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「子持ち様」という言葉がなくなるために


こんにちは、XTalent代表の上原です。
withworkというサービスで、共働き・ワーキングペアレンツの転職支援をしております。

2024年4月4日、ハフポスト日本版にて「「子持ち様」と呼ばれる子育て社員。対立招く企業の構造に問題は」というタイトルの記事が公開されました。

公開数時間後には、「子持ち様」というキーワードがYahooニュースのトップ、コメントはあっという間に5000件を超えました。Xではトレンド入りし、関連ポストの中には100万回以上表示されたものも見受けられました。

センセーショナルな見出しですが、対立構造の解消に一歩近づくような議論になればと願い、取材にお答えしました。

1つの言葉から噴き出した、様々な人の様々な事情

この「子持ち様」という言葉からイメージされることは、きっと人によって様々だと思います。最近は比較的育児に理解のあるスタートアップ企業も増えていますが、制度の充実した大手企業、また人手不足にあえぐ中小企業やサービス産業、医療・福祉などケアワークの世界など、業界や会社の規模によっても、この文脈において起きている事象の差異は大いにあるでしょう。

我が家は、子どもがふたりとも小学生になり、突発的なお迎えなどはほとんどなくなりました。ただ、1〜2歳の頃はとても大変で・・長女はしょっちゅう呼び出し、病児保育施設など活用しようと試みても中々予約がとれない、比較的若くして子どもが生まれたので、ベビーシッターを頼る経済的な余裕もありませんでした。

きっと、多くの子育て世代が必死に日々を生き抜いていると思います。さらに時短勤務となる方は年収が半分近く下がることも稀ではありません。そして、意外と時短で年収が下がっているということは周囲の同僚には知らされていないものです。

一方で、その“周囲”にはどんな影響があるのでしょうか?これも業界や仕事内容によって、大きく異なると思います。

例えば、企画職などであれば、巻き取ってもらう相手がいないので結局自分がやるしかない。なので深夜まで持ち帰り残業・・という方もいれば、現場仕事においては、1人がやむを得ない事情で帰宅した場合、その現場は必然的に人手不足になり、周りの人たちが1人分の負担を背負うということもあるはずです。

そして、その“周囲の人たち”にも様々な事情があると思います。実際にコメントを読んでいると、子育て中の方のフォローに追われる、不妊治療中の方のやるせない声もありました。
「育児は大変なんだから、フォローしてもらって当たり前」というスタンスで仕事を押し付けられたと感じた人もいるようです。

みんなが働きやすい、は簡単じゃないけれど・・・

記事の中で、私も「みんなが働きやすい職場を目指そう」といった趣旨でお話しましたが、いざ実現すると考えると、簡単なことではありません。

今回の記事公開、様々な意見を拝見して、結局は、それぞれの事情を理解し、歩み寄り、コミュニケーションをとっていくこと、になるのかもしれない…と感じています。

フォローする、フォローされるという役割も固定的なものではないはずで、育児のフェーズが変われば、次はフォローする側になる瞬間もあると思います。育児以外でも、介護や自身やペットを含む家族の急病など、フォローが必要な事情は様々に存在します。。そんな共通認識を各々が持つことができれば、もっと歩み寄りが起こるんじゃないかって思うんです。

企業がやるべきことは、そのための働き方や、文化をつくることなのかもしれません。

自分は、「子持ち様」という言葉が生まれた裏には、企業が制度づくり「しか」やってこなかったという問題もあるんじゃないかと思っています。育児に対して適切なケアがされることは企業として重要ですが、一方で育児中の方のケアのみに企業が注力してしまうと、やはりそのツケが誰かに回ってしまいます。

そして、この構造を当事者間の問題として放置してしまうと、人はどんどん組織から離れていきます。誰も幸せになれません。中小企業が賃上げに対応できていないという話もありますが、こうした働きがい・働きやすさのトレードオンも同様に取り組んでいかなければ、これからの時代、会社は生き残れなくなってしまいます。

「子持ち様」なんて言葉をなくすために

改めてですが、「子持ち様」なんて言葉はなくなるべきです。でも、この言葉が生まれる構造から変えていかないと、今後また同様の言葉が生まれてしまいます。

XTalentは「フェアな労働市場をつくる」というミッションを掲げていますが、「フェアであること」はとても多元的で、様々な視点からみてフェアである、といえる必要があります。非常に難しい問いを立て続けならない、一筋縄ではいかない課題解決です。

今回の記事が一つの問題提起になれば何よりです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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