10年

【10周年 -Our Ten Years Anniversary】

妻と一緒に暮らし始めて、今日で丸10年が経った。(※入籍してからはまだ8年半です)

この10年というワードは、ワシら夫婦の間ではちょっとネガテイブな含みを持つワードのだが、この10年、ただの一度も喧嘩する事なくこの日を迎えられたことに感謝…って感じでもなく徒然に。

既に忘却の彼方なのだが、妻と知り合う以前のワシは、確か「たつを」という一人の人間だった気がするのだが、妻と暮らし始めて以降のワシは、なんというか、ワシという人格の中に妻がいるような、妻という人格の中にワシの姿を見るような、一人でいるのか二人でいるのかよく分からない不思議な感覚でこの10年という日々を過ごしてきた。(故に、この10年で新たに知り合った皆さんは純粋なワシを知らないと思われる…んだけど、今のワシも、ある意味、純粋なワシである気もする)

かつての恋人たちにも同じような感覚を抱いたことはあるのだが、それはいずれも甘い感情と共に多少の重苦しさや息苦しさ、不自由さを伴っていただけに、なぜ妻だけがこれほど特別なのか。二人の平穏な生活を乱さぬよう、共に不断の努力を重ね…なんてことはまるでなく、極めて自然体で過ごしているだけなのだが、これは単なる相性で片付く話なのか、結婚という制度ゆえなのか、共に過ごした時間の長さや密度が違うのか、はたまた、妻こそが赤い糸で結ばれた、ワシが出会うべき「運命の女性(笑)」だったのか。

なぁんて事を、節目を迎えるにあたり、ここ最近色々と思いを巡らせていたのだが、正解なんてわかりゃしないし、そもそもワシは妻さえいればそれで十分、わかる必要もないのだと気付き、考えるのをやめた。つーか、妻が同じように感じているとは限らんしな。

ただ、この機会にひとつだけ。

ワシは最初の2年で週末の食事を作ることすら完全に放棄したので、ワシはこの10年をほぼ妻が作ってくれた食事のみを糧にして生きてきた事になる。日に三食だとすると、単純計算で実に11000食弱にもなるのだが、多分、妻が作ってくれた料理をこの10年で9000食はワシは完食しているはずだ。(例えそれがフルグラを器にあけ、ミルクをかけるだけであっても、クルミやアーモンド、ブルーベリーを追加するのが妻のスタイルだ。)

特にここ2年ほどは昼にお弁当まで持たせてもらってるので、かわいいあの娘との外食デートや、友人たちとの飲み会を除き、ほぼ98%、妻が作ってくれた料理しか食ってないし、妻との二人外食も考えると、99%近く妻と同じものを食っている。(ちなみに、体調不良などで完食出来ずに食事を残したことは片手で余るぐらいしかない)

諸説あるが、人の体は約7年で新しい細胞にほぼ丸っぽ入れ替わるらしい。

ということはだ。

過去に何の接点もない、完全な赤の他人として出会った二人であったが、この10年共に暮らし、同じ食事を摂ることで、ワシの体のほぼ全ては妻の作ってくれた食事を原料とした細胞に入れ替わっており、妻もまた、ワシが食ったのと同じ食事で出来た細胞に入れ替わってる訳だ。毎週切ってる爪も、毎月刈っている薄くなった髪も、剃刀負けした際に流れる赤い血も、風邪をひいたときに垂れてくる鼻水も。全てワシの一部ではあるのだが、それら全ては、献立に悩みながら疲れた体に鞭打って妻が毎日作ってくれる食事で出来ているのだ。その事実には、感謝の念より前に単純に感動してしまう。(我が家はフルタイムの完全共稼ぎです。甲斐性がなくてスマン!)

髪型が違うとか、要因は色々あるけど、10年前に服部緑地で撮ったこの写真のワシより、今の方が若く見えるしな。(GunsのツアーTシャツ着てデートってのがまたダセェな)

そりゃ、妻相手に喧嘩なんて細胞レベルで起こるはずがないし、仮に喧嘩したところで勝ち目なんてなかろう。

…なんてね。

明日、あるいは今晩にでも、思いもよらぬことがきっかけで大喧嘩が始まるのかも知れないけど、どうか、この幸せな日々が1日でも長く続きますように。

ほんま、いつもありがとね^^

(まぁ、相変わらず、いろんな女の子に惚れてはすぐに振られ、その見事な振られっぷりを妻に逐一報告する日々なのだが、惚れっぽいのは妻が作った食事で出来たワシの細胞が引き起こす生理的な衝動なので、それについてはきっと妻もすっかり諦めている…といいなぁw)

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