見出し画像

派手髪のススメ

ここ三年ほど派手な髪色で過ごしている。
きっかけは適応障害で休職したこと。
病むくらいなら好きな事して変な人と認識されたほうが気が楽なのでは?と後ろ向きなんだか前向きなんだか分からない意識でまず真っ赤にした。

ブリーチ無しなのでちょっとオレンジっぽい

会社では驚かれたが、別段注意されることもなく受け入れられてしまった。
このくらいは良いのか、と思ったが、後日、「あの時はとうとう……って戦々恐々としてました。今まで真面目でお堅いイメージの人がいきなりあの色ですよ? またなんかあったかと思いました」と告白されることとなった。
それは置いておいて、この色くらい派手なのは大丈夫、と分かったので今度はピーコックグリーンにした。

ピーコックグリーンにしてはちょっと暗いかも

この辺りから会社の人と、周りの反応が大きくなり始める。
会社では全く知らない他部署の人に話しかけられることが増え、変な髪色の人としての認識が広まって行った。
そして街中でも全く知らない他人に話しかけられるようになる。
まあ主におばちゃん。「自毛?」とか聞いてくる。
逆に妙な宗教勧誘とかアンケートとかの声かけは一気に減った。
一色でこれである。二色にしたらどうなるのか。
好奇心が抑えられず、とりあえず落ち着いた色の二色にしてみた。

パープルとグリーン

が、地味な色だったので、会社の人の反応は慣れたものだった。つまりほぼ無反応。
そして相変わらず、注意もされない。元々服装髪型自由な会社だがどこまで許されるのだろう、と思い始めたのがこの頃だ。
色味を増やすか。派手にするか。
どっちにしようか迷った挙句、派手にして増やした。

マリンカラー

この頃になると担当美容師さんもノリノリである。
ワンブリーチでどこまで色が入るか、のノリでド派手にしてくれた。
会社ではすっかり派手な髪の人として認知されたが、そのせいで多色にしても反応は薄い。
街中では子供に指さされるのは普通になったし、知らん人に「良い色ですね!」や「どこで染めたんですか?」や「自毛?」と聞かれるのも多くなっていた。
ここで気づいたのだが、派手な髪の人間が普通にしているだけで「好感度」の上がり具合がえぐい。
大抵の人は「派手髪=危ない変人」くらいの認識だと思う。ので、最低限の礼儀、たとえば「いただきます」「ごちそうさま」を言うだけでも「好感度」が上がる。
人助けなんてした日には相手の反応がまさに「雨の日に子猫を拾う不良」を見た時の物になる。
会社も「遅刻や無断欠勤をしない」「報・連・相をちゃんとする」程度でも「派手だけど仕事はやってくれてる」という認識になっているようだった。
これ、もっと派手にしてやったらどうなるんだろう。
ここまできたら行くところまで行くか、と手を出したのがレインボー。
しかも縦。

レインボー

担当美容師さんが滅茶苦茶ノリノリだったし、なんなら美容院内の美容師さんが全員見に来た。
もうここまでくると怖いものはない。
服もちょっと変わったデザインや柄を着たところで、到底髪色に敵わず目線は全部頭に行く。
なんならパチンコ屋の前で知らんおばちゃんに拝まれた。
会社の同僚たちは興味津々で見てくるし、ついでにソシャゲのガチャを引くときの触媒にしてくる。
街中では同じく派手な髪の人に話しかけられ、「どこで染めました?」とか「Youtuberですか?」とか聞かれる。ちなみに「事務員です」って答えても信じてもらえなかった。
七色やった後は怖いものはない。そして美容師さんも私ももう止まれない。
今度は横のレインボーにした。

美容師さんの神業

美容師さんが私の無茶ぶりに慣れ、どんどん技術が上がっていく。
グラデが異様に綺麗に出来るようになっていた。
ちなみにワンブリーチのカラー作業は一回だけという神業である。
ここにきて私の頭皮と髪がカラーとブリーチに強いのも分かってきた。
なら悪乗りである。
夏なのでスイカにしてもらった。

緑に黒
そして中に赤でスイカ

ちなみにスイカはXでおバズり申し上げたが、インスタではなんの反応もなかった。
そしてインコになり桃になった。

インコカラー
桃カラー

会社の人はもう最近では「次何色にするか、うちの部署で賭けてるんです」とか言うようになった。
人を賭けの対象にするならいくらか寄越して欲しいと思う。
あと、社内で派手な髪色の人がちょっとだけ増えた。
「何か言われても”ナマコさんはレインボーだったのにこれはダメなんですか?”って言えるなって思ったら染めちゃった」
らしい。人のチキンレースを基準にしない方が良いと思う。
あと多分社長は何も言わない。レインボー頭に「はたらきとうない」って書いてあるパーカーで社長面談受けて何も言われなかったから今後も何も言わないと思う。
そして今は再度レインボーになっている。

彩度高めデザインレインボー

派手髪、メリットも多いが、鏡見ていろんな色が視界に入ってくるのが純粋に楽しいので出来る人は是非お試しいただきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?