武器としての決断思考 3時間目 


本書第3章(3時間目)では、ディベートを進めるために、論題に対するメリットとデメリットを列挙する方法を提案しています。
2時間目にはディベートの論題の決め方を解説していましたが、この章ではそのディベートの進め方を教授するわけです。

平たく言えば、論題に対するメリットが生み出すプラスがデメリットのマイナスを上回れば、その論題を受け入れることになります。逆も然り。
しかし日本人においては、デメリットばかりに目が向きがちで、メリットを軽視する傾向にあるそうです。(本当に日本人特有の傾向なのか?
例として、通学にバイクを利用する場合を挙げています。バイクを使った方がお金と時間がかなり節約できるが、親からは「事故に遭ったらどうするの!」と一喝されて免許取得とバイク購入を諦める。ありがちな例だとは思います。(認知バイアスと関わりがあるのかも?

メリットを定義する三大要素

  • 内因性(なんらかの問題があること)

  • 重要性(その問題が深刻であること)

  • 解決性(問題がその行動によって解決すること)

なんらかの論題(○○をすべきか、否か)に対してそのメリットを考えるときは、上記の三要素を満たすように考えなさいということです。

最近の自分の悩み事に当てはめてみると

論題「入社までに、業務上必要と思われる資格の取得に向けて勉強するか、否か」
メリット・・・知識を持った状態で仕事を始められるため、評価に繋がり成長を速められる。
内因性・・・現在は入社後に業務上必要と思われる知識を十分に有していな      い。入社後研修はあるものの割と早い段階で現場に駆り出されるため、仕事についていけない可能性あり。
重要性・・・能力不足によって周りの社員や客先に迷惑をかける。人事評価に響く。
解決性・・・今のうちから勉強しておくことで、業務に必要な知識を持った状態で仕事を始められる。

こんなもんでしょうか。これらの三要素一つ一つに対して反論する方法が4時間目で紹介されています。

デメリットを定義する三大要素

  • 発生過程(論題の行動を取ったときに、新たな問題が発生する過程)

  • 深刻性(その問題が深刻であること)

  • 固有性(現状ではそのような問題が発生していないこと)

先ほどの論題に対してデメリットを考えてみます。
デメリット・・・勉強することによって、他のことをする時間が奪われる。
発生過程1・・・資格取得に向けて勉強を始めると、今より自由な時間が減る。
発生過程2・・・現在読書や大学院の研究に充てている時間が減る。
深刻性・・・今までより読める本の数が減ったり、研究の進捗が生まれにくくなったりする。
固有性・・・勉強を始めなければ、読書や研究の時間が減ることはない。

こんな感じでしょうか。今回挙げたデメリットは「機会損失」なんて言ったりもしますね。ちなみにデメリットへの反論はめちゃめちゃ簡単で、「スマホやゲームをする時間を減らせばいい」となります。反論の仕方についてはまた別にまとめます。

まとめ

このように、ある一つのYes/Noの論題に対してメリットデメリットをいくつか列挙する(今回の例では一つ)ことで、その論題を採用するかどうかを決定するわけです(統計の検定に似てる?)。

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