高級とはやさしさか

6回分で1100円のお試しセットがセールで800円になっていたので、合わせ買い対象の都合もあって買ってみた。
少し前にTwitterのPRで見かけて気になっていたのだ。癖毛が扱いやすくなるとか、寝癖がつきにくいとか、ハイダメージ毛にかなり良さそうな宣伝文句だった。
母親が天パだ。私も妹もストレートだけど癖がないわけではないらしく、学生時代から広がったりもしゃもしゃして汚らしく見えるのを気にしてきた。アホ毛がひどいというか、毛先がいろんなところから飛び出すというか。
ところで天パって今どきの言葉ではなんて言うんだっけ。

それでもいい歳になり恋愛を望まなくなって出歩くのも好きではなくなった。結果、そんな悩みは忘れていたのだけれど、とにかく開発の経緯が面白かったのだ。

若い頃は美容室のシャンプーを使ったこともあった。当時の私にとって痛い出費だったため、何を使っても大した変わらないことにがっかりして、10年以上お買い得セットの安いシャンプーばかり使っていた。
楽しみすぎて早く試すのに重い腰を上げた風呂嫌い。

まず、洗っている最中からしっとりしていた。泡の手触りが高級。やさしささえ感じた。
軋んだり絡まないので髪を洗うのが楽なのだ。そんなことがあるのか。

風呂嫌いにとって一番苦痛なのはドライヤーなのだけど、効果を最大限発揮してもらうために暑さと煩わしさに耐えた。
こういうことの積み重ねが人生に潤いを与えるのかもしれないな、と思うと衝動的にボトルで買ってみたくなった。いや、あの瞬間、間違いなく脳内では購入済みだ。

買ってもいいかな、と聞く相手がいないことに気づいたら長い間意味がないとしてきた選択肢が再び見えたような気がしたのだ。

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