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「シン•ニホン」を読んで

安宅(あたか)和人さんの本。日本人は、今読んだ方が良いかもしれないと思う。日本の課題と、これから日本を再生していく方法について書かれている。ファクトベースで語られるから説得力が凄い。それと、写真や図、注釈に書かれる安宅さんの言葉の定義も、読み進めていくうえでワクワクする感覚を持てた。

いまの日本を考えるきっかけ

30年前、世界企業ランキング1位は日本企業。(調べたらNTTだった)しかも上位10位のうち9社が日本企業で、通信と銀行が世界をリードしていた、そんな時代はもう昔。それが今は世界をリードしているのは、GAFAをはじめとするITプラットフォーマーと呼ばれる企業で、日本は全然上位に出てこない。上位50位のなかで、日本企業が出てくるのは35位のトヨタのみ。GDPで見ても、世界トレンドとして、増加傾向のなか、日本だけが伸ばせていない状態が25年程続いていて、日本が少ないドイツ(日本の人口2/3)に並ばれようとしていることは、一人あたりの生産性も低くなっていることを意味している。なんかヤバい感じがひしひし伝わってくる。これまでは、大量生産大量消費を目指すスケールゲームを戦っていた日本が本気で変わらないといけない転換点にいる。本の中では、そうした現実を踏まえた日本の再生プランと人材育成について書かれているー。

五感をひらいて、沢山の経験をする!

本の中で特に面白かったのは、第三章の求められる人材とスキルに書かれていた、これからは知性を磨き、高めることがAI時代に必要とされる人材だという話。その知性は、沢山の経験から知覚することからはじまる。だから知性の核心は「知覚」にあると著者は言う。そのプロセスは図のようなイメージ。

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その知性を高めるための訓練として、知覚した内容を表現することは有効かつ重要だと書かれていた。まさに、自分が鍛えなくてはいけないところだと痛感…!(鍛えるコツはそれ以外に4つ書かれている)

AIの本質は、情報処理の自動化。何か大量のインプットをもとに識別したり、予測したり、実行するのが得意としているけど、アウトプットしたものに意味もなく意志もない。だから、知性を高めることは人間にしか出来ないことでAIと根本的に違いで、これから先、知性を高めることが求められると主張している。普段の生活のなかで、経験する絶対量を増やすこと、その経験から気づいたことを蓄積すること、物事を多面的に見てみることを心がけていくことが非常に大事だと思った。百聞は一見にしかず!

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