見出し画像

挨拶ってなんだ?

「挨拶しなさい!激おこぷんぷん丸!」

 挨拶を注意された経験ありますよね。その中には「もっと大きな声で、明るく、元気に、笑顔で」と注文の多い指導も多かったのではないしょうか。子供たちは、挨拶しないと叱られるから、大きな声で挨拶すると褒められるからという理由で大人の言う通りにします。素直な子供達はこれで元気な挨拶をしてくれるようになります。やったー!

 ほとんどの先生がこの方法をとっていると思います。できなければ叱る。やり直しをさせる。できたら褒める。とても簡単です。こういった先生の多くが「人として当たり前のことだから」「あいさつすると気持ちが良いんだよ」という決まり文句を使い、挨拶ができていない子供に対してしつこい指導を繰り返し、形だけの指導をしています。(いいや、私はそんなことしていないという先生は素晴らしいと思います。ぜひ実践方法を教えてください。)

 そう、つい最近の私もしつこかった!!!

 この指導で挨拶できる子がほとんどです。だけど、この指導だけでは通用しない子供もいます。例えば、支援学校では、以下の理由で挨拶が苦手だったり、難しかったりする子供がいます。

・「おはよう」と言われても、返すことができない。→「おはよう」という音声が自分に対して発せられたものとして認識できていない。

・大きな声の出し方がわからない。

・コミュニケーションがこわい。→人に対して何かを伝えることに、緊張や不安がある。

・さようならが言えない→お別れが嫌だから。

・挨拶の必要性に気づいていない

などなど

 これらの困難さは支援学校の子供だけに限ったことではないでしょう。私たちも挨拶をされて気づかないことがあります、初対面の人に緊張してしまうことがあります、声変わりの時期で大きな声が出ない時があります。

 さて、このような子供たちに挨拶を教えるにはどのような指導や支援が必要でしょうか。色々考えてみましたが、まずは挨拶はなぜ重要とされているのか。挨拶の意味について考えてみました。

挨拶する意味①「礼儀だから」

ー礼儀とは、人間関係や社会生活の秩序を維持するために人が守るべき行動様式。特に、敬意を表す作法。(goo国語辞典より)

 礼について言えば、武道の先生がお辞儀は侍の習慣と言っていました。礼をすると相手に対して頭をさげるので無防備になる。それは、そのすきに切られても構わないと体で表現していることになる。だけど、相手は知り合いなのだから切られることはまずない。「あなたは私のことを切らないってわかってますよ〜」とか「敵意はないですよ〜」って体で表現しているということです。つまり、相手に対して頭をさげる行為が相手に対して敵意がないことや相手への誠意の表れに繋がっているということです。友達と仲良くなるためとか人と人が協力していく社会の中で、相手への誠意は人間関係を築く上で大切なことだと言えます。「挨拶は人としての礼儀です!」これだけでは子供に伝わらないかもしれませんが、お辞儀の意味がわかると子供達も挨拶してくれるようになるかもしれない、、、、。

挨拶する意味②動物としての本能。

 動物は自分のテリトリーに入ってきた相手に対して、吠えたりします。「お前何もんだ!」と言わんばかりに。吠えることが敵か味方かを判断する手段になっている気がします。中学生が「お前、どこ中だぁっ!」と言うのと似ています。よくわからない中学校の輩だと敵とみして喧嘩しするけど、知っている中学とか自分が通っている中学校の生徒だと仲間と感じて安心するのか喧嘩はしない。したがって動物は言葉を発することで敵か味方かを判断する本能があるんじゃないでしょうか。日常生活の挨拶の場面も同じで、「おはようございます」「こんにちは」とすれ違った人とコミュニケーションをとり、返答してもらうことで、仲間であることを認識し、安心や安全を確認しているのかもしれません。時々、挨拶を返さなかった人に対してすごい怒っている人がいるけれど、本能が相手を敵とみなして、不安な気持ちになっているのかもしれません。無視されると悲しいですもんね。お互いが仲間であることを認識して安心するためにとか、人と仲良くするためのきっかけとして挨拶は有効なんじゃないでしょうか、、

 このように考えると、挨拶の意味は相手に対して「味方だよ」と伝えることや味方だと認めてあることにある気がします。なので、大きな声で挨拶できなくてもいいし、「さようなら」はいらないかもしれない。また、挨拶ではない方法で子供に安心感を与えてあげることも大切かもしれません。また、挨拶をより良い人間関係を築くファーストステップとするのであれば、まずは、挨拶を形だけで教えるのではなくて、そのあとのコミュニケーションの楽しさを一緒に伝えられるといいのではないでしょうか。(じゃんけん列車をするときは、じゃんけんの前に挨拶をするとかすごくいい。小学生の時に先生に教えてもらった遊びに意味があったんだ!と当時の先生に感謝したいです。)

 最近は挨拶しない若者が多いとか聞くけれど、平和な世の中だし、周りの人のことを心から味方だと思っている人が増えているのかもしれない。挨拶が形骸化していて、挨拶の大切さを理解している人が減っているからかもしれない。よくわからないですが、もっと深掘りして考える必要がありそうです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?