする上で中途半端な時期」と決めつけ、「やりたい」と自分から手を挙げることは誰かに迷惑をかけることになる。自分の範囲内で迷惑をかけずにどうしたら仕事ができるかをとても大切に考えるようになっていました。

社内でも中堅と呼ばれる年になったころ、私が新規プロジェクトの「リーダー」に指名されたのです。

今、あなたに求められているリーダーの役割とは?

時短勤務で「責任ある役職は回ってくるはずもない」と思い込んでいた私は動揺しました。

なぜなら会社のリーダーは
・チーム全体を引っ張っていく存在。
・チームの中でも一番働き、誰よりもチームをを把握し、憧れられる存在。
・仕事も人間としても完璧でなければならない。
と強く思い込んでいたからです。

時短勤務で業務の最後まで立ち会えない自分への負い目と、「リーダー」という重圧は苦しく、「なぜ自分が・・」を拭い切れないまま「リーダー」という鎧で身を固めてしまうほどに必死でした。

それ故、わからないこともメンバーの誰にも素直に相談できず、来た相談にはアドバイスの嵐で返し、作業が滞った時には質問攻め。

プロジェクトを成功に導くための前向きな進捗管理ではなく、信頼関係をも壊しかねない私が安心するための進捗管理をしていたように思います。

リーダーとその他のメンバーという構図が出来上がり、雑談も激減。報告もうまく届かなくなり、思うようにいかないチーム運営にうんざりしていました。

「なぜ中途半端な私をリーダーにしたのか?」困り果てて上司に聞いたことがあります。

すると上司は
「人と人をつなげてほしいと思ったからだよ」
新しいチームを始める時に、人と人を繋げたり、間に入って橋渡しをしたり小林が得意としていることをチームの中で発揮してほしくてリーダーにした。チームを引っ張っていくのではなく、チームをまとめながら一緒に走ってほしいと。

私がなぜリーダーに選ばれたのか?

自問自答を繰り返し、勝手な解釈に苦しんできましたが、上司の言葉で力がふっと抜けました。

私が片意地を張って行ってきたことは、上司が望んでいたリーダーとは全くの真逆。人を繋げるどころか、当の私が一人一人との信頼関係を築くこともせず、チームをバラバラにしていた事に唖然としました。

孤独だったダメダメリーダーがコーチ型リーダーを目指してみた

上司の言葉がリーダーの自分を見直すきっかけとなり、コーチングを学んだことで一人一人のパフォーマンスを引き出しながら一緒に走るチーム作りをする「コーチ型リーダー」の在り方を知ったのです。

私一人が引っ張るのではない、個々がパフォーマンスを発揮できるチームにしたい!

やっと目指すべきリーダー像がはっきりしました。

1人1人のパフォーマンスを発揮させたくても、当時の私はメンバーの考えていることや言葉の背景も全くわかりませんでした。「メンバーを知る」ことから始めたくて、指示やアドバイスをやめ相談するに徹しました。

「あなたの意見を聞かせてほしい」、私とは違う経験、価値観を持ったメンバーの行動に「どういう意図があったのか?」興味を持って背景を知る。

イメージとは全く違う返答をするメンバーに戸惑うこともありましたが、私が気付けなかった視点を得、大切にしている価値観をも知る機会にもなったことで、表面に出てくる言葉だけを安易に切り取った捉え方が簡単にはできなくなりました。

「リーダー」だと信じて疑わなかった今までの自分の行動が、メンバーとの信頼関係を築く事を遠く遠ざけていたことを思い知る結果となったのです。

「指示・アドバイスをやめる」行動が、メンバーへの相談を促し、相談する事で得られたメンバーの言葉からひとひとりの背景をも知ることができ、「命令型」「指導型」のリーダーから同じゴールを見据えて一緒に走る仲間に変わった瞬間かもしれません。

理解してもらえないと相手を責めていた時にはわからなかった、個人それぞれの強みがチーム運営を助けてくれるようになりました。

不思議なもので、少し関係性が変わり始めると何気ない雑談をする時間も増え、話しやすくなったのです。

コーチングを職場に取り入れてみた結果

「アドバイスをせずに相談する」を意識して接した半年後、チームも仕事も変わらないのに、驚くほど議論は活発になり、各自が強みを生かした役割が自然に生み出されるようになりました。

自分がどこかでずっと持っていた「時短勤務だから」は大きな理由でなくなり、私ができないところを信頼して任せられるチームになりました。

命令型、指示型で機能するチームもあれば、教えることがもちろん必要な時もあります。

とはいえ、テレワークが加速する現状で、指示や命令だけでは包括できなくなり、離れたチームメンバーにも自主的に動いてもらうことが求められます。

「この人に聞いてもらいたい、話したい、一緒に走りたい」と感じてもらうこと、信頼関係を丁寧に気付いていくコミュニケーションスキルもリーダーに求められている大切な要素であり、個のパフォーマンスを上げていくことも、企業を加速させる大きな起爆剤です。

「このパフォーマンスを発揮できるチーム運営」が成り立てば、ライフステージの変化での働き方の可能性は大きいかもしれません。

私はチームを作る事に時間を要してしまった痛い経験があります。

しかし、企業に勤めをしているからこそ、部下やリーダーの育成に日々関わっていける私達がコーチングを学ぶことは、働く環境を何十倍も良くして行ける可能性に満ちているのではないでしょうか。

この記事を書いた人

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小林由佳

TCS認定コーチ/ナーサリーコーチング大阪リーダー。化粧品会社に新卒で就職、派遣社員、契約社員も経験し、現在は3人の子育てをしながらフルタイム正社員のリーダー職として働いている。ワーママであることへの葛藤からコーチングと出会ったことで、ライフステージを活用しながら社内でのチーム育成を実践中。

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