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鍉鍼しか使えない患者さんもいる

 臨床の現場に出ると、鍼灸の効果が分からないという人もいますが、逆にすごく感じてしまいやすく、変わりやすい人というのが一定数います。

 

 非常にかわりやすいのは、一般的には乳児、小児などが該当しやすいのですが、青年、壮年、60代でもまれにいます。乳児は話ができないですし、小児は身体の感覚も表現しにくいので、本人が説明できないので、わかりにくい傾向があります。30代以降だと、身体の感覚を表現しやすい人も多いので、非常に勉強になることが多いです。


 私自身は、臨床の現場に出てすぐに、そういう方にお会いして、経絡の走行をしっかりと感じる人は、一定数いるのだなと感じました。私自身も感じやすいので、経絡とかは身体的に理解できますが、全員ではないので、やっぱり鍼灸や経絡は理解しにくいものなのだと思っています。


 臨床の現場に出てすぐにお会いした方は、鍼を当てるだけで、経絡の走行に響きを感じて、症状も一気に軽減していく方でした。非常に敏感だったのですが、普通に鍼を刺しても、悪化をする訳ではないので、刺入、置鍼、接触といろいろと使って施術をしていました。


 さらに敏感な方の場合は、鍼を刺入すると、その場所に鍼の痛みが残ってしまい、違和感が何日も続く場合があります。


 刺入技術の問題もあるのかもしれないので、絶対ではありませんが、鍉鍼に変えると一気に身体が変化し、施術後に悪化もなく、症状の軽減もよく出てくる人もいます。


 最近、施術をした人がまさにこういった人で、鍼をすると、発熱をしたり、数日調子を崩してしまい、刺されたところ(刺入は5㎜程度)の違和感も続いていました。


 もしかしたらと思って鍉鍼に変えたら、ビンゴでしたね。


 ツボを探して、「ここかな」と言うと「そこです」という話になり、鍉鍼を当てて「ここだけど届かない」と言うと、「届かない」という話になります。


 鍉鍼に変えてから、一気に変化をするようになりましたが、それまでの施術でも一応、効果はあったみたいですが、刺入後の違和感、身体のだるさも辛かったので、継続した成果と言えます。


 鍉鍼がいいのに、3回目で気づきましたが、もっと早く気づけていればという思いもありますが、1回目だけだと瞑眩かもしれないし、なかなか気づきにくいところもありますね。


 3回来てもらって、鍉鍼に変えたので、それ以降は調子がどんどんと上がっていく感覚を体験してもらえていますが、鍼をした後の調子の悪さから、諦められていても仕方がないところもあるので、よく信じて来てもらえたなという気持ちもあります。


 私自身は、接触・切皮程度の施術が中心だったのが、多鍼・通電など刺激量の多い施術になったり、お灸が中心になったりと治療内容が年とともに変化をしているので、いろいろな経験をしていたのはやはり大事だったなと感じているところです。


 私にとっての治療スタイルは、ある程度決まってきていますが、やり方のマニュアルを学んでやっているわけではないので、その都度、考えながらやっている状態です。


 敏感な方は、少数穴スタイル、敏感ではない・刺激も欲しい方は、刺激をある程度入れるスタイルになってきています。


 今後の治療スタイルはどうなっていくのか自分では全く分かりません。患者さんによって治療スタイルが変わっていくところもあるので、患者さんに育ててもらうという部分も強いのではないのかなと思っているところです。



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