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開業届出書たった1枚のことですが・・  (税理士としてのアドバイスについて)

  個人事業を始める方から相談がありました。税務署に提出する「個人事業の開設・廃業等届出書」の書き方について、次のような質問がありました。
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【質問①】「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」という欄で、「青色申告承認承申請書」は「有」でよろしいのでしょうか?
【質問②】またすぐ下にある消費税に関する「課税事業者選選択届出書」は「有・無」のどちらにすればいいのでしょうか?
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開業届出書IMG_0605

回答はそれぞれ「」または「」いずれかになります。回答方法はとても簡単ですね。
では、なぜ税務署が提出する際に選択を求めるのでしょうか?

それは、様々な事業形態に対応するため、税務上の取り扱いに一定の幅を許しているからです。その幅つまり複数の選択肢が許されていても、その時々で自由に選択できるものはごくわずかであり、いったん選択すればある程度の期間維持しなければなりません

質問①は、その選択肢として、青色申告を選びますか?選ばないですか?という趣旨の質問です。一般的に言えば青色申告を選べば、有利になります。青色申告を選択した人にのみ適用される特例があるからです。条件により10万円、55万円、65万円の控除が認められたり、事業が赤字になったときに次年度以降の黒字と相殺すること認められたり、家族に払った給料を経費に認められたりします。しかし、取引記録を厳格なルールによって記録することや申告納税を遅らせないことなどの義務も生じます。一定の規模に満たない場合など、青色申告を選ばないケースもあるわけです。

質問②は、消費税の課税事業者になりたいですか?当初2年は免税業者でいますか?という趣旨の質問です。一般的に言えば免税業者でいたほうが、消費税を納税しなくてよいので有利になります。しかし、初年度に大きな設備投資がある場合には、消費税の還付を申告したほうが有利になり、課税事業者を選択。これを選択ミスして数百万円損をするケースもあります。ただ、住宅とテナントの大家になるケースなどいろいろな条件により有利不利ともあり得ます。また、消費税の損得で免税業者を選べば、もうすぐ始まるインボイス制度の影響で、事業活動にかかわる受注拒否や大幅値引きを求められる懸念もあります。

単なる「有」「無」を選ぶといっても、税理士としては、相談者のケースを詳しく確認して、その人にとって有利になるようアドバイスする義務があります。質問①の場合、選択により数年で100万円以上の差になることもあります。質問②の場合では、選択により数百万円以上の差が出ることもあるわけです。あとで「専門家なのになぜ教えてくれなかったの、損害補償してね。」と、なることも。軽々しく、お答えできない事情を察していただければと。

私は、相談者とお答えする者、両方のためにしっかり状況を確認し、それに見合った相談料をいただいて、責任ある回答を提供します。

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