7. will/can/must

will/can/must?

will/can/mustは、自己分析のフレームワークとして有名です。will(やりたいこと)、can(できること)、must(やらなければいけないこと)、この3つの視点で洗い出し、その重なるところが自分が目指すべきこと、というようなものを自己分析して洗い出すためのフレームワークです。

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will/can/mustの説明については、グーグル検索でも調べるといろいろ出てくるので、フレームワークの詳細はそちらに委ねるとして、我々で実施している「will/can/must研修〜自分の未来を探る〜」のお話をしたいと思います。

「will/can/must研修〜自分の未来を探る〜」研修の流れと概要について

我々は、このwill/can/mustの自己分析フレームワークを利用して、自分に向き合いつつ、グループワークを織り交ぜることで周りの人たちからの助言を経て、より多くの気付きを経て内省できるようにするような工夫をしています。
本研修については、下記の記事の著者である坪谷邦生さんの指導の元、実施をしております。研修の流れについては下記記事を参照いただくとご理解いただけます。ここでは、実施のキーポイントとなるところをベースにお話したいと思います。
⇒ キャリア研修 Will Can Must 【自分の人生を輝かせる目標設定 03】

我々の研修の目的

自分のやりたいことの想いや周りの期待値を理解して将来の自分の目指すべき方向性を洗い出すために、私共はこのwill/can/mustのフレームワークを利用し、グループでワークすることで気持ちをみんなと分かち合いつつ、周りから見える自分の姿も一緒に洗い出してみるという流れで、自分の目指すことを洗い出すことを目的としています。
will/can/must自体は自己分析のフレームワークと言われていますが、自分自身でwill/can/mustを洗い出し普段自分でふわっと考えているような自分のwill/can/mustを言語化しつつ、それだけではなく、グループワークをしながら周りの人達の思いを聞きながら、自己分析だけでは気づけなかったところや、周りのメンバーから見える自分の特徴などの気持ちを分かち合いながら進めます。周りの人からの気持ちを聞いたり、期待値を確認できることで、普段、自分がどういうふうに周りに見えてくるか?などを感じ取ることができます。
自分自身で整理しつつ、一緒にワークしているグループメンバーからの意見も取り入れることで、自分の想いと周りの期待値を理解し、自分が目指していくところを洗い出していくという流れになります。

研修の狙い

この研修では、最終的に、上の図のwill/can/mustの重なりの部分にあたる「自分の成し遂げるべき」項目が自ずとでてくるような状態になることを目指します。最後に自分で記載した「自分の成し遂げるもの」を宣言しますが、参加者1人1人がこれからどういうことを目指していくのかを言語化していくことが大切です。
本人にとって幸せな生き方は?ということを追求していく過程を手助けすることが目的ですので、その結論が業務と離れているところにある場合もありますが、それがその人の内面に潜むものであるという理解です。

前号で「誰バス」の話をしましたが、自分自身の目指すことが、今の位置づけとあっているのか?ということを理解するためにも、参加者が出す結論を尊重して受け入れることが大事だと考えます。
過去に、研修の実施を含め、最終的に自分の進むべき道は今の組織の延長線上にはないという結論を出された方もいますが、それはそれで正しい判断で、そういう結論に到達する手助けをすることも、この研修の大切なところだと考えています。

研修の前提のルール

研修を実施するにあたって大切なルールがあります。
「発言する人に耳を傾けて聞き、参加者みんなの気持ちを出しやすくする」
座学ではないですし、正解不正解があるものでもありません。誰の意見が正しいとかそういう場でもありません。どういう意見や答えが出たとしても、相手の発言を否定したりすることはしません。一人ひとりが自分の想いに向き合っていくワークですので、参加する人みんなで場作りしていくことが大事です。
相手を敬って発言をすることを心がけ、誹謗中傷などの発言は不要ですし、社内の役職や役割によるパワーバランスによる威圧感は不要です。


ファシリテーション時の注意

話しやすい場を作るのは大切なので、みんなが何でも言える状況を作るために雰囲気盛り上げていきましょう。特に、研修の場をセットした人やチームの中心人物の方が率先して自分の内面的なものを話をしたり、正直な部分を分かち合っていくことが、周りのメンバーの心をほぐします。主題に入る前に1人ずつ軽く心境などざっくばらんに話をするのがおすすめです。

もう一つ大切なことですが、話しやすい場を作るのは大事なので話す内容に制約はありませんが、おもしろネタ的な方向に行ってしまうと趣旨がズレていってしまうので、主題から外れないようにファシリテーションする方は注意します。
時間内で内容の濃い心のシェアができるように場を仕切ってください。

また、場作り、雰囲気作りが非常に大切なので、我々の場合には、研修の対象者に加え、以前にすでに実施をしたことがある先輩メンバーも織り交ぜながら一緒に雰囲気作りをすることに貢献してもらうようにしています。
経験者がいることで、流れを把握しているために進行がスムーズになることと、どこでどういう感じの会話やアドバイスをすればいいか?などが理解できているので、周りのメンバーを引っ張ってもらう役割も果たしてもらうことができるのです。


実施概要

実施をするにあたって、以下の点を考慮するとより効果が高まります。
■ 1グループ6名くらいがちょうどよいです。
1人1人の話にじっくり耳を傾けて話ができる人数が最適です。グループワークが前提ですが、人数が多すぎると効果が薄れます。
■ 各チームに流れを理解してうまく進行できる人を入れておくとスムーズに、目的をそらすことなく進行できます。
■ グループで各人の期待値などを話ていくので、普段一緒に仕事されている方とかがよいかもしれません。
ただ、自分自身の歴史などもお話しながら進めるので、必ずしも既知である必要はありません
■ グループワークで、じっくり話をしながら、気持ちを分かち合いながらすすめるので、焦らずじっくりと8時間くらいの実行時間を想定します。

研修の振り返りと、次に活かす

研修の実施後には、必ず振り返りを実施し、Good/Moreを洗い出し、次の研修の機会に活かすようにします。毎回課題がでてくるので、重点課題に対しては次回に対応できるように対策を検討することで、徐々に良い場を構築していくことができるようになります。

特に、このコロナウイルスが猛威を奮っている昨今、どうしてもリモートでの研修に対応せざるを得ないので、よりよい研修の場にするためには試行錯誤が大切になってきます。実施の後にはリモートならではの課題や問題が出てくることが多いので、次回に生かせるように運営メンバーで対策を議論しておくことが大切です。
我々はZoomを利用していますが、議論はブレークアウト機能を使うことによって対応しており、will/can/mustの意見を出し合うところは、Google Slideを使って、メンバーごとのページにテキストボックスでコメントしていくような工夫をし、進行にはZoomのチャット機能をうまく利用して意見共有に利用しています。


最後に

最後まで到達すると、不思議なことに「自分の成し遂げるべき」項目がうまると思います。そこで自ずと出てきたものが今現在のその人の考える目指すべきところです。
その結論を踏まえ、今後どういう方向に進んでいくべきなのか?を判断するための指針にしていただけると思いますし、業務においての役割分担で、そのメンバーの「成し遂げたいこと」を考慮していくと、本人のモチベーション維持にも結びつくので効果が高まります。
また、この研修の場合、実施するタイミングによっても結論が微妙に異なってきますが、それも醍醐味です。

もしご興味がある方で不明な点があればご連絡ください。助言やお手伝いできる部分もあるかと思いますので。

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