椎名林檎『三毒史』感想
金木犀の甘ったるい香りが心地よい季節になりましたね。
お久しぶりです。随分と更新が遅れてしまいました。すみません。
さて、今回は、椎名林檎さんのアルバム『三毒史』をレビューしていきます。
1.鶏と蛇と豚
聞き馴染みのある般若心経で幕を開ける林檎ワールド。(中高仏教校だったので)
林檎さんは最近仏教の世界観にハマっていらっしゃるようで。この前のツアーのグッズも、サンスクリット文字をあしらったものだったし。
2.獣ゆく細道
宮本浩次さんとのデュエット曲。
宮本さんの荒々しさと林檎さんの涼やかさの対比が大変かっこいいことになっております。
3.マ・シェリ
優雅さの中に蠱惑的なエッセンスが加わった一曲。
元々はシャンプーのCMの提供曲なのですが、自分的には香水の香り漂う曲だと思いました。
演奏するのはなんと東京事変のメンバーというサプライズ。この流れで事変復活してくれー!
2番サビ終わり後の、コーラスが混じり合う部分と、その次のギターソロがなんともエモーショナル。
4.駆け落ち者
前曲とは打って変わって、尖りに尖ったナンバー。BUCK-TICKの櫻井敦司さんとのコラボ曲です。いや、コラボというか、もはや対決と呼んだ方がふさわしいのではないか、というぐらい、緊迫感のある一曲。
まさに。闇の女王と魔王の一騎打ち。
是非とも、MVを作っていただきたい!
5.どん底まで
キャッチーな曲調とは裏腹に、歌詞が重い…!
シングル版よりテンポが速いです。
シングル版には入っていた、アウトロの浮雲コーラスがなかったところが少し残念…。
6.神様、仏様
塩辛ェ〜!ナマ臭ェ〜!
そのうち、てやんでいと言い出すんじゃないかと思うほどに江戸っ子な林檎さんが堪能できるのはこの曲だけ!(適当)
この曲のMVがまたかっっこいいんですわ……
まだご覧になったことのない方はぜひ!
7.TOKYO
ほろ苦くオトナな歌詞がとても心に刺さる一曲。
人々がひしめき合う東京の街。
煌めく摩天楼の下で、ひとり孤独に立ちすくむ女性の姿が脳裏に浮かびます。
8.長く短い祭
むせかえるような夏の夜に聴きたい一曲。
浮雲の気だるげなボーカルがもうね、林檎さんの色気たっぷりなボーカルと化学反応起こしちゃって最高なことになってるんですよね。
9.至上の人生
スローテンポなんだけれど、その中にヒリヒリするような情熱を感じる一曲。
この曲の歌い方がとても好きです。
10.急がば回れ
皮肉たっぷりの歌詞にニヤニヤしてしまう、尖りに尖った一曲。
東京事変1期のメンバー、ヒイズミさんとのツインボーカル。ヒイズミって意外と声が低いのか!と初めて聴いた時驚きました。
11.ジユーダム
可愛さしかない曲。
やなことがあってもこの曲を聴くと、人生まあ色々あるよね。どうでもいいや。わーい!
って気持ちになります。
12.目抜き通り
林檎ワールド全開の、ミュージカル調な曲。
林檎さんの手にかかれば、浪速のトータス松本も銀座のトータス松本に様変わり。
煌びやかで明るい曲調だけど、仄かに死の香りが漂う、なんとも一筋縄ではいかない一曲です(褒めてる)。
13.あの世の門
目抜き通りを通り過ぎると辿り着いたのは、あの世の門。
なにやら不穏な雰囲気で始まり、バックで響くコーラスの美しい歌声は、天使があの世から迎えに来たかのような荘厳さすらあります。
そして、途中から入ってくるアコーディオンの美しさに鳥肌…。
曲が終わり、しばしの沈黙の後、再び一曲目の「鶏と蛇と豚」に繋がるわけですが、その姿はまさに輪廻転生。
林檎さんの才能がひしひしと伝わる、そんなアルバムでした。
さて、次回は、THE YELLOW MONKEYの『9999』をレビューする、かも。
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