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足部に加わる力学特性

こんにちは、CLINICIANSのタツ(@tatsu_bridgeです。

今回は『足部に加わる力学特性』について、解説させて頂きます!

身体活動において、足部は地面に対する最終作用点になります。

様々な方向から力がかかっていますが、見ることが出来ません。

この「見えない矢印」を見るためには、力学特性を知ることが、とても大切になってきます。

本記事はこんな方にオススメです。

● 力学を知りたい方
● 足部の力学特性を知りたい方

● 足部の楽しさを知りたい方

分からない点などがあれば、購読者専用オープンチャットでご質問ください!

それではいってみましょう。

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▶︎ 力学特性をテコから考える

新しい靴を履いたとき、足底と床面との間に違和感を持つときがありますが、履き慣れてくると違和感がなくなってくることがあります。

これは靴自体が足に合わせて変形していることもありますが、その靴に合わせて足部が(感覚も含めて)適応したとも考えられます。

また足部の取り巻く環境によって、様々な場所に痛みを生じたり、外反母趾や扁平足などの変形が生じたりすることもあります。

足部にかかる刺激は、床面に対する身体活動のフォームによっても大きく変化し、適応したり、変化したりする能力も個人差が大きいと言われています。

足部に加わる力学特性を考えるとき、「テコ」をイメージすると理解しやすくなります。

身体運動においての関節テコだと思って下さい。

テコ支点・力点・作用点アームレバーによって構成されます。

その組み合わせや、固定点の変化によって、並進運動にも対応しています。

▶︎ 前足部荷重のテコ

前足部荷重は、足部機能にとってポイントになる1つです。

例)60kg重の男性が前足部で荷重し、踵を少し浮かせた状態で静止しています。

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足関節底屈筋群の付着部を力点(A)
足関節を支点(B)
前足部で荷重されている点を作用点(C)

とします。

片脚立位時の前足部の模式図


釣り合っていることをイメージして下さい。

テコにおける回転力(モーメント)は、支点からの距離が近くなれば、それだけ大きな力が必要になります。

モーメントについては知りたい方は、こちらの記事をご覧下さい。


足関節底屈筋群の付着部の力点(A)から支点(B)までの距離と、支点(B)から荷重されている作用点(C)までの距離の割合をおよそ1:2だとします。

そうすると、荷重されている作用点(C)には、体重の60kg重の力が働いているので、その2倍となる120kg重の足関節底屈筋群の筋力が力点(A)に働いていることになります。

さらに支点(B)には、その作用点(C)と力点(A)を合わせた力がかかるため、180kg重の力を受け止めて釣り合いを取っていることになります。

片脚立位時の前足部の模式図(例)


静的な姿勢だけでなく、スポーツなどの動的な場面においては、さらに加速度が加わることになり、支えるための張力は増大します。

加速度についてはこちらの記事を、ご覧下さい。


また身体活動における全体の慣性の影響を、足部以外の関節において、どのように吸収しているかによって。足部にかかってくる負荷量は大きく変化します。

そのため、かなり広いレンジの張力が足関節の腱・靭帯や付着部にかかっています。

▶︎ アームレバーの剛性

テコは、支点を中心に小さな移動距離を素早い大きな移動距離に変換することや、反対に小さな力を大きな力へと変換することが可能です。

ただ、そのために必要なものがアームレバーの剛性になります。

アームレバーには、モーメントに耐えうるだけの剛性耐久性が求められます。

アームレバーの内に働く力を「応力」または「内力」と言います。

人体において、アームレバーとなるのがになります。

骨も許容量を超える繰り返しの刺激がかかり続けてしまうと「疲労骨折」になってしまいます。

疲労骨折の模式図

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