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SANEMORIの亡霊になり早1ヶ月。

※SANEMORI本編ネタバレありです。



先日無事に終了した、初春歌舞伎公演 市川團十郎襲名記念プログラム
『SANEMORI』。
運が良いことに、今回2回観劇することが出来ました。
そして観劇してから1ヶ月が過ぎましたが、今だにSANEMORIの亡霊な私です。成仏する気配もない。

自担の外部舞台、しかも宮舘くんがずっと望んでいた和の歌舞伎の世界への挑戦。
宮舘涼太くんの一ファンとして、彼が團十郎さんや他の役者の方と共に必死に取り組み作り上げたであろうSANEMORIの世界が無事に終わりを迎えた事。私自身無事に観劇する事ができた事。何よりほっとしております。


記念に感想を書きたいと思ってnoteを書いているけど、観劇中は宮舘くんの努力にひたすら圧倒されて。
観劇後もこんなにも頑張っている宮舘くんの凄さを自分の言葉で上手く纏められずぐるぐる悩み考えて。
正直いつも以上に言葉がまとまってません。いつも以上に自己満。
初めての自担の舞台ってこんな感情になるのね…。

序幕

今回本当に運が良いことに、初回は1階席前方の花道横にて観劇出来ました。この席、花道の立ち回りでも宮舘くん含めた役者の方が留まる事が多く、良く見えて本当に神席でした。
舞台開始早々、舞台の真ん中にいる宮舘くん演じる義仲が家来を引き連れて名乗りを上げる。
まさか宮舘くんの台詞で本編が始まるとは思ってもおらず初回は頭が追いついてなかったんですが、
「我こそは!」という力強い名乗りが本〜〜〜〜当にかっこよくてですね、、乱世の世に生きる源義仲という武将が確かにそこにいた…
立ち回り中の所作?も本当に綺麗。宮舘くんのダンスパフォーマンスのようにしなやかで力強く目を奪われてしまう立ち回りでした。
平家との戦に勝ち、自分が生まれた時に命を助けてくれた恩人の斎藤実盛に思いを馳せる義仲。ここも宮舘くんのそれまでの凛々しい表情や声からの使い分けている感じがめちゃくちゃ良かった…!!
そして20年前に時は遡って義仲の父、義賢の御屋敷のシーン。宮舘くんの二役目。
勇敢な武将という感じの義仲と、病を患っている義賢との演じ分けが…もう凄い(語彙力)特に義賢って、2019年に團十郎さんが演じた役とのことで、プレッシャーもあっただろうに凄く義賢がハマっている…!

序幕で最も泣いた平家が屋敷に攻めてきた後の葵御前とのお別れのシーン。あの、、、ここで泣かない人いるんです、、、?私初回見た時手元にハンカチ準備しておかなかったの後悔したぐらいぼろっぼろに泣いてしまうという。
自分の死を覚悟して白旗を葵御前に託し、平家との戦いに向かおうとする義賢に葵御前が「もうお別れなんですか…?」って台詞。まずここの葵御前が!!源氏の未来を託されたお腹の子を守る為に今すぐ逃げなきゃいけないのに、愛する夫との別れが耐えられない。そんな辛さが伝わってくるようで辛かった。
そして義賢。そんな葵御前の手を優しく取って目を見て一言、

「元気な子を産んでくれよ…」
うぐああああああああああああああああ(号泣)

ここ義賢の葵御前を見る目が本当に、本当に優しくて!!!!奥方とまだ見ぬ我が子への愛おしさが凄く伝わってくる宮舘くんの演技!!!!泣
(稽古中葵御前の代打を務めた市川右若さんがこの時目を見て言われて想像妊娠しそうだったと仰ってたの超分かる)
そして葵御前の問いには答えず背を向け進む義賢に泣き崩れる葵御前…

うぐああああああああああああああああ(号泣)(2回目)


そして始まる義賢と平家軍の戦い。
滝沢歌舞伎の映画見てて宮舘くんの殺陣は重心が低め?というか下半身がしっかりしてて刀捌きも格別だしこの人絶対負けないだろ!って安定感あるって思っていたのですが。
義賢の立ち回りも見て、やっぱり宮舘くんは戦うシーンの立ち回りが贔屓目抜きにしても上手いと思いました。
戸板倒しからの、会場全体を使った圧倒的な義賢の立ち回りが本当にかっこいい。
大勢の平家軍に対してたった1人で立ち向かった義賢だったのに、その圧倒的な強さでこのまま義賢が勝つんじゃないかと思ったくらい凄かった。
義賢は薙刀を使っていたのも見れて良かった。というか宮舘くん薙刀を扱うのも上手いんですね…本当何でも出来る…。

たった1人で平家に争う義賢だったけど、遂に力尽きそうな所を不意を突かれてしまい、瀕死の傷を負う義賢。
ここで自身の唯一の悔いはまだ見ぬ我が子の成長を見れない事だと語り、舞台の中心に倒れその生涯を終えます…。

うぐああああああああああああああああああああああああああああああ(号泣)(3回目)


義賢の立ち回り中の切迫詰まった息遣い、襲いくる敵を薙ぎ倒す義賢の必死の表情や床に落ちる汗、そして最期の大往生。義賢は自分が助かりたいからじゃなくて我見ぬ我が子や愛する奥方の未来を守る為に必死に戦ったのかなと思ったら涙が止まらなかったです。
特に必死な息遣いは3階席の後ろの方で観劇していても聞こえてきて(マイクもあったのかな?)、私には宮舘くんが演じている役というよりはもう舞台上にいるのは源氏の為に戦う侍にしか見えなかったです。
共演者の歌舞伎役者さんからも命懸けで稽古に臨んでいたとお話していたり…そりゃそうだよなあ。あんな凄い事簡単に出来ないよなあ。
宮舘くんがどれだけこのSANEMORIの為に力を尽くしたのか、そしてその結果を一ファンとして、この目で見る事が出来て本当に良かったです。
というか前回演じられた義仲に加え、義賢役を記者会見でサプライズで指名する團十郎さん鬼だな。(少し滝沢くんみを感じたのはここだけの話)

2幕

2幕を観劇して改めて思ったんですが、宮舘くんが演じた二役は現代語に近い台詞で作られていて、2幕の中心人物の実盛や瀬尾の台詞は歌舞伎本来のニュアンス?の台詞で作られていたのかなと。
なので2幕は本〜〜〜当に、イヤフォンガイドに助けられました!というか他のスノ担さんも仰っていたように全幕通してイヤフォンガイド、めちゃくちゃ良いお仕事してましたよね!良きタイミングで台詞の解説や登場人物の解説をしてくれて、声のトーンもゆったり聞きやすい方だったので私のような歌舞伎初心者にはありがたいアイテムでした!イヤフォンガイドの語り手の方もSnow Man好きな方らしく、幕間にはYouTubeも見ていらっしゃるお話もしてくれたり、これでレンタル料1,000円しなかったし個人的に大満足でした!

2幕は團十郎さん演じる斎藤実盛と、後に義仲の家臣となる、まだ子供の手塚太郎光盛くんを中心に、義仲誕生に纏わるお話でした。ここ團十郎さんはもちろん凄く良かったんですが、手塚太朗吉くん役の子役さん(上田洋輝くん)が凄く一生懸命に演じていてそこが凄く良かった…。

また私は今回初めて團十郎さんの演技を生で見る事が出来たんですが、團十郎さん凄いですね…彼が台詞を発するだけで空気が変わるというか、圧倒的な存在感というか。團十郎さんの襲名記念プログラムということもあって、実盛が登場した際は大きな船に乗って襲名の挨拶も含めた口上を述べたんですが、本当一言目で空気が変わったもん。
そんな團十郎さん、実盛が太郎吉くんを馬に乗せて一緒に走るシーンがあったんですが、実盛にとっては将来必ず敵になるはずの子どもの太郎吉くんなのに彼を見つめる目がまさに父親のような慈愛を含んだ優しい目で、そこが個人的2幕のお気に入りシーンです。そんな太郎吉君が大きくなったら正々堂々戦って討たれようとしている実盛の立場が辛い。

3幕

再び時は20年後、平家との戦いに挑む義仲と手塚太朗光盛の会話のシーンから始まります。
命の恩人である実盛は生きていれば老人なので、戦場に老齢の武士がいたら殺さないよう家臣に命令を下す義仲と、主君の命の恩人なのでそれを聞き入れる太郎。
そんな義仲の思惑とは裏腹に髭とかを黒く染めて外見若者に見えるようにして太郎吉が大人になった今、正々堂々戦うことを果たそうとする実盛。

いや辛すぎる。

このシーンで確か実盛の「我が運命を決めるのは天ではない」って台詞があったんですけど、自分の運命は自分で決める実盛の信念を感じられてかっこよかった。
自分たちの道は自分達で決めて進んできた週間少年ジャンプ系アイドルSnow Manにも通じるものがありませんか?(重い)

そして始まった源氏と平家の戦い。ここも序幕の時と同じく舞台全般を使った大立ち回り!
義仲軍には女性の武士の巴御前もいたんですけど、薙刀を使った巴御前かっこいいな…戦場で戦う女性強い。
命の終わりが近づきながらも平家に争う義賢の戦いと若々しくも勇ましく、亡くなった父を思い源氏の長として戦う義仲の戦い。
どちらも本当に見応えがあった…!!!
戦いは源氏が勝利し、義仲の元に平家の武将の首を取って帰ってきた太郎。そしてその首の正体は若い武士に見せかけていた、かつての命の恩人の実盛でした。
実盛だと分かっていたら殺さなかった
自分の運命を自分で決めた実盛を見て、平家との戦いを終わらせ世を平和にするため、京に向かう義仲。

最後は京に向かう義仲が、実盛が眠っているお寺?の建物に一礼をするんですが、ここがSANEMORI唯一の宮舘くんと團十郎さんの共演シーンでした。1回目で私は義仲と同じ花道側から実盛を見ていたんですけど、義仲が一礼して実盛を見つめて、実盛も義仲を見つめ返すんですけど、それが2幕で馬に乗せてあげた太郎吉くんを見るような優しい目で見つめているんですよね実盛が泣泣泣
実盛と義仲という2人のシーンでもあるんですが、今思うと團十郎さんがこの過酷な舞台を生き抜いている宮舘くんへの團十郎さんの優しい眼差しにも感じられたような、そんなラストシーンでした。


SANEMORIが終わった今。

舞台閉幕から1ヶ月経った今になって明かされた事。
宮舘くんが過呼吸になるくらいSANEMORIの稽古に臨んでいた事。
観劇されていたコシノジュンコさんのラジオで共演者の方から義賢最期の後はお付きの方が酸素ボンベを持っていた事。
何ならSANEMORI期間中まさかのラヴィットにも生出演して舞台に臨まれていた。

改めて、とんでもない人を好きになってしまったなと。
過呼吸になったという稽古中は紅白や他のお仕事ももちろん同時進行でこなさなければいけない。
私だったら頭が狂いそうになる。
でも宮舘くんは何でもないことのように、そんな過酷な状況はお仕事に対して全身全霊で取り組んでいて、その過酷さをおくびにも見せず、一ミリもファンに悟らせず努力の結晶だけをファンに共有してくれて。
こんなに応援していて、幸せなことってあるんだろうか。そして宮舘くんの努力が伝わって公演期間中、宮舘くんのファンはもちろん歌舞伎ファンの方からの宮舘くんに対するポジティブな感想がたくさん出たのも、私が泣きそうになってしまうくらい本当に嬉しかった。

宮舘くんはきっとこれからも歌舞伎を始めとした和の世界に挑戦していくと思うし、ご本人がずっと公言されている時代劇出演もきっと叶える。そんな予感を感じさせたSANEMORIの舞台だった。本当にご立派でした。
改めて全32公演、本当にお疲れ様でした。


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