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輪島の夏の終わり ー輪島大祭 その2ー

輪島大祭がこの時期なので、この祭りが終わると夏が終わった感じがします。
小学生の時は、もうすぐ夏休みが終わると思い、憂鬱になったなぁと思い出しました。
この祭りを境に、真夏の空気ではなく秋に向かう空気になり、街の高揚感も落ち着く気がします。

輪島大祭では、漆塗りのキリコと、40歳の男たちが担ぐ神輿が出ます。
神輿には神様が乗っていると考えられており、その神様を誘導するのが灯りの灯ったキリコです。

フィナーレでは、高さ10メートルほどの松明に火をつけて、その松明の上にある旗「御弊」奪い合います。
御弊は3本あり、松明を倒して、燃え盛る火の中に、取りに行きます。
竹が火に強いせいか、松明が燃え盛る中でもなぜか御幣は燃えません。
奪い取った御幣は、自分の組のキリコのてっぺんに飾ります。

御弊を取るとその年は幸せになると言われており、また輪島男の男気の象徴でもあります。

5年ほど前、「御弊を取ったら結婚してほしい」とプロポーズをして、もみくちゃになりながら血だらけで、取ってきたお兄さんがいたことを思い出しました。
あの時は見てるこっちが泣いてしまいました。
それほど、輪島大祭の御弊は、輪島民にとって意味のあるものなのです。

キリコの俊敏な動き、輪島独特の太鼓のメロディー、松明に身体を張って飛び込む迫力。
輪島大祭は一度見に来る価値、参加する価値があると思います。

輪島塗を作る職人的なところがありながら、漁師町の気性の激しさを持った輪島の街は、やっぱり魅力的だと思いました。
輪島大祭が紹介されているサイトを見つけたので、ぜひ見てみてください。

 → 能登のキリコ祭り

輪島の夜に輝く松明の炎とキリコの灯りは、輪島を故郷に持つ人にも、輪島民にも、輪島生まれであることを忘れさせないように、ずっと心の中に灯っているのだと思います。

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