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最高のラインアウト → リフト関連の質問

2021年9月&10月に日本ラグビー協会のTIDユースキャンプ、BIGMAN & FASTMAN キャンプにFWコーチとしてオンラインでラインアウトの話を行いました。

講義の後に、選手からいくつか質問をもらったのでその回答となります。

一般公開しても特に問題ない内容なのでnoteで書きます。

今回は「ラインアウトのリフトに関するいくつかの質問」にまとめて回答しています。

1.講義で話した内容

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 今回のキャンプでは「最高のラインアウト」というテーマで2回の講義を行いました。

第1回は、「最高」=最も高い という趣旨で、ジャンプ&リフトの部分にフォーカスして、基本的なスキルの話をしました。

第2回は、「最高」=ベスト という意味で、ベストに近づけるためにラインアウトの構成要素、時系列で紹介しながら選手たちと話をする機会を増やして行いました。

2.質問への回答

今回は、特に1回目で触れた内容であるリフトに関する質問への回答となります。

Q1.「バックリフターで、ジャンパーを上げ切ったときに手の平に乗せますがこれって良い事ですか?」

手の平のどこの部分に乗せているかわかりませんが、あまりその意識はないですね。

下画像のように少し投げるような形になれば最終的には手の平全体で抑えるような形にはなります。

ただ、優先すべきなのはまずは安全性です。

その次に高さを求めながら安定して同じように上げられることなので、乗せた状態が最も安定するのであれば現状はそれでも良いのではないかと思います。

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Q2.「前後のリフターで身長差があるがどうすればいいか?」

できる範囲であげてください。
特に前が高くて後ろが低い場合、どうしても前リフターは伸びきれません。

とりあえずは後ろリフターができるMAXを狙っていくので良いと思います。

身長の小さい側が一度手を離すいわゆるダブルリフトができるようなパワーがあればチャレンジしても良いと思いますが、安全第一です。

⬇︎画像は、前リフターが199cmのブルブリング選手、後ろリフターは多分日本代表キャプテンの189cmラブスカフニ選手。
お尻を持って上げていると10cm差の前リフターはこんな感じになります。
ただ、この状況では、DFチームがジャンプしてきていないので、特に問題なく獲得はできていますね。

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逆に後ろリフターが高い場合は、⬇︎こんな感じです。

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前リフター:ナ選手177cm
後ろリフター:ブルブリング選手199cm

更に、リフトで持つ位置についても標準的なものは講義で見せましたが、パワーがあって確実に安定できるなら結果的に⬇️のように前リフターが膝付近を掴む事もあります。
これは前後の身長差は約15cm。後ろリフターの身長が高いです。

※何度も書きますが、これは安全性の面でおすすめしません。
高校生でジャンパーが軽いからと言ってこれを多用すると重大な事故につながる事もあるので、他の部分で成長を目指しましょう。

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Q3.「リフトのスピードを上げる為にどんな練習をすればいいか?」

この質問はとても多いのですが、スキルが足りないのかパワーが足りないのか?で見ると圧倒的にパワー不足が問題のことが多いです。

継続的に実際にリフトを行うと言うのは前提ですが、私が考える最も簡単な近道は、「正しいフォームでスクワット、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂を行って、しっかり食事と睡眠をとる事」です。

ダイエットや勉強と同じで何か特定のことだけをやればできるようになると言う都合の良いことはあまり起こりません。


Q4.「二段上げのリフトスピードを上げたい」

同上です。
スピードを上げるには一定以上のパワーが必要です。

パワー以外のコツとしてはジャンパーとしっかりタイミングを合わせる。
上げる方向を調整してみる。

以上の2点かなと思います。


3.まとめ

リフト単体で切り取ると否応なく「パワー」の重要性が出てきます。

コツはありますし、それは多少講義で触れましたが、近道は地道なトレーニングです。

今回参加してくれたBIGMANは1、2年生なので、まだ時間はあります。
コツコツ頑張っていきましょう👍


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今野 達朗  KONNO TATSURO / ラグビー
いつも読んで頂きありがとうございます。 サポートしてくれて大変嬉しいです。 また頑張れます👍