[ArduPilot] AutoTune で墜落しないために

機体のチューニングは非常に奥が深いです。
ArduPilot ではチューニングプロセスが Wiki に記載されており、非常に勉強になります。

Tuning Process Instructions
https://ardupilot.org/copter/docs/tuning-process-instructions.html

この手順を読むと、PID など多くのパラメータをチューニングしないといけないことが分かるかと思います。
そんな大変なチューニングを自動的に行ってくれるのが AutoTune という機能です。
飛行した状態で AutoTune のモードに入れると、Pitch、Roll、Yaw を順番に動かして、パラメータを調整します。

AutoTune
https://ardupilot.org/copter/docs/autotune.html

ただし、AutoTune を実行すれば、常に完璧なチューニングが行われるわけではありません。
ある程度、飛行できるレベルまでは手動で調整する必要があります。
以下に、AutoTune の信頼性に関する問題が挙げられています。

Poor Autotune Performance
https://github.com/ArduPilot/ardupilot/issues/16461

もし、全くチューニングしていない状態の機体で AutoTune に入れると、より悪いチューニングが設定されたり、最悪な場合には墜落します。
AutoTune の実行中に墜落したという報告はフォーラムなどでも定期的に見かけます。
このような事態を防ぐために、上記の issue で提案された対策が以下の PR で実施されています。

AutoTune: tighten wait-for-level criteria for Copters
https://github.com/ArduPilot/ardupilot/pull/16471

この PR では、最大角度誤差などの制限をより厳しくし、誤差が大きい場合には手動でも調整が必要であることを知らせるメッセージが表示されるようになります。
今回の修正は AutoTune の精度が上がるというわけではなく、事故を未然に防ぐための安全面の機能となります。
墜落が発生すると機体のパーツが壊れるだけでなく、バッテリーのケア、関係各者への連絡などの事故の後処理が発生し、信頼ややる気が失われることになるため、可能な限り減らしたいですね。

この改善で、AutoTune に関連する多くの事故が減りますように。

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