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2018年7月の音楽(とか)のこと

こんなんでもアウトプット増やしてーとなったので、1ヶ月ごとにしてみた。7月はあらゆる事柄がごくごく順調で、ストレスフリーな非常に楽しい1ヶ月だった。まあフジロックがある月が悪い月になるはずはないのだけど。(ちなみに直近最大のストレスはこのエントリ完成間近に何故か全テキストぶっ飛んでゼロから脳内バックアップをしている今だ。noteやめたろーかなホントに。) そんな、基本は遊んだり、フェスに行ったり、忙しく楽しい1ヶ月だったので、家で趣味方面消化する時間が多かったとはとても言えず、ほとんど音楽についてのことだけです、今月は。あー映画も観たいし、Netflixでドラマも観たいし、本も読みてー、ランニングもしてー、時間が足りない。

アルバム

Kamasi Washington「Heaven and Earth」

Dirty Projectors「Lamp Lit Prose」

Tancred「Nightstand」

Tanukichan「Sundays」

Laurel Halo「Raw Silk Uncut Wood」

Vicktor Taiwò「Joy Comes in Spirit」

相変わらず海外のモノでいったん区切る。Kamasi Washington、長い。ただよし最後まで聴くぞと心して再生ボタンを押す、それこそがロマンってやつなんじゃねーの。「Heaven and Earth」というタイトルさながら地球上で最も天国に近いところで鳴っている音楽な気がする(適当)。これを書いている時期が時期(8/2)なので、今Dirty Projectorsのことを考えるとどうしたってフジロックでの素晴らしいステージに思いを馳せてしまう。前作の音楽性を土台に鮮やかなジャンプを決めた見事な復活作だと思います。フジロックでのステージに話を戻すと、後半にさしかかる頃前作から披露された「Cool Your Heart」→「Keep Your Name」に対して、「待ってました!」とばかりにしっかり歓声が上がったのが感動的だった。このアルバムは前作と対になる、併せて聴くべき作品だと思います。Tancred、Tanukichanはどちらもオルタナガールとして同じフォルダに入れておきたい。どっちもいいギターが鳴っていて、グッドソングが沢山だ。Snail Mailより僕はこっちだ。あとはLaurel Haloの極限まで音数を絞った究極のミニマルミュージックに衝撃を受けるなどした。その音1つ1つに耳を澄ますと、ジャズだったりテクノだったり浮かび上がってくるような不思議な感覚。そしてVicktor Taiwòのデビュー作?も大変気に入っていて、年間ベストにも残ってきそう。エクスペリメンタルなビートにゴスペル的な歌唱の乗るserpentwithfeetなんかと並べたい作品だ。こっちの方がエレクトロニック寄りのトラックで、serpentwithfeetの方がピアノ基調か。どちらも最後は音数をグッと絞って歌のフィジカル勝負で締めるのがいい。


蓮沼執太フィル「アントロポセン」

Negicco「MY COLOR」

CRCK/LCKS「Double Rift」

indigo la End「PULSATE」

D.A.N「Sonatine」

yule「singalong」

今月のトピックと言えば邦楽新作の大充実でしょう!!それを象徴するようなあのアーティストについては今回は言及しないけれども、そこからこぼれ落ちるようなものをこのnoteでは掬い上げていこうという気概だ。まずは大優勝の蓮沼執太フィル。その完成度の割に知名度が低すぎる気がしてならない1st「時が奏でる」から5年越しの2ndである。まずは上のビデオ「Meeting Place」のリンクを是非とも踏んで欲しい。その張りがあってスコンッと抜けのいいスネアの音を聴くだけでも価値があるのではないか。「the unseen」、「TIME」、「NEW」といった既発曲に施された気合いの入ったフィルアレンジも素晴らしくて、この名義での作品が彼の創作活動の1つの集大成として機能しているんだろうなーと思うなどする。ここまでの才能がポップミュージックのフィールドに降りてきてくれたことに感謝だ。アルバム全体としては前作の方が好き(待望のクラムボンミトさん曲もそんなに)で、あんまり回数聴いていないNegiccoだけど、シャムキャッツ夏目さんによる「She's Gone」だけはひたすらに完璧だ。Negiccoはもちろんシャムキャッツ(夏目さんのペン)の楽曲の中でもトップを争うほど。冒頭「おかげ   さまで元気にやれて~」の譜割に代表される夏目節全開のメロディーをNegiccoの3人が丁寧に丁寧に歌う。歌詞もいい!!CRCK/LCKSはここにきてガラッとポップに振れてきて驚いた。ただ小田朋美さんがここまで歌えるならこれで正解だと思う。そして今回惹き付けられたのはふっと視界が変わるような歌詞。特に2曲目「O.K.」の最後締め「いいお皿買えた」。引きの「商店街」の絵から超高速で「お皿」にフォーカスが絞られるこのカタルシスといったら!!このワードを持ってこれる小田さん、やはり天才。(※8/2 追記 「O.K.」の作詞は小田さんではなく、俳人の佐藤文香さんだとご指摘いただきました。どうりでなんかすごい歌詞急に出てきた!!と思ったわけです。いい加減なこと書いてしまい申し訳ございませんでした。※)

indigo la Endは正直聴けたもんじゃない前作からかなり録音環境が改善されて、安心して歌やリズムセクションに耳を澄ますことのできる好盤だった。(前作をべた褒めしていた某有名音楽ブロガー・ライターの方はそれきっかけであーもうこの人のことは信用できないなーというのを確信した。家庭事情など大変そうなのはとてもよく伝わってくるけど、なら仕事断ればいいのにと思うくらい最近のはインプット乏しいのが顕著で惰性の塊のようなテキストしか出てこなくなってしまっていて残念です、という愚痴。)

D.A.N.は1stより好きだなーとチェックしたはいいもののまだあまり聞き込めていない。去年の年間ベストでアルバム「Symbol」を3位に入れたyule待望の新作EPもフジロック期間中にリリースされていた。彼らは3拍子のワルツ風味のリズムや、轟音シューゲイザーなんかも持ち味なのだけど、今作はPassion Pitを彷彿とさせるエレポップサイドに大きく振ってきた印象。それにしても今回も録音がずば抜けていい。キラキラしたシンセや鉄琴?はくっきりクリアに、キックは太く身体に響かすといった風にここまで巧みに高低音を配置、両立させた作品他にそうそう無いんではないか。このバンドでしか聴けない音が聴けるというのは大きな強みだと思う。


Chance the rapperの新曲4曲

Big Red Machineの新曲4曲

ミツメ「セダン」

ROTH BART BARON「HEX」

曲単位では、チャンス君と、ジャスティン・バーノン(Bon Iver)×アーロン・デスナー(The National)という夢コラボによるBig Red Machineが4曲ずつ細切れの新曲をドロップしていたので、それぞれきたるサマーソニックでのステージ、はたまたアルバムに思いを馳せて聴いていた。ミツメは安定。早く「エスパー」の入ったアルバムを聴かせておくれ。そして、遂にこの新曲のタイミングでROTH BART BARONにハマった。「HEX」ももちろん最高素晴らしい(これはさながらThe National「Sleep Well Beast」だ!!)が、旧譜ももれなくまんまといい。というかいいのもどうせ好きなのも分かっていた。これまでなんで聴いてなかったかは、僕自身全くわかりません。まあ音楽聴くのってそんなもんよ。Twitterのお友達から「遂にハマりましたね!!」といった旨の熱いナイスリプライが届き笑うなどする。


ライブ

7/4 チャットモンチー@日本武道館

7/14 つくばロックフェス

7/27-29 FUJI ROCK FESTIVAL'18

7月ライブ、すごい並びである。実はチャットモンチー武道館については以下のリンクで書いているので、ぜひチェックしてもらいたい。合評みたいに複数人投稿してますが、僕のは読めばすぐ分かると思います。他の人のも思いがこもっていてそのバランスの良さが僕自身結構気に入っている。

けっこうな近場でやっているイカしたフェス「つくばロックフェス」が今年も夏フェス初め。好ラインナップ、好ロケーション、まずまずの都心からのアクセスと隠れ名フェスだと思うので、これを読んでいる人も来年はちょっと気にしてみて欲しい。たぶん僕は来年も行きます。

実はお初のbonobosと平賀さち枝さんがそれはもうめっためたによかった。トリのHomecomingsのアンコールは、平賀さち枝とホームカミングスで「白い光の朝に」!!平賀さち枝デーでした。惚れた。

フジロックに関してはここで書いてもかなり中途半端なのであまり書きません。もしかしたら別で書くかも。あんまり筆は進まなそうなんですが。ラインナップは去年の方がよかったのに今年の方が圧倒的に楽しかったということだけはいっておきたい。色々な人のおかげです、感謝。苗場にストレスというストレス全て置いてきたので、今はルンルンで生活しています。幸福の許容メーターが何度も振り切れるような天国のような激やばイベント、それがフジロック。


その他雑記

上でも書きましたがROTH BART BARONにまんまとハマりました。フジロックに向かう道中でも出演アーティストを差し置いて聴いていたくらいといえば、その本気度が分かるだろうか。9/16の全曲新曲ワンマンのチケットも思わず買ってしまうなどする。音源を聴いただけで、ライブが激ヤバいのはすぐに想像がつくので、超楽しみだ。

そして、他の旧譜といえば去年リリースされた大阪は堺のロックバンドWeather Spoonのアルバム「Parallel Lights」が信じられないくらい素晴らしい。

2010年代の邦楽アルバムで5指は確実だろう。それくらいのものです、これは。Elliott Smith、Bon Iver、それこそROTH BART BARONだったりインディーフォークの影響、流れはもちろんのこと、Whitneyなんかと同じマインドを感じるし、雄大で肩の力の抜けた、かつ繊細な楽曲群はくるり「その線は水平線」やGRAPEVINE「真昼の子供たち」とかもう本当にそういう境地だ。ソングライティング、演奏、録音とここまでひたすらに丁寧に丁寧に編み上げられたことの伝わってくる録音作品がポップミュージックのフィールドで他にどれだけあるだろうか。これほどの傑作を作り上げたメンバー、スタッフに敬意を表すると同時に、日本のインディーミュージックの誇りとして微力ながら語り継いでいけたらと思う。


映画をあまり見れていない。月初めに「ブリグズビー・ベア」は見れてよかったなーというくらいで、「カメラを止めるな!」や「レディバード」あたりは8月中に何とか見てこようといった感じです。

今クールは、のん(ex.能年玲奈 このex.の使い方絶対あってない)のスーパーボイスに身悶えるあの最強アニメーション映画が印象深い「この世界の片隅に」が連ドラで実写化ということで毎週見ている。くどくて小っ恥ずかしい演出がちょこちょこあれど、配役も上々で、安心して見れる落ち着く脚本ではあるので、最後まで見てしまうと思う。


脳内バックアップを必死に掘り起こしたけど、消える前の方が面白かった気するのでけっこう悔しいです。まあもうこれ以上考える、思い出す気力ないので妥協しますが。こうやって振り返ると7月は日本の音楽に心つかまれることが多かったんだなーというのをホントに実感する。とはいえ8月入って、フジロスでVampire WeekendやAnderson .PaakやDirty Projectorsはどうしたって再生してしまうし、サマソニもあるし、次は改めて海外の音楽のターンな気もとてもしている。サマソニ筆頭に8月中に一旦遊びつくすぞ!と8月は破産覚悟でライブもたくさん見に行こうと企んでいるので引き続き楽しみです。いい夏にしましょうね。

どうぞお気軽にコメント等くださいね。