人生で出会った人々へのオマージュとしての例え話。
彼等を人ではなくて別の生物や無機物で表したそんな物語。
僕は貴方や貴方方を尊敬しているし私の表現した架空の物語ではない真実の物語を笑みを込めて苦難を排し生きると信じて、誰という事ではなく私はその物語を告げる事にします。

星の話。

星ははじめての事に戸惑い全てを消費していた。誰もいない場所で泣く事もはじめてだった。星は愛と希望が全てだった。ある時その全てがうやむやになりそうになった。
彼女は失った人に対して自分の悲しみや嫉妬が産まれる事を望まぬ、どんな人とも親友になろうとした。
そんな中友を持ちながらも孤独に餓えた男に愛を説かれた。星は何を想ったのかは男は知らない。
男もまた愛を知らない男だからだ、不安定な毒を内側に持ち、本来の穏かな関係でさえ悪影響を齎しやすい男だからだ。
男もまた人を恐ろしく思う人だからだ。虐げられてきた歴史を持つが故に愛を知らず傷付ける事を恐れた。
でもそれが故に星の愛や希望の光に触れ惹かれた。
男はそれ故に結ばれる事を強要はしない。
むしろ友としても居たいと思う。
男は一人でいることをやめ夢を叶えるための場所へいき、また星と少し離れるだろう。
だが別れではなく前進すべき一歩でもある。
男と星の願うべき世界は一致している。
だがそれはベクトルが違うものであるし、一致するからといって男と星が愛をもって人生を歩めるかは別だ。
男は惹かれ続ける。
星は男に告げた貴方の手綱は私が握る。
男はため息をついたがまあそれもいいかと笑った。
男と星の生きる時間はあまりにも違いすぎるし、男は男で今の人生を消耗しすぎる生きかたをしている。
それはそれで不幸にしかなりえない明日が見えないものだ。それはそれで面白くもない話。
男は誰よりも星の幸せを願うけれども、個人の願いはただの強欲にしかなりえない事を知っている。
だからこそ寄り添う道があるのならば、男はその道を歩みたい。失う悲しさは形違えど痛みを知るものだから。
痛みを共有してしまえばそれは傷の舐めあい。
だが共感すれば共に生きる指針にはなる。
皆が違い幸福を求めるなかで、同じ事は何一つないのだよ。
男はその星に会う度にそう思う。
その中で星の願いを聞くたびに男は男の違う道で共に叶えたくなるのだ。
愛しさと友情の間で、初恋にも似た優しい心と支えたい男女を越えた友愛の狭間で。
男の世界と星の世界は決して違うけれど、目指すべき世界はきっと一致している。
一つずつ組み合わせてその世界を笑顔に満たせたなら、きっと星と男の世界もまた変わるだろう。
少なくとも男は星に対しての愛は変わらないし、裏切る事もないのだろうから。

発達障害当事者の詩人が色々と経験しながら生きていくかんじです。興味あれば支援してくださるとありがたいです