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九州大学大学院数理学府の社会人枠を受けて

九州大学の数理学府数理学コースを受験したので、記念にNoteなるものを書いてみようと思います。


背景

 タイトルにもあるように、九州大学大学院の数理学府(数理学コース)を受験しました。特に、私の場合は社会人枠だったので情報がほとんどありませんでした。Noteに残しておくと役立つ人がいるかも(そうであって欲しい)という気持ちで書くことにしました。

プロフィール

出身大学   :立命館大学理工学部数理科学科
所属     :とあるベンチャー企業の会社員
バグのある年数:
・大学受験時 1年浪人
・大学在学時 0留
・社会人   社会人2年目で受験

社会人で院試を受けることを考えたきっかけ

 元々数学のとある分野に興味があり、学部時代にゼミに参加する中で院進したいと思うようになっていました。学部時代にも外部の院試験を受けましたが、実力が足りず全滅でした。二次試験を受けることも考えましたが、希望分野以外で院進するとその先がしんどいと思い、就職をすることにしました。

 会社員になると、新社会人ということもあって覚えることが多い・非常に忙しいなどもあって、数学とは無縁の生活を過ごしていました。いろいろなことが重なり、メンタル的にも非常にやられていたと思います。

 そんな中、院進している友人が多かったこともあり、数学やアカデミアの話題に触れる機会に恵まれ、少しずつ数学のモチベーションが回復していました。次第に院に行きたいという気持ちが再燃し、2月頃に受け直すことを決意して、院試験の勉強をはじめました。

社会人枠:出願

定員や事前提出物は募集要項を読めば分かるため割愛します。
内容は変更される可能性もあるため、必ず募集要項を確認しましょう。
ちなみに、実際の試験時に受けにきていたのは、私自身を含めて2名でした。

また、社会人(特に会社員)の方は、出願がかなり大変だと思います。

一例として、

・銀行の窓口が平日しかない場合
休憩時間を活用して払込や出願書類の郵送手続きをおこなう。

・レポートの添削を友人に依頼する
会社以外の時間で作成しておいて、昼間に添削しておいてもらう
or
休日にしっかり時間をとってもらって、コメントをもらう

・試験日の有給申請や、不在時の業務引き継ぎ
有給の理由は、ご時世的に聞かれることも少ないと思いますが、「どこか旅行?」くらいのテンションで聞かれることはあります。今後の仕事に影響が出ないようにうまくやっておきましょう。

などがあると思います。後回しにすると痛い目に遭うので、合間を縫って進めましょう。

試験前日・当日

 試験前日も仕事だったので、仕事が終わってから博多に移動し前泊していました。起床に成功すれば博多からでも間に合うと思いますが、不安な人はもう少し近場の宿を探しておくとよいと思います。
前日は博多駅で屋台が出ていましたが、試験前日なので飲むのはやめました。軽く飲む分にはいいかもしれません。

当日はこういう感じでした。

午前6時起床   移動
午前8時     九大着 コンビニで軽食を買う
午前9時-11時30分  筆記試験
午後1時      口頭試問

筆記試験

社会人枠については、募集要項に出題範囲の記載はありましたが、過去問はありません。そのため、一般枠と試験問題が異なると思っていました。
 実際に出題された問題を後から確認したところ、一般枠と試験問題は同一でした。

全部で4題あり、全て微分積分・線形代数からの出題です。
出題範囲の問題を網羅的にやりこんでおく必要があります。

口頭試問

社会人枠は、筆記試験の後すぐに口頭試問がありました。
私は二番目だったのですが、前の方が入られてからおそらく40分後ぐらいに呼び出されました。
筆記試験の出来があまりにも悪すぎたので、待機中に泣きそうになっていました。筆記試験が終わってから、口頭試問まで2時間くらいしかなかったので、方針を考えたり解き直しをするなどしていました。

以下、口頭試問のざっくりとした内容と、私の回答です。

試験官は4名(3名だったかもしれない、記憶が曖昧です)
入室後、受験番号と名前を聞かれました。

次に、試験に関係のない部分についての質問パートでした。
・併願はしているか
・志望順位はどうか
私は、これくらいの質問だったと思います。
そして、「では口頭試問に移ります」と言われて試験が始まりました。

・試験の出来はどうだったか
解けていた部分について、「大門○が解けていなかったです」という言い方をしてしまい、「(1)も解けなかったということですか?」という質問をされました。解けところは解けた、解けなかったところは正直に解けなかったでよいと思います。

・固有空間の定義
固有値の定義から書いてしまい、「固有空間の定義を書いてください」というコメントがありました。ここから書いてよいかなどの確認を求めか、聞かれていることに対してそのまま書くかことを意識したほうがよいと思いました。

・簡単な広義積分の計算
広義積分は、書き方に注意をしないと式として意味を持たない場合があります。定義されていない点については、極限の意味で書いているということを明示しないと突っ込まれます。(実際かなり突っ込まれました。)

・レポートに書いた専門に関する説明
私は複素解析のことを書いたので、専門の定理とその証明に使ったコーシーの積分公式の主張について聞かれました。

・定理の主張を間違えて書いてしまった
・積分経路をΔ(a;r)と書いて∂Δ(a;r)と書き直した
・符号を間違えていたようで、最後までそのことに気づけてかった

試験後完全に意気消沈していましたが、翌日から阪大の試験であったため気持ちを切り替えるのに必死でした。後がある人は引きづらないことが大事だと思いました。

最後に、励ましていただいた先輩・友人方に改めて感謝をいたします。

何か質問があれば、Twitterのメッセージをいただければ答えられる範囲で回答します。

追記:合格していました。なんで受かったんだろう


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