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曽祖父が描いた五段重で迎えた新年

塗師屋なので、もちろん輪島塗のお重を使って新年を迎えます。
実家には沢山のお重箱がありますが、今年はその中でも古典的な柄の古い時代のものを選びました。

今年のお重箱は、「五段重 扇面四君子蒔絵」の登場です。
最近は滅多に作ることのなくなった五段重ですが、通常のお重よりも1段1段のサイズが大きく、迫力とインパクトがあります。
蒔絵は扇面の中に四君子(蘭、竹、菊、梅)を施し、縁は金縁になっています。

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実は、母方の曽祖父は蒔絵師で、このお重箱の蒔絵は曽祖父の描いたものです。

曽祖父は僕が生まれた時にはこの世にいなかったので会ったことはありませんが、曽祖父の作ったものだと考えると、見方も少し変わり、蒔絵の細かい部分まで見てやろうという気になります。

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輪島塗のお重は、やっぱり食べるものを保存するのに最適です。

中の食べ物をパサパサにせず、抗菌性もあります。
今年も沢山の人が、入れ替わり立ち替わりで遊びに来てくれました。
5段あったお重も、人が帰るたびに詰め直して、4段になり、3段になり……最後は1段になり、新年の楽しい時間でした。

でも、毎年最後は絶対にかまぼこが余るんですよね。
かまぼこがないと彩がないし、食べてみると美味しいのですが。

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