M-1の「もも」について思ったこと

※この記事は、私のDiscordサーバー「竜田会」内で掲載したものに一部加筆を加えたものです。
いろいろな意見を聞きたいのでNoteで公開します。
「もも」のお2人やそのネタを批判するもの、というよりは、それをきっかけに疑問に思ったことについて述べた文章として見ていただけたらと思います。


(以下本文)



こーんにーちわー!(’ ’)こんばんはだよ

ということですっかり錦鯉にハマってしまった新条です。あ、ランジャタイもいいよね。

今日はM-1絡みの話をさせてください。と言っても、今日はけっこう社会問題にもかかわる真面目な話です

今年のM-1の10組目に「もも」というコンビがいました。メンバーは「せめる。」さんと「まもる。」さん(この時点で昭和の漫才師っぽくてセンスありすぎ)。
ネタの内容はM-1公式チャンネルがつべにアップしてくれてるのでそこで確認してもらいたいですが、簡単に説明すると、
強面のまもるさんと、いわゆる“オタクっぽい”外見のせめるさんが、それぞれの見た目をイジりながら「〇〇顔やろ」と言い合う、というものです。
例えば、まもるに対して「シャッターに落書き顔やろ!」とか、せめるに対して「プリキュア映画見る顔やろ」とか。
ネタ自体は何も考えずに見ると普通に面白く、私もOAを見ながら個人的な得点として「93点」をつけました。ボケ不在で突っ込み合うという感じですね。

ただ、少し立ち止まって考えてみました。これでいいのか。

お気づきの方もおられるかもしれませんが…
そうです。「プリキュア映画見る顔」という言葉。
「プリキュアは女子しか見てはいけない」という固定観念をまるで表しているかのように感じてしまいます。これはちょっと笑えないかなあ。

何せ、私自身がプリキュアの映画を見に行く男性なのですから
2018年以降、12歳年下の妹の影響でプリキュアにすっかりハマりました。映画にも見に行ってます。なんなら泣いてます。
私だけじゃないです。一昨年ビッグサイトであった夏コミケに行った時も、大人のお兄さんたちがプリキュアについて研究した薄い本をたくさん売ってました。

たしかに、製作元の東映アニメーションや関連商品を売るバンダイにとっての「ターゲット」は女児です。しかし、それはあくまで作る側にとっての「ターゲット」にすぎません男子がプリキュアを見てもいいし、女子が仮面ライダーや戦隊を見てもいいんです

オタクに限った話ではありません。まもるさんに対し「反社っぽい顔」と決めつける。顔でその人の属性を推測(もしくは判断)するのはどうなんでしょうか。

このような外見に基づく差別や偏見は「ルッキズム」と呼ばれています。外見的な美醜を重視して人を評価する考え方、容姿による差別に対する危機感は近年高まっていて、テレビもコンプライアンス上、気にしなくてはならない問題の1つになっていることでしょう。

(ちなみに、2年前にミルクボーイが偏見ネタで優勝しましたが、これが大絶賛された(私もしてる)のは、「コーンフレークは煩悩の塊」のように対象が人ではなくモノだったこともあるはずです)

ただ、「ネタの中なら許される」という意見もあります。確かにネタは(おそらく)フィクションですから、フィクションの範囲内ではこうした偏見は許容されるという考えもあると思います。ただ、結果的にそれを面白がってしまうのはノンフィクションと何ら変わらないのではないか…とも思うのです。
あと、これがお金を払ってみたい人だけ見るライブならまだしも、公共の電波で流れたことも批判の理由として考えられます。ただ、放送局には番組編集準則に基づく放送の自由があるし…
いや~、難しい。コンプラの問題はほんとに難しい。

また、ネタの良しあしはともかく、子どもがこういう偏見をしているなら親が指導すればよいという考え方もあります。私はこれに近いかなあ。ネタ自体には先ほどまで述べたような疑問を感じてしまうけど、それと現実を分けるという方法。ただ、ネタに疑問が残ることには変わらない。

そういえば、ももに対して突っ込みたいことが1つ。
なぜこの「プリキュア」ネタを、プリキュアシリーズの制作局である大阪のABCである「M-1」でやろうと思ったんでしょうか…
プリキュアシリーズはジェンダーに関してもいろいろな取り組みをしている(3年前には男の子のプリキュアが出たし、今年のプリキュアの主役カラーは例年のピンクではなく白でした)ので、ABCから怒られたりしないんでしょうか…

まあそんなことはとやかく、みなさんはどう思われますか?
正解はないと思います。是非皆さんの意見を聞かせてください。
ちょっと社会的なお話で失礼しました。

補足
私はツイフェミのような「フェミニストイズム」と呼ばれる考え方を擁護するわけではありませんし、逆差別が起こりうるような過度な取り組みには反対です。また、表現規制にも反対しています。芸人さんがどのようなネタをしても私にとやかく言う権利はありません。ただ、少し疑問を感じたというお話でした。
もものお2人の今後のご活躍を心から期待しています。


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