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僕にはカノジョとの思い出がない

僕には彼女との思い出がない

というか彼女と出会う前の記憶が一切ない

〇:(知らない天井だ...)

目覚めて真っ先に思ったのはこんな事だった

看:先生〇〇くんが目覚めました!

〇:え〜っと〇〇って僕の名前ですか?

医:またか...

〇:??

医:単刀直入に言いますと〇〇くんは記憶喪失になったんだよ

〇:は、はぁ?

医:とりあえず連絡がつくのが同棲してる彼女さんだけだったら知らせておいたけど......

〇:どうしたんですか?

医:悪いことは言わないあの子とは別れた方がいい

〇:??

医:だが決めるのは君だからこれ以上とやかく言うつもりは無い

〇:わかりました?

医:特に外傷もないから今日は彼女さんが来たら退院していいよ

看:お大事に〜

〇:ありがとうございました!

それからしばらくして彼女が来た

姫:〇〇大丈夫!?

〇:えーっと......誰ですか?

姫:姫奈だよ姫奈!

〇:すみません記憶喪失らしくって...

姫:そうなんだ...私は〇〇の彼女の姫奈だよ!

〇:(これがお医者さんがやめてとけって言ってた子か)

〇:すみません記憶喪失の彼氏なんて嫌ですよね...笑

姫:そんな事ないよ笑

〇:ほんとですか?

姫:うん!だから一緒に帰ろ?

〇:(お医者さんの考えすぎか)

姫:じゃじゃーん!ここが私と〇〇の愛の巣で〜す

〇:おぉ〜!

姫:マンションの一室なんだけどね笑

〇:ここが僕と姫奈さんの思い出が詰まってる場所......

姫:そうだよ!今から沢山教えてあげる!

それから姫奈さんはアルバムを一緒に見ながら色んな思い出を語ってくれた

〇:この写真の僕を見たら姫奈さんと一緒に居て楽しかった事が分かります

姫:......ねぇ

〇:はい?

姫:なんかよそよそしくない?笑

〇:すみません...

姫:姫奈の彼氏なんだから今から敬語禁止!

〇:わかっ...た

姫:それでよし!

僕はこんな彼女との記憶を無くしてしまった僕自身を恨んだ

あれを見つけるまでは.........

記憶を失ってから1週間後

日常生活にも慣れて来て姫奈の為になにか出来ないかと思い家の掃除をしていた。

〇:ここが俺の部屋か〜記憶を失う前の俺はここで何してたんだろう?

〇:あれ?本棚の裏に何かある......これはノート?

〇:なになに?

『〇〇これを見つけたら今すぐ逃げろ!あいつはやばい!』

〇:はぁ?どういうこと?

ノートに書かれていた内容が理解出来ず僕の頭の中が?で溢れた次の瞬間

ゴンッ

〇:あがっ.........

僕の後頭部に強い衝撃が走った

そして薄れゆく意識の中で視界の端に映る姫奈の姿と

姫:あーあまた1からじゃん...

と姫奈の声が聞こえ、そこで意識が途絶えた

気がつくと知らない天井が目に入った

看:先生〇〇くんが目覚めました!

〇:え〜っと〇〇って僕の名前ですか?

先:またか...

〇:"また"記憶喪失ですか...

〇:あれ?

なんで記憶喪失ってわかったんだろ?

〜Fin〜