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「セカンドキャリアへの一歩」

2年前、桜が咲いた瞬間、娘は大きな声で泣き叫び、パパに抱きついてきました。その小さな体の熱量と重みに、パパの心は大きく、高く、突き動かされました。

TCS認定コーチの いちろう です。
大学卒業してからずっと電機メーカでエンジニアとして働く、中2姉・小4妹のパパ(49歳)です。

仕事は耐えてお給料を貰うものと思っていました。それが当たり前だと思い込んでいました。そんな私が、2年前、娘の中学受験のときに、はじめて自分が心から求める「生きがい」というものを感じる経験をしました。

そんな私が、その経験をきっかけにして、コーチングを学びはじめ、どんな変化があったか、これまで私と同じように会社でつらい仕事に耐えてきた中高年のみなさんに、コミュニケーション技術である「コーチング」を学ぶことの意味を、この記事を通してお伝えできたらいいなと思います。

私がコーチングを学んで、自分自身で変わったと思うこと

★会社:反対意見の相手に対しても、その意図をしっかり聴き、それを尊重しながらも自分の意図をしっかり伝え、お互いの理解を深めあうことができるようになった。

★家庭:イライラや怒りを家族に見せてしまう言動をとることが少なくなった。逆に娘たちにイライラや怒りをぶつけられてもわりと冷静さを保てている。

★地域:これまであまり交流してこなかったマンションの理事会に参加し、コミュニティ委員としてラジオ体操やイベント活動など、地域活動に参加するようになった。

1.自分らしい「生きがい」とは?

私自身、これまで25年間の会社人生において、セカンドキャリアということをあまり考えたことがありませんでした。このまま定年まで与えられた仕事や役割をたんたんとこなし、定年まで勤めあげる人生なんだろうなぁと思い込み、心から湧き上がるような自分らしい「生きがい」を感じることのできない毎日でありながら、自分の幸せとはなにかをよく考えたこともなく、会社での成績や評価だけを考え、定年まで穏便に過ごすにはどうしたらいいのか、とか、定年後の老後資金はどうやって貯めていこうか、とか、そんなことばかり考えて過ごしていました。それは「与えられた仕事をこなしているような人生」でした。

そんな私が2年前、娘の中学受験をきっかけに、心から湧き上がるような「生きがい」を求めるようになり始め、そのために自分自身を再び成長させたい、人生はずっと勉強の継続なんだ、という考え方に変わりました。

それからは、キャリアコンサルタント資格やTCS認定コーチ資格を取得するために、コミュニケーション技術の勉強を毎日少しずつ続けることにより、会社や仕事が変わったわけではありませんが、職場や家庭でのまわりの人たちとの関係性が変わり始め、仕事に対する主体的な立場の取り方や未来志向の意識が醸成され、人生の「生きがい」を少しずつ感じとることができるようなになってきました。

その結果、会社の人間関係は穏やかで楽しい関わりができるようになり、地域での自分にできる役割も見つけることができたり、家族をより大切にする意識も明確になり、人との関わりの中に幸せを感じることができる自分を発見できることが多くなりました。

2.娘の姿にパパの心が動いた日

私のその考えが変わったきっかけは、娘の中学受験でした。

娘は小4から小学校の合唱部に入り、毎日のように練習していました。朝早く登校し練習、昼休みも練習、放課後も練習、土曜日もお弁当を持って練習、日曜日も地域のイベントに出演したり、コンクールに出場したり、「練習は裏切らない」という先生の教えを信じ、厳しい練習を積み重ねていました。

そんな子供たちの歌声は圧巻・・・心をグラグラと揺り動かされる感覚を何度も覚えました。そして、小5のとき、NHK全国学校音楽コンクールで初めてブロック大会まで進み、その大会でなんと金賞!なんと全国大会への初出場を決めました。全国大会での娘の姿は眩しく、堂々とした歌いっぷりでした。その自信に満ちた顔には「練習は裏切らない」ということを継続し、実践してきたものの誇りを感じました。全国大会では惜しくも入賞ならずでしたが、結果ではなくその舞台に立つまでの子供たちの頑張る姿に、純粋でまっすぐな心の美しさに、パパの心は大きく、大きく動かされていきました。

そして、小6の秋にも全国大会へ連続出場し、また惜しくも入賞ならず、渋谷のNHKホールの前で号泣した彼女は、家に帰り着いた翌日の朝に、パパに言いました。

「中学へ行っても合唱を続けたい・・将来、歌を教える人になりたいから・・・」
「だから・・中学受験して・・合唱を続けられる学校に行きたい・・」


あ〜、娘はこのとき、自分で自分の人生を選択し歩み始めたんだな〜、と胸がいっぱいになりつつも、どこか寂しい気持ちもあったような気がします。

そこから、受験まで残り3ヶ月、毎日、毎日、夜遅くまで、なかなかできない算数に悔し涙をポロポロ流しながら、勉強に取り組む娘がいました。

友達と遊びたい、ゲームがしたい、スマホでYoutubeがみたい・・・
他にやりたいことがいっぱいあった中で、なかなか勉強に集中できないときも多く、なんとか合格してほしいというパパの焦りから「もうやめよう」と何度言ったことか。

でも彼女は一度たりとも、やめるとは言わず、涙をポロポロ流しながら、勉強していたのです。

3ヶ月後、最後までやると決めたことをやり切った彼女は、合格発表のホームページに桜が咲いた瞬間、小さなときのように大きな声で泣き叫び、パパに抱きつきました。

その小さな体の熱量と重みに、パパの心はついに、大きく、高く、突き動かされたのです。

3.自分が変われば他者も変わる

私が、コミュニケーションやコーチングを勉強し始めて一番感じることは、「他者を変えようとしても変わらない、でも自分から他者への関わり方を変えれば、他者からの関わり方も変わる」ということです。

これまで、会社や家庭での私がとってきたコミュニケーションはほぼ「相手を変えよう」とする関わり方になってしまっていたと痛感しています。

決めつける、アドバイスする、押し付ける、求める・・・
今振り返ると自分もまわりの人たちも息が詰まりそうです。

コーチングを学んでから、自分が一番変わったこと。
決めつけない、アドバイスしない、押し付けない、求めない・・・

例えば、昨年4月から職場で一緒に仕事をすることになった同僚のFさんとの関わり方では、Fさんの「強み」や「価値観」を聴きながら作業を分担したり、相談や問題にはアドバイスせずしっかり「聴く」ことに徹したり、その人のペースに委ねその成果を信じ、自分は自分の仕事に集中し、全力を尽くしていました。

すると、Fさんの仕事への取り組み方が明らかに変わってきたのです。

まず、なんでも話してくれるようになりました。愚痴や不満も含めて。
そして、仕事や人間関係の悩みもすぐに相談してくれるようになってきました。

それは、あきらかにお互いの信頼関係が深まっている、という感覚がありました。

そして、お盆休みに入る前日、遅くまで残業して、二人で帰る途中、地下鉄のホームへ向かう階段の途中で、Fさんがボソッと呟いたのです。

「いま、いちろうさんに休まれたら困ります・・・」

その一言が、なぜか私の存在そのものを必要としてくれているように感じて、涙がでるほど嬉しかったのです。

なんにも飾らないありのままの自分自身を必要としてくれる人がいる、そんな人生が、いまの私の「生きがい」なのかもしれません。

4.セカンドキャリアへの一歩

いま振り返ると、娘との関わりにも、Fさんとの関わりにも、共通していることがありました。それは、娘はパパを変えようとしていなかったし、私はFさんを変えようとはしていなかった、けど結果、あきらかに変わった、ということです。
他者を優しく尊重し、自分に集中する。
それが他者にもよい影響を与えることにつながり、よりよい関係性を築けることになるのかな、といまは思います。

自分に対しても同じで、これまでの自分を否定したり、変えようとするのではなく、いまの自分を優しく尊重することで、自分とのよりよい関係性を築くことにつながり、人生における自分らしい「セカンドキャリア」に向け、その一歩を踏み出すことができたのではないかなと感じています。

そして、これからも、人生の幸せの本質は「コミュニケーション」にあると信じ、コーチングを学びながら、一人でも多く、楽しく学び、楽しく働ける社会を創るため、会社、家庭、地域でのいろいろな活動に挑戦し続けていきたいと思います。

この記事を書いた人

こみねコーチ

いちろう

電機メーカに就職し25年勤務。システムエンジニア、プロジェクトマネージャ、管理職など経験。娘の中学受験に影響を受け、キャリアコンサルタント資格を取得。人生の幸せの本質は「コミュニケーション」にあると感じ、 トラストコーチングスクール(TCS)の認定コーチとして、日々コーチングを学びながら、楽しく学び、楽しく働ける社会を創るため、会社、家庭、地域でいろいろな活動に挑戦中。

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