令和2年・長岡市長選挙に見る市政の姿勢

9月議会を控えた8月に事件は起きた。

2018年に官製談合事件で逮捕者を出した長岡市の真相を追求する二人の市議の質問通告が、丸山広司議長により却下されたのだ。長岡市の答弁としては官製談合事件については既に解決済みで新たな調査は行わないと言う立場。しかし逮捕された市幹部の証言によれは75件以上の価格漏洩が行われたとの事であり、明らかになったのはたった3件についてだけである。全てが明らかになったとはとても言えない状況であり市議会で二人の市議が追及を続けるのも頷ける。

何故質問通告が却下されたのか?

議会側にも言い分はある。二人の市議の質疑には裁判の確定記録を元にしたものがあり、議会の質疑と言う公開の場で確定記録の情報を使用する事は法律に抵触する可能性があると言う弁護士の見解だ。しかしこれは見解が分かれており、市議二人は別の弁護士に確認した際には議会の質問で使用する事には何の問題も無いと言う見解も確認されていた様だ。

つまりは、議会多数派側は理由を作り上げて官製談合事件の質疑を潰す事が目的であった事が明白。ルールを無視して実力行使に出たと言うとんでもない事件だと言える。と、同時に長岡市議会多数派と市長・行政が癒着しており、横暴がまかり通る状態なのが長岡市政だと言う事だ。

現職市長の再選

今回の選挙ではほぼ全ての長岡市議会議員と共産党の支持を獲得している現職の磯田市長が再選を果たして2期目の市政運営を任される事となった。1期目の磯田市政では、特に目立った業績も無ければ市の貯金である財政調整基金を半分に減らしてしまった事以外は特段失点も見られなかった。2期目の市政運営では長岡市が抱える人口減少や財政課題、また旧長岡市と支所地域の経済格差などの諸問題についてどの様に解決していくのかが注目される。

争いを嫌う市民文化

今回の長岡市長選挙では、落選した藤井候補は前回よりも得票数を減らすと言う事態だった。これはSNSやネットを活用すれば勝機があると言っていた藤井候補の見通しが間違っていた事を意味する。また、藤井候補が設定した争点である官製談合事件や財政問題などの聞きなれないワードに良い印象を抱かなかった市民が多数だったと言える。長岡市では身近な市政問題を話題に出すと怪訝な顔をされる事が多い。政治は世襲や、偉い方々が行うものであって庶民は口を出す物じゃないという社会主義思想が根強い地域だ。

民主主義の必要性

長岡市政は議会と行政の蜜月が今後も続く事が決まり、長岡市の抱える諸問題は解決される事なく根雪の様に残っていく事になるだろう。行政をチェックするべき議会が行政と癒着していては市政運営が改善される見込みが無いからだ。今回の選挙で官製談合事件の質疑を議長が潰すと言う事件を起こした社会主義・有力者政治の続投が市民の民意となった。これは長岡市民に対して正しい情報が届いておらず市民が主役であると言う民主主義の考えが広がっていない事が確認された選挙だったと言える。

減税オジサン草の根頑張る

長岡市には市民に対して情報を届け、考えを伝える民主主義を実践する政治家が必要だ。民主主義を実践する政治家には選挙の時だけ市民に訴えるのではなく平時から草の根活動として自身の考え、政策を広げていく努力が求められると思う。長岡市政は議会・行政がタッグを組んで税を支出して社会を良くしていこうと言う社会主義体制が今後も続く。筆者は減税オジサンとして市民が考えて出来る範囲で行動し、より良い社会を目指す民主主義思想を広げていきたいと思う。

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