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うちのキョンシーは誕生日を祝われたい

今日の茉央は少しおかしい

茉:ソワソワ......ソワソワ......

〇:(明らかに落ち着きがない......)

気になったので直接聞いてみた

〇:茉央どうしたの?

茉:えっ!

〇:さっきからソワソワしっぱなしじゃん笑

茉:......実はな今日茉央の誕生日やねん...

〇:えっ!おめでとう!

茉:でもな茉央キョンシーやん?

〇:うん、一応そうだね

茉:じゃあキョンシーになった日が誕生日なんかなって思って...

〇:だからずっとソワソワしてたのか笑

茉:うん...

〇:そんなの両方祝えばいいじゃん!

茉:いいん......?

〇:うん!茉央はもう家族同然だからね!

茉:ほんま〇〇は優しいな......

〇:じゃあケーキ買ってくるよ!

茉:じゃあ茉央も行く!

〇:今日の主役にそんな事させられないよ笑

茉:でも...

〇:じゃあ今日食べたいものでも考えながら部屋の飾りつけお願い

茉:わかった!

〇:決まったら連絡して

そう言って俺は家を後にした

〇:今が......げっ!17時......お店のケーキ残ってるかな?

こういう時に限って俺の予感は的中する

店員:残ってるのがこのショートケーキだけでして......

〇:じゃあそれください!

幸い茉央の分のケーキは確保できたがこのまま帰ると

茉:えっ?〇〇の分無いん?

茉:〇〇と楽しさを分かち合われへん誕生日なんか嬉しない!

と言われてしまうのが目に見えているので近くのスーパーに来た

〇:まぁ流石に皿に移したらバレないでしょ!

そんな安易な考えでショートケーキの会計を済ませた

〇:あとは……これか~

ケーキ屋でもらった保冷剤とスーパーで搔っ攫ってきた氷が解ける前に次の目的地に向かうことにした

〇:このまぐろづくしセットください!

茉央が食べたいものはマグロだった

〇:あぁ...給料が......でも茉央の喜ぶ顔が見れるならそれでいいや

そして何とか氷たちが全滅する前に帰ることができた

茉:うわ~マグロでいっぱいや~!!

茉央がお寿司に夢中になってる間にケーキを皿に移した

〇:茉央の飾りつけもいい感じじゃん!

茉:へへ~んもっと褒めてくれてもええねんで~

〇:はいはい早く食べないと俺がこのマグロ全部もらっちゃうよ?

茉:それだけはあかん!

そう言って茉央は寿司の入ったトレーごと自分の前に持って行った

茉:ん〜!美味いおき!

〇:なにそれ?笑

凄い勢いでマグロが無くなっていったが茉央の喜ぶ顔が見れたので良しとしよう

茉:あかん......食べ過ぎてマグロなってまう

〇:キョンシーの次はマグロ?笑

茉央の残り物を食べながらそんなことを話してたら

茉:ケーキ食べよ!

〇:左の皿が茉央のだよ

茉:どっちも同じじゃないん?

〇:(やばいバレる!)

〇:帰って来るときに片方倒れちゃってさ…

茉:そう...なん......?

〇:そうそう主役にはキレイな方を食べてもらいたくて

茉:〇〇優しいなぁ~

〇:は、ははは(何とかごまかせた)

そうして何事もなく茉央も誕生日を過ごすことができた

〇:次の誕生日はもっと早めに行ってね

茉:なんで?

〇:色んな所に連れて行ってあげたいからさ!

茉:〇〇......

〇:な、なに?

茉:茉央は〇〇さえ居てくれたら他にはなんもいらん

〇:えっ///

茉:愛してんで〇〇~♡

~Fin~