【小説】太陽のヴェーダ 先生が私に教えてくれたこと(3)
(第1話/あらすじ)
「体の痛みはいつからですか?」
「五、六年前から……」
「この紫斑は?」
「一年くらい前から時々。今は、毎日……」
診察台で仰向けになったまま、美咲は答えた。
「病院へは?」
「先月、個人病院から出された薬で一ヶ月様子をみましたけど、何も変わりません」
「先月? 一年前と、五、六年前は?」
「……五年前までは行ってましたけど、それ以降、病院へは行ってません」
あからさまに美咲の声のトーンが落ちた。
雪洋から目をそらす。美咲の口元は笑っていたが、目