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ありがとうを伝えた話

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悲しい救急現場を体験したことがきっかけで、家族に「ありがとう」を伝えてきました。「こんないい歳になった男が」と思いながらも、恥ずかしさを乗り越えてようやく伝えてきました。伝えたこ…
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#親子

「生まれてくれてありがとう」奇跡のような幸せの中で生きている

子どもたちが幼い頃の誕生日は、いつかケーキを前にして、妻が子どもに、 「生まれてくれてありがとう」 と言っていました。 子どもたちの意識はバースデイケーキに集中しているので、気にもしていない様子でした。 私は、そんな言葉をいう妻を「すごいなぁ」と思うものの、自分は言葉にすることはありませんでした。 そんな私が、2人の幼い息子を抱きしめて、 「生まれてくれてありがとう」 というようになりました。 どうしてかというと、一瞬にして自分の気持や考え方が、ガラッと変わった経験をし

「産んでくれてありがとう」を伝えるまでのハードル

母親に「産んでくれてありがとう」を伝えようと思ったのは、ずいぶん前でした。 中学、高校と、反抗しまくって心配ばかりかけていたので、社会人になってからいつか言わなきゃ、と思い続けていました。 しかし、友だちにありがとうは言えても、母親には照れくさくってなかなか言えません。とにかく母が元気なうちに伝えておかなきゃいけないとは思っていました。 盆や正月に実家に帰るたびに、母の姿を見ると、 「まぁ、またつぎにしよう」 と、毎年先送りしていました。 子どもたちが呼ぶように、私も