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タクシーの強み、それは「自分の話したい話を聞いてもらえる」自分だけの居場所。

さっそく昨日の話の続きといきたいと思います。

昨日の話は、ニュースをみたことで「でもタクシーには強みがあるよ」と伝えたいお話の原因の部分でした。

タクシーでトラブルが起きる原因と実際の話
世間的傲慢、傲慢の背景に見える弱さ

結論は「フォースプレイス」です。
あなただけの居場所です。


傲慢なお客様に見えた弱さ

上記であげた、僕が体験した酔っ払い客のお話の中に、記事にしたものがあります。

短くするとこんな感じです。

酔っ払いが何故か1人なのに助手席に乗ってきて、走っている最中に扉開けようとするわ、メーター止めろと言い出すわ、言い掛かり付けて払わないとか言い出すわ、自分で助手席乗ってきたのに手動の助手席のことを「なんで開けねぇんだ、降ろさねぇつもりか?」と言い出すわで面倒くさかった。
結局変なところで払って降りていった。

このお客様をお乗せした時、当然その瞬間はメンドクサさしかありませんでした。
でも、降ろした後になんとなく思ったのは
何かに関する不満があるのかな?
というところです。

料金が上がることを止めたがる具体的な金銭的不安と
閉じ込めた訳ではないのに何かに怯えている不自由さに怯える不安を感じました。

酔っぱらっていて話はコロコロ変わっていましたが、でも、
話聞いて憂さ晴らしにでもなれたら良かったのかな?
なんて思いもにもなりましたし、
明らかに彼には何かが渦巻いているというか溜まっているように感じていて、
発散させるというか、気が楽になる場所であれば良かったのかなという思いでした。

話を聞いてくれる場所はどこか?

あなたには話を聞いてくれる存在、また場所はありますか?
友達、家族、恋人、会社の同僚、上司、近所のおじちゃん、行きつけのお店の大将、それぞれ数人は話を聞いてくれる人はいると思います。

前にファミレスにいたら、隣の同世代くらいの男性が何かの作業をしながら1時間近く与太話をしていたことには驚きましたが、
くだらない話や愚痴を相手に聞いてもらうということがいかに安心させるモノなのかを感じました。

僕は話をしないタイプです。
でも一切しない訳ではなく、あれやりたいこれやりたいが色々あって、そこにはこれがこうで、あれがこうでと言った話が延々と続けるので、
一晩中話を聞いてもらっても終わらないことがあります。
たまに、その話している最中になんか思いついて話が変わったりもします。
もしくは、興味のある知識や経験を持つ人といる場合は根掘り葉掘りずっと話を聞いてる場合もあります。
どちらにしろ、最終的にその人をメンドクサそうにするのであまり喋りません。
イメージ的に言うと、パソコンとかスマホのGoogleクロームのタブを一気に20個くらい開けている感覚です。
(上にあるページの付箋みたいなやつ)
実際、タブを20個つけたGoogleクロームを二つとか開けて調べものしてるときがあったりします。

最近はこうやって書いているので多少は発散されています。
それでも由来の物語や東京の生態系研究、実はYouTubeも始めていて、それらの話や興味のあること、やりたいことなどをああだこうだ書いているのがFacebookの非公開ページ(無料)です。
毎日書いています。
一応リンク張っておきます。

はい、お知らせ的余談のような話は置いといて、

最近は本当の意味で話を聞いてくれる場所は少ないと言われています。

よく行われる会話のほとんどが、
相手との共通点をみつけてそこでお互いが盛り上がったり、
相槌を打って相手に嫌な思いをさせないようにしたり、
自分が本当に話したい話を聞いてくれるではありません。

独身研究家・荒川和久氏と脳科学者・中野信子氏の話のなかでも「話を聞いてもらうサービスが流行る?」という話がなされていました。

パパ活、ギャラ飲み、キャバクラなと、
実際に「話を聞くサービス」ではなくても人にお金を払って話を聞いてもらうことが出来るようなサービスは存在しています。
また、それは必ずしも女性相手に男性が話すだけではなく、「俺の若いころはな」といったおじさんが若手にしてしまう話もその一つであると言います。

現代ではほとんどそんな飲み会は存在しないと思いますが、
(若者が飲みにいかないから)
そのせいもあって説教まがいの自分の話をしたい人は多いと思います。

「お金を払ってでも話を聞くいてもらう」
ということがこれから必要とされるかもしれないという話でした。

でも、わざわざお金を払うサービスを作らなくても
タクシーがそんな役割をちょっとだけ担っています。

僕が乗務していても
会社の後輩への愚痴を話す酔ったおじさんはいますし、
人生相談やアドバイスしたがるおじさんもいますし、
よく分からない話を何度もループするおじさんもいます。

現在のタクシーはそのような“話を聞くサービス”ではありませんが、
近い側面のあるタクシーで“話を聞く”役割を担うことができ、
さらには現在よりも多くの収入を得ることに繋がれば、タクシー運転手のお仕事は魅力的になると思います。
(確かどっかに相談タクシーなるものは存在します)

タクシーが不満を消す場所になり得る

タクシー運転手ごときが偉そうなことを言いますが、
タクシーは唯一何を言っても周りに聞かれない場所です。

会社の同僚に言いにくい愚痴も
周りに相談しにくい家族の悩みも

どこにも打ち明けられない中で、
“誰にも言えないことを言える”
“一生会わないからこそ打ち明けられる相手になれる”

繋がっていないが、繋がっているようなその時だけの安心は
タクシーがもたらしてくれると思います。

スマホを持っていていつでも電話がくるという意味ではカフェとなんら変わりないですが
「人に自分の話したい話を聞いてもらう」という部分では他の居場所にはありません。

それを僕はサードプレイスに次ぐ「フォースプレイス」として謳っています。

僕が考えるフォースプレイスは
「誰にも言えないことが言える」
「漏れないから安心できる」
「相槌や共通の話題は必要なく話したいことを話せる」
です。

話したければ話す、話したくなければ話さない。
それ以外に必要なものはなく、誰にでも居場所となる可能性があると思っています。

残念ながら「タクシーは不満を生む場所」というイメージも存在しています。
そのイメージから、タクシーでの出来事をネガティブに捉え、トラブルになることもあるかもしれません。
今回のトラブルもそんなところから発展したかもしれませんし、この出来事でそのイメージを更に強固なものした方もいるかもしれません。

そこにはお客様の傲慢さも存在しますが、傲慢さの裏に隠れたお客様の弱さというモノがあり、もしそれを解消できる場所としてタクシーがあるなら
きっとトラブルは減り、
「タクシーに乗れば良い気持ちになって一日を終えることが出来る」
なんて現実もあると思います。

決して難しい話ではないと思います。

度々起きるタクシーの暴行問題には、
その暴行を起こした人や何か話したいことがある人にとって自分だけの居場所になれるという強みが隠れているというお話でした。

ありがとうございました。



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