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フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと クリア後直前レビュー

「フィンチ家の奇妙な屋敷で起きたこと」はGiant Sparrowによって
制作されたアドベンチャーゲームである。
インディータイトルでありながら、とても人気のある作品で、
IGNJAPANさんでは9/10という高評価も得ている。
また、この作品は考察が盛んに行われており、
数多くの考察動画やサイトも存在している。
そんなインディとは思えないほどの盛り上がりを見せている本作の、
PS4版をプレイした私がレビューしていこうと思う。
しっかりとストーリーを理解できていないクリア直後の段階で執筆しているため、考察などを見たい!という方はブラウザバックを推奨しよう。

プレイヤーは一族の血を引くエディスとして、フィンチ家の風変わりな屋敷を舞台に家族の軌跡をたどりながら、なぜ彼女が最後一人の生存者なのか謎を解こうとする。遠い昔から現在に至る追憶…それぞれのストーリーを見つけるたび、その家族の命が尽きた日の人生を体験していく。          公式サイトより引用

まずは良いと思った点から紹介していこう。

ゲーム性

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一人称視点の主人公を操作し、フィンチ家の謎を解いていく本作は、
過去の人間が残していった日記などを確認することで、
日記を書いた本人の死ぬ寸前、または疾走してしまう寸前を
追体験することができる。

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その体験の中で得た情報、
(例えば"このオルゴールに鍵を隠した""ここに秘密の通路がある")
などを頼りに、フィンチ家を探索していくため、迷うことなく探索を楽しめる。
また、行き先への誘導も素晴らしい。

文字による誘導

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このゲームでは、至る所に文章が浮かび上がってくる。
その内容は基本的には主人公の言葉なのだが、一定時間が経つと、
浮かび上がっていた文章が次の目的地へと飛んでいくのだ。
そのため、ユーザーは次のどこへ向かえばいいのか迷うことがないため、
集中力を切らすことなくゲームプレイに集中できる。
自然に目的地に誘導させるこの方法は今までになく、非常によく出来ていた。

不思議な世界

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このゲームは、過去の回想シーンになると、非現実的な描写が多い。
特に目立っていたのは、少女の回想だろう。
少女が窓から部屋を脱走すると、猫に変身してしまうのだ。
しばらくすると鳥になったり、タコのようなものにもなったりする。
これは現実では絶対にあり得ないし、少女の夢か何かだったのだろうか、
私には分からなかった。
たびたび入る不思議なシーンは、このゲームのタイトルにもある
「奇妙さ」をうまく表現できていて、非常に魅力的な点の一つになっている。

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このゲームでは特にBGMなどが流れておらず、自分の足音、物が動く音、
外の音などしか聞こえない。
そのおかげでこのゲームの世界の"空気感"をユーザーは鮮明に
捉えることができる。自分以外誰もいない家の"寂しさ"を音で表現するのは本当に素晴らしく、このゲームに引き込まれてしまう大きな理由になっている。

見入ってしまう三時間

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このゲームは3時間あればおそらく誰でもクリアできてしまうだろう。
しかしこのゲーム体験はたった3時間とは思えないほどによくできている。
個人的には映画などよりも引き込まれるのは間違いない、
没入感が他のゲームと比にならないのだ。
理由は上にも書いた通り、空気感を緻密に再現した音や、
文字による誘導によるものだろう。
そしてもうひとつ、本作の没入度を大きく上げている要素がある。

操作

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このゲームでは操作の説明などが一切出てこない、
全てユーザーの直感に任せている。
このゲームの操作は本当に直感でできてしまうのだ。
ドアノブを下に下げるときはスティックを下に下げるし、
オルゴールを回すときにはスティックを回す。
この非常に直感的な操作こそが、このゲームの没入度を上げている一番の要素と
言っていいだろう。

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特にブランコをこぐシーンは凄かった、これは遊ばなきゃ分からない。
私がブランコ好きな少年だった、というのもあるかも知れないが、
左右のスティックを両足に見立て、一人称視点で漕ぐブランコは、
実際のブランコとの違いが分からないくらいに入り込んだ。
すごく嘘くさい、書いていても思う、だが本当なんだ。
実際ブランコのシーンが終わったとき、少し目眩がした。
まるでVRゲームを遊んだ後のような疲労感があったのを覚えている。
操作がこれほどまでに体験に影響してくるとは思っていなかったので、
本当に驚いた。是非皆さんにも体験してほしい。

ロマン

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子供の頃、秘密基地に憧れた少年は多いだろう。私もそうだ。
このゲームに出てくる屋敷には至る所に"秘密の通路"や
"秘密の入り口"が隠されている。
例えば、ワインを入れていた棚の奥が小さな通路になっていたり、
冷蔵庫を開けたら、地下へと続く道が続いていたり...
少年心をくすぐる演出に、子供の頃を思い出し、ついワクワクしてしまうだろう。

単純な作業をしているときに頭で妄想しているときのアレ

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読者の皆さんも、退屈な作業をしているときに、作業はなんとなくしながら、
頭の中で妄想をした経験があるだろう。
このゲームはその状態を上手に再現している。
物語中盤、魚の首を切り落とす超簡単な作業をするシーンがある。
右スティックでは手を操作し、左スティックでは
画像左上のゲームのような妄想を操作する。
これは、プレイヤーに作業をさせながら別のことに集中させることで、
実際にその状況を作り出し、ユーザーに体験させているのだ。
つくづくこのゲームの没入間への作り込みには脱帽させられる。

ここからは少し良くないと思った部分について
話していこうと思う。

翻訳

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このゲームでは至るところに文章が用意されている、
主人公のセリフだったり、過去の回想の説明だったり。
その中で私が気になったのは文の翻訳だ。
海外のゲームということもあり、そこまで批判したくはないのだが、
文法が変だったり、漢字がおかしい、と感じることが多かったように思う。
これのせいで、ゲームを遊んでいる最中に違和感を覚えてしまい、
集中力の切れる緒になってしまう。
できればもう少し丁寧な翻訳をお願いしたいと思った。

退屈

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このゲームはなるべく操作するシーンを増やし、ユーザーを退屈させないよう努力しているのはすごく伝わるのだが、やはり退屈さを感じてしまうシーンはあった。
それは、部屋に置いてあったアメコミを読む際だ。
アメコミ内のコマの中を操作できるシーンもあり、すごく面白かったのだが、何も操作できないシーンが他のシーンよりも退屈だった。
これは私だけかも知れないが...
このシーンはもう少しテンポを早めた方が良いと感じた。

ゲーム酔い

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これも私だけかも知れないが、このゲームは一人称視点かつ視野角が少し狭い。
そのためか、普段視野角広め設定でゲームをする私には合わず、
目の疲れとともに少々酔ってしまった。
3D酔いなど数年ぶりだった。視野の設定ができればいいなと思う反面、
この視野角だからこそ、この没入感を得られているようにも思う。
これはもうどうすればいいのか分からない...
私のように少し違和感を感じた人は適度に休憩を挟むのをお勧めする。

総評

翻訳の出来が少し悪いものの、ストーリーは理解できるし、
魅力は十分に伝わってくる。
音や操作、細かい工夫によって没入感が極限に上がっていて、クリアまで一気に遊ぶことの出来るとても良いゲームだった。
これから考察サイトなども見てみよう。
インディでこのクオリティのゲームを出してくるとは...
素晴らしい。

以上でレビューを終了させていただきます。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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