理想の暮らし
「ホリネズミとは、小さいけれど本当に賢いね」。狩人は感心してその姿を見つめていた。「彼らの暮らしぶりを見てごらんよ。ホリネズミの巣はいつだって穀物の育つ場所のすぐそばにあるから食べ物にも困らないし、小川や沼も近いから水にも困らないのだよ。ホリネズミはフクロウやタカがねぐらにしている柳の茂みにはけっして住みつかないのさ。ましてや彼らを狙うヘビが隠れて、いつ飛び出すのかわからないような開けた岩場のそばになんか近寄りもしないのさ。この小さくて賢いホリネズミたちは、自分たちの住処をつくるときにはまず小山の南東の斜面を探すのだよ。そこなら巣穴は昼間の暖かな日の光によって温められ、心地よい場所になるんだろう。そうすれば、かれらの巣穴は風上の凍った斜面を吹き抜けた、北や西からの猛吹雪に襲われることはなく、巣の上に降り積もる粉雪の吹きたまり程度で済むのさ」
狩人は続けた。「ホリネズミは巣穴を掘るときにはどうするかわかるかい?彼らは通い道を2〜3フィート下へ向けて傾け、地表近くにもさらに穴を掘り、平らな乾いた棚をつくるのだよ」
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