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2021年4月18日放送「風をよむ~ バイデン外交 まずは日本から」


バイデン大統領「ヨシ、ワシントンまで遠路ありがとう」
菅首相「ジョーとさらに協力を深めていく―」

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16日、バイデン大統領が就任後初めて行う、対面での首脳会談。その相手は日本の菅総理でした。安全保障問題から、経済、気候変動、新型コロナ対策に及ぶ、広い範囲で、話し合われました。なぜ、他国に先駆け、日本の菅総理を選んだのか、その理由は…

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バイデン大統領「菅総理大臣と私は日米同盟とお互いの安全保障に対しての揺るぎない支援を確認した。中国からの挑戦に向き合うため協力していく」
菅首相「東シナ海や南シナ海における力による現状変更の試みと、地域の他者に対する威圧に、反対することでも一致した」

両首脳が声をそろえて、強く訴えた中国への姿勢。バイデン大統領は、 日本を最も重要なパートナーと見なしたようです。

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今回の会談でとりわけ重要とされたのが台湾問題。先月、アメリカ軍幹部は…

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インド太平洋軍・デービットソン司令官「中国にとって台湾は、野望のひとつであり、今後10年間、いや6年のうちに、その脅威は明確になる」

6年以内に中国の“台湾侵攻”があり得るとの、厳しい見解を明言。
今年初頭から、、中国の戦闘機や爆撃機が台湾の防空識別圏に進入。12日には、1日の数として最多の、のべ25機に及ぶなど、台湾海峡での威嚇的な行動が、繰り返されていました。

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また今月、 バイデン大統領が台湾との交流拡大の指針を打ち出すや…

中国外務省・趙立堅報道官「台湾問題は中国の主権と領土保全に関わり、『核心的利益』だ。中国が妥協や譲歩する余地はない」

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中国は、「核心的利益」という表現を使い、一歩も引かない姿勢を強調。
対してアメリカ側も、バイデン大統領の意向を受けた、アーミテージ元国務副長官などの、非公式の代表団が台湾を訪問。
蔡英文総統「我々はアメリカなど他の国々と共に、この地域の平和と安定を守り、(中国の)越境や挑発行為を阻止することを非常に望んでいる」

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こうした中、開かれた今回の日米首脳会談。会談後の共同声明には、「台湾海峡の、平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」とした記述が盛り込まれました。

首脳会談の共同声明で台湾が明記されたのは、日中国交正常化以前の1969年以来、52年ぶり。「台湾と中国は一体」と主張する、中国の反発は避けられません。

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また、アメリカも、台湾を巡る米中の対立が激しさを増すにつれ、同盟国の日本に、より積極的な関与を求めてくると思われます。しかも、日本にとっても、中国の動きは他人事ではありません。

去年10月、沖縄県尖閣諸島沖の日本の領海内で撮影された映像。日本漁船の操業を中国当局の船が追いかけ、妨害する様子です。また、尖閣諸島周辺の「接続水域」を中国当局の船が航行した日は、去年、過去最多の333日に上っています。

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今回の日米首脳共同声明に、改めて、対日防衛義務を定めた安保条約第5条が、尖閣諸島に適用されると明記されました。尖閣領有に関して、今回の日米首脳共同声明に、改めて、対日防衛義務を定めた安保条約第5条が適用されると明記されました。

さらに中国の激しい動きは南シナ海でも…
今月4日から南シナ海に入って活動している、アメリカ海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」と中国の空母「遼寧」が、同じ海域で、同時に展開するという、異例の事態も。

フィリピン海で撮影された写真には、中国の空母「遼寧」を、米国の駆逐艦の艦長らが監視する様子が写されています。

こうした幅広い地域で展開する、中国の覇権主義的な動きに向けて、バイデン政権は、日米関係への新たな姿勢を示し始めています。
      
東シナ海、南シナ海で激しさを増す、中国の海洋進出の動き…。アメリカのバイデン大統領が訴えたのは、軍事力ではなく、法と秩序によるこの地域の安定と反映を目指すとする、「自由で開かれたインド・太平洋」構想。

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実はこの構想、元々は安倍政権時代に、日本が提案したものでした。さらに、日米にオーストラリアとインドを加えた4か国の枠組み「クアッド」への参加など、日本の取り組みを、アメリカ側は評価しています。

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拡大の勢いを強める中国、それを阻もうとするアメリカ…。そんな中、中国との経済的関係が深い日本が、果たすべき役割とは、何なのでしょう?

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菅首相「厳しさを増す地域の安全保障環境を踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力を強化していく必要がある」

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