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こんにちは。
吉村恵里子です。

先週からラジオニュースやCSテレビなど、少しずつアナウンサーとして仕事をさせていただき、新しい課題と向き合う日々を送っています。

さて先日、神奈川県の小田原に行ってきました。

私たちは発声練習をする際に、歌舞伎十八番の中の一つ「外郎売(ういろううり)」も教材として使います。外郎売というのは、1718年二代目市川團十郎によって初演されたものです。

今回その話の中に出てくる、小田原の老舗「ういろう」に行ってきました。

外観は外郎売の一節通り、破風(屋根の端の部分)には菊が描かれていました。建物に重厚感があり、小田原の城下町の雰囲気を感じることが出来ました。お店には薬のういろうとお菓子のういろうが売られていました。600年以上前から医薬品を扱っていた外郎家では薬の原料と共に黒糖も仕入れており、外国の方へのおもてなしとして黒糖を使ったお菓子が作られていたそうです。

お店の奥には立派な蔵があり、中は博物館になっています。昔の看板や、薬を作る際に使われていた道具(計量さじ)などが展示されています。

二十五代 外郎藤右衛門さんにお話を伺いました。500年前に京都から小田原へ移った時に外郎家が求められたことは"財力や権力"でなく、"健康に、病にかからず生きること"だったといい、薬を売る外郎売りは町の人に信頼され重宝されていたそうです。

お話の中で外郎さんが「100年先の視野を持つ」という考えを昔の人から学び、それを経営に活かすようにしているとお話しされていました。

外郎さんは「職人は、目先の利益などを気にするのではなく、すぐに結果が出なくても、時間をかけこだわり続け、技術を磨き続けてきた。だからこそ、誰にも真似できない技術力を身に着けている。それは100年経っても、驚かされる技術力であり、経営をやっていく上でも、利益ばかりでなく100年先の視野を持ち、こだわり続けることでお客様との信用につなげていきたい。」とお話しされていました。

今回外郎さんにお話を伺い、ものづくりの心得に感銘を受けました。利益の追求より、人と直接会い、丁寧に商品を作るなど技術の追求をされている姿は、アナウンサーの仕事をする上でも技術を高めるために時間をかけて努力することが大切だと勉強させていただきました。

外郎さん、多くの学びをありがとうございました。
(撮影時のみマスクを外しています)